• 作成日 : 2016年1月20日

贈与税の税率の活用による節税方法まとめ

贈与税は贈与額や贈与者と受贈者との続柄等によって税率が異なります。パターン別に贈与税を計算して、どれくらいの節税効果を期待することができるのかを見ていきましょう。

贈与税の一般税率と特例税率の違い

贈与税には「一般税率」と「特例税率」の2つがありますが、税率が低いのは「特例税率」です。

受贈者が特例税率を選択できるわけではなく、受贈者の年齢および贈与者と受贈者との続柄に応じて一般税率なのか特例税率になるのかが予め決められています。

一般税率は、特例税率が適用されなかった場合に使用する税率となります。特例税率とは、直系尊属から20歳以上の直系卑属へ贈与した財産に対して使用する税率をいいます。

直系尊属と直系卑属に関しては

・民法第887条:子および子の代襲者の相続権
・民法第889条:直系尊属および兄弟姉妹の相続権
・民法第900条:法定相続分
・民法第907条:遺産の分割協議または審判等

を適用します。

具体的な例として

・祖父母から孫へ贈与した場合
・父母から子へ贈与した場合
・祖父母から子へ贈与した場合

が挙げられます。

特例税率は贈与を受けたその年の1月1日に20歳を迎えているかどうかがポイントとなります。

なお、特例税率の適用を受ける場合で、下記のいずれかに該当する場合は、受贈者の戸籍謄本等を添付する必要があります。
 ・直系尊属のみから贈与を受けた場合で、贈与額が410万円を超えるとき
 ・直系尊属と直系尊属以外から贈与を受けた場合で、贈与額の合計が410万円を超えるとき
ただし、過去の年分の贈与税申告書とこの添付書類を提出している場合には、申告書に提出した年分と税務署名を記載すれば、提出する必要はありません。

孫の 20 歳の誕生日贈与日適用税率
1月1日1月1日特例税率
1月2日1月1日一般税率
1月2日1月2日特例税率

特例税率の要件に当てはまらなかった場合に一般税率を使用しますが他にも、
・直系尊属ではない親族(伯父母など)から贈与を受けた場合
・他人から贈与を受けた場合
というパターンがあります。

贈与税はその年の1月1日から12月31日までに贈与を受けた財産に対してかかる税金です。そのため複数人から贈与を受けることも考えられますが、その場合は、一般税率の適用を受ける贈与額、特例税率の適用を受ける贈与額ごとに計算することになります。

たとえば1月1日に祖父と父と伯父の3人から現金をもらった場合、祖父と父は直系尊属になるため特例税率を使用しますが、伯父は直系尊属ではない親族となるため一般税率を使用して贈与税を計算することになります。

実際に贈与税の税率表を使って計算してみましょう!

贈与税の税率は国税庁の速算表を引用します。

<一般税率>
基礎控除後の価額
200万円以下300万円以下400万円以下600万円以下1,000万円以下1,500万円以下3,000万円以下3,000万円超
税率0.10.150.20.30.40.450.50.55
控除額-10万円25万円65万円125万円175万円250万円400万円
<特例税率>
基礎控除後の価額
200万円以下400万円以下600万円以下1,000万円以下1,500万円以下3,000万円以下4,500万円以下4,500万円超
税率0.10.150.20.30.40.450.50.55
控除額-10万円30万円90万円190万円265万円415万円640万円

20歳の孫が贈与額300万円の現金を祖父からもらった場合

1.贈与をした祖父は直系尊属に該当し、贈与を受けた孫が20歳以上であるため、特例税率が適用されます。
2.贈与額300万円から基礎控除額110万円を引きます。
3.基礎控除を引いた課税価格の金額を速算表に当てはめます。今回の場合は190万円となるため特例税率の200万円以下を参照します。
4.課税価格190万円×10%=19万円を贈与税として孫が納税します。

この場合は特例税率を使用しましたが、仮に伯父から現金を受け取ったとしても税率は10%となるため贈与税額に違いはありません。そこでいくら以上の贈与額から贈与税の差が出てくるのかを以下の表でまとめました。

贈与額300 万円410 万円411 万円450 万円500 万円4,500 万円
一般税率の贈与税19 万円35 万円35.2 万円43 万円53 万円20,145,000 円
特例税率の贈与税19 万円35 万円35.15 万円41 万円48.5 万円17,745,000 円
差額0 円0 円500 円2 万円4 万 5 千円240 万円

410万円までは一般税率でも特例税率でも差はありませんが、411万円から差が生じ始め、贈与額が4,500万円ともなると240万円の差が出てくることがわかります。

まとめ

贈与者が異なるだけで、税率が異なることがお分かりいただけたと思います。一般税率よりも特例税率を適用したほうが税額を低く抑えることができるため、孫が20歳になるまで贈与することを控えるなどすれば、贈与税を節税することができます。

また基礎控除額以下の贈与額で贈与したときは、贈与税が課税されなかったとしても、相続開始3年以内に受贈したものは相続税の課税対象となるため注意が必要です。

しかし受贈者が亡くなった贈与者から相続や遺贈により財産を取得しなかった場合は、相続税の課税対象から外れます。よって、贈与財産が基礎控除以下の価額であれば、申告をしなくてよいということになります。

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※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:加地 延行 (公認会計士 / 税理士)

税理士法人ゆびすい
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