マネーフォワード クラウド確定申告確定申告ガイド

開業時や導入時の「開始残高」の入力のポイント

概要

「開始残高」の設定では、1月1日時点(開業年度は開業日時点)の資産残高を登録します。また、青色申告のために必須の設定です。
「開始残高」の入力のポイントについてご案内します。

対象ページ

開始残高

対象ユーザー

個人の確定申告書を提出する方

目次

開始残高の考え方

個人事業主の場合、会計期間は1月から12月までの固定となり、1月1日時点の資産の状況を開始残高として設定します。
今年度開業の事業者は、開業日時点の資産の金額を設定します。

開始残高画面の詳細は下記のガイドをご参照ください。
「開始残高」の設定方法

事前準備

今年度開業の方、今まで白色申告だった方

預金通帳、またはネットバンクの明細が見れる環境

今年も青色申告で申告した方

青色申告決算書

開始残高入力のポイント

左右の金額は同額

仕訳の入力を同じように、開始残高の金額は左右で同額となります。
例えば普通預金に50万円がある場合、その50万円は金融機関から借りた場合や、自分の資産から供出した場合など、何かしらの手段で得たお金になるはずです。
その得た理由を、右側に記入します。

右側の項目がわからない場合

多くの事業の場合、最初に開始するときは自分のお金を使って、必要な機材を購入します。
そのように、個人の資産を供出した場合には、元入金に金額を入力してください。

また、銀行や公庫から借りたお金の場合には、借入金や、長期借入金に金額を入れます。

■元入金とは
個人事業の「元入金」とは、法人でいうところの資本金のように、事業を運営するために準備していたお金を元入金として計上します。
元入金は事業者の収益状況により期ごとに金額が変動します。

個人事業主の開業までの費用を計上したい

開業までの費用は、「開業費」として計上します。

開業費とは、開業準備期間に支出する経費をまとめたものです。一般的に名刺や印鑑を買った費用、打合せ代、手土産、文具やソフトウェアの購入費、書籍などの資料代などがあてはまります。
開業費とする費用はマネーフォワード クラウドには登録せず、資産として開始残高に合計額のみを記載します。内訳はエクセルなどで別途管理します。
そして、開業以後に償却していきます。開業費は税法上任意償却が可能です。

任意償却とは、その年に経費にする金額を自由に決めることができる方法です。そのため、その期の収益状況によって経費とする金額を決めることができます。
なお、単価が10万円以上の支出は、固定資産として開始残高へ登録するため開業費には含めません。「決算・申告>固定資産台帳」に記載し、通常通り減価償却をおこなってください。

入力したい科目がない場合

入力したい勘定科目や補助科目がない場合には、「各種設定>勘定科目」の貸借対照表タブで科目を作成することで、使用可能になります。

事業主貸や事業主借の入力方法

昨年度の決算書を参照しながら開始残高を入力する場合、事業主貸と事業主借は元入金に組み入れます。

具体的には、下記の計算式です。

「元入金」+「青色申告特別控除前の所得金額」+「事業主借」−「事業主貸」=元入金
(「青色申告特別控除前の所得金額」「事業主借」「事業主貸」は、別途入力する必要はありません。)

補助科目の入力方法

例えば普通預金が100万円あり、マネフォ銀行に50万円、エムエフ銀行に50万円ある場合には、勘定科目「普通預金」に100万円といれ、補助科目マネフォ銀行とエムエフ銀行にそれぞれ50万円ずつ入力します。

column302

今年開業の場合の記入例

状況

  • 今年開業で、自己資金から100万円、マネフォ銀行から100万円を借り入れ開業(1年以上の期間で返済予定)
  • 手元に現金が100万円、マネフォ銀行の口座に100万円がある
  • また、開業日までに30万円ほどチラシの印刷代やオフィス契約のための費用、オフィス用品などを購入し、自己資金から別途、支出している

入力例

開始残高ページの「資産の部」にある現金に100万円、普通預金に100万円と入れ、普通預金の補助科目「マネフォ銀行」にも100万円と入力します。

そして、負債の部に長期借入金に100万円と入力します。

また、開業費として30万円を計上します。

100万円の自己資金と、30万円分の機材を個人資産から支出しているため、元入金の欄に130万円を入力します。
そうすると、下記の画像のようになります。

column303

また、開業費を繰延資産として計上するため、「決算・申告>固定資産台帳」に登録します。
開業費は任意償却が可能ですので、下記のように償却方法に任意償却を選びます。

仮に今年は10万円を償却する(経費として計上する)とし、10万円を今期償却額に入力しました。

column304

減価償却の仕訳は下記のようになります。

column305

青色申告決算書では、このように表示され、開業費が10万円減っていることがわかります。

column306

今年からマネーフォワード クラウド確定申告を使い始める場合の記入例

状況

今年度からマネーフォワード クラウド確定申告を導入予定、税務署に去年提出した決算書があり、期末時点の残高に以下のように記載がある場合

  • 現金 100万円
  • 普通預金 700万円
  • 事業主貸 600万円
  • 借入金 400万円
  • 事業主借 300万円
  • 元入金 600万円
  • 青色申告特別控除前の所得金額 100万円

以下のような決算書をお持ちであるという想定です。

青色申告決算書
column307

入力例

「元入金」+「青色申告特別控除前の所得金額」+「事業主借」−「事業主貸」=元入金
6,000,000 + 1,000,000 + 3,000,000 – 6,000,000 = 4,000,000
⇒元入金の箇所に400万円を入力します。

入力例は下記のようになります。

開始残高
column308

操作でご不明点がある場合には

操作の不明点については、弊社コンタクトセンターまでお問い合わせください。

なお、仕訳内容などの経理業務に関するご相談や、申告方法・申告内容などの税務に関するご相談はサポートの対象外です。
経理業務や税務に関するご質問につきましては、税理士などの専門家や税務署へご相談ください。

弊社では、マネーフォワード クラウドを使用している税理士の紹介サービスを無料で提供しています。
必要に応じて、以下ページで条件等を指定し、お申し込みください。
税理士・社労士無料紹介サービス
更新日:2022年12月20日

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