• 作成日 : 2015年6月9日
  • 更新日 : 2018年10月31日
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労働保険の年度更新とは

労働保険の年度更新とは

労働保険の年度更新とは

労働保険の保険料は、毎年4月1日から翌年3月31日までの1年間(保険年度という。)を単位として計算されることになっており、その額はすべての労働者(雇用保険については被保険者)に支払われる賃金の総額に、その事業年度ごとに定められた保険料率を乗じて算定することになっています。

事業主は前年度の申告済概算保険料を精算するための確定保険料の申告・納付と新年度の概算保険料を納付するための申告・納付の手続きを行います。これを「年度更新」といいます。この年度更新の手続きは、毎年6月1日から7月10日までの間に行わなければなりません。

年度更新の流れ

新年度に労働者に支払われることが予定される賃金総額の見込みから算出した保険料のことを概算保険料といいます。概算保険料を支払わなければならないため、労働保険の年度更新では以下の2つの手続きを行います。「前年度の保険料を精算するための申請・納付」と「新年度(本年度)の概算保険料を納付するための申請・納付」です。平成30年6月に年度更新をするという例を以下でご紹介します。

前年度の保険料を精算するための申請・納付

すでに平成29年6月に概算保険料を申告・納付していることになります。平成30年6月には前年度の賃金額が確定しているので、確定納付額を算出し、精算しなければなりません。精算の結果、納付額が確定納付額より多ければ還付をうけ、不足していた場合は納付します。

新年度(本年度)の概算保険料を納付するための申請・納付

平成30年度分の賃金総額を概算で申請・納付することとなります。

年度更新のポイント「賃金総額」

労働保険料は、賃金総額に保険料率(業種により異なる)をかけることで算出します。ですから、賃金総額を正しく理解しておくことがすべての基礎となります。

ここで言う賃金とは、労働の対価としての支払いすべて(「給与」「賞与」「手当」など)が該当します。注意していただきたいのは、労働保険の両輪である労災保険と雇用保険とでは対象者が異なるということです労災保険は正社員のみならず、アルバイトや派遣等を含めた労働者全員が対象ですが、雇用保険の場合は法令の条件を満たした労働者のみが対象となります。

賃金総額算定の際、対象となる労働者が異なる場合は両者を区別して総額を割り出すことが必要です。

労働保険の年度更新における留意点

事業を継続している事業所において、前年度と本年度(上記の例なら平成29年度の確定額と平成30年度の見込み額)の賃金総額に大差がない場合は、前年度に算出した賃金総額と同額を概算賃金総額の見込額としてください。大差がないかどうかの基準は前年度の賃金総額に対して100分の50以上100分の200以下です。

一般拠出金について

一般拠出金とは、石綿(アスベスト)によって健康被害が出た人への救済費用を事業主が負担するものです。アスベストは施設・設備等の建材に広く使用されてきたため、あらゆる産業で直接・間接的に関わりがあるという特殊性から、すべて労災保険適用事業主が一般拠出金を負担することになりました。

業種を問わず、料率は一律で1000分の0.02です。仮に賃金総額が2000万円の場合、納付額は400円となります。計算間違いをしやすいので注意しましょう。

まとめ

労働保険の年度更新では「前年度の精算手続き」と「新年度の概算保険料の手続き」の2つを同時に行わなければなりません。保険料率は業種ごとに異なりますが、一般拠出金に関しては共通です。複数の要素が入り乱れる年度更新ですが、賃金総額がすべての基礎になります。

毎年原則6月10日から7月10日までに申請しなければならないため、業務としては忙しいかと思いますが、手続きが遅れ、期間内に納付・申告が行われなかった場合は、政府によって保険料が決定され、保険料の10%にあたる追徴金が課せられることもあります。平素から賃金管理を整理し、年度更新に備えておきましょう。

HRプラス社会保険労務士法人 監修

HRプラス社会保険労務士法人
東京都渋谷区恵比寿を拠点に、HR(人事部)に安心、情報、ソリューションをプラスしていくというコンセプトのもと、全国の顧問先に対し、人事労務に関するコンサルティングを行っている。企業が元気にならないと雇用は生まれない、賃上げはできないとの思いから「人事労務で疲弊する日本中の経営者・人事マンを元気にする!」をミッションに掲げ、人事労務担当者の立場に立った人事労務相談、就業規則や諸規程の整備、IPO支援、海外進出支援、社会保険事務のアウトソーシングなどを展開。

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