• 作成日 : 2015年6月3日
  • 更新日 : 2018年7月19日
  • 雇用保険

雇用保険の計算方法

失業した際や、職業訓練を受ける際に給付を受けられる雇用保険ですが、その雇用保険料はどのくらいかかるのでしょうか? ここでは、雇用保険の計算方法について、具体例をあげて説明します。

雇用保険の支払い者とは

雇用保険料の支払い者は、事業主と労働者の両者です。事業主は、雇用保険二事業分の雇用保険料を負担するため、労働者よりも多く支払います。

事業の種別により異なる雇用保険料

下記の雇用保険料率表からもわかるように、雇用保険の料率は事業の種別により異なります。雇用保険料率を決定する事業は農林水産、清酒製造、建設、一般の事業とに分かれており、先に述べた3つの事業に含まれない場合は一般の事業となります。

一般の事業は、記載の3つの事業に比べて保険料率が低く設定されています。それは、農林水産業、清酒製造業は季節によって仕事量が異なるので、就業状態が安定しないこともあり失業保険の給付を受ける割合が多いとされているからです。

同様に、建設業もプロジェクトが終わると失業するといった場合があるため、雇用保険料率を上げることで、一般の事業を行う労働者との公平性を保っています。

雇用保険料の計算方法

雇用保険料は、雇用保険料率×賃金総額で求められます。「賃金総額」とは毎月貰う賃金の総額を指し、通勤手当や深夜手当などの各種手当や賞与も含まれます。

雇用保険料の計算では、厚生年金保険や健康保険の計算に用いる「標準報酬月額」とは異なり、「賃金総額」であるため注意が必要です。なお、雇用保険料率を決定する際は、以下の雇用保険料率表を用います。


(参照:平成30年度の雇用保険料率表|厚生労働省(PDF)

ここで、詳しい算出方法の手順を紹介します。

労働者の負担分の計算方法

1.雇用保険料率表で、「労働者負担」と「該当する事業の種類」が交差する枠から保険料率を決定します。
2.労働者の賃金総額に1で決定した保険料率をかけて雇用保険料を算出します。

ここで算出された雇用保険料に1円未満の端数が発生した場合は、50銭以下を切り捨てし、50銭1厘以上を切り上げた額を給与から控除します。

なお、雇用保険料を現金で支払う場合や慣習的に異なる方法を採っている場合は、この通りではありませんので、勤務先に確認しましょう。

事業主の負担分の計算方法

1.雇用保険料率表で、「事業主負担」と「該当する事業の種類」が交差する枠から保険料率を決定します。
2.労働者の賃金総額に1で決定した保険料率をかけて雇用保険料を算出します。

雇用保険の計算方法の具体例

ここで、上記で説明した雇用保険の計算方法について、具体例を数例説明します。

一般の事業に従事し、賃金総額が25万円の場合における労働者負担分の計算方法

1.雇用保険料率表の「労働者負担」と「一般の事業」の交差部分より、雇用保険料率が「1000分の3」と決定されます。
2.雇用保険料=賃金総額×雇用保険料率にあてはめ、25万円×1000分の3=750

よって、この場合の雇用保険料は750円となります。

建設業に従事し、賃金総額が35万9,800円の場合における労働者負担分の計算方法

1.雇用保険料率表の「労働者負担」と「建設の事業」の交差部分より、雇用保険料率が「1000分の4」と決定されます。
2.雇用保険料=賃金総額×雇用保険料率にあてはめ、35万9,800円×1000分の4=1439.2

1円以下の金額が20銭であるため、切り捨てを行い、雇用保険料は1,4392円となります。

農業に従事し、賃金総額が20万円である人に対する事業主の負担分の計算方法

1.雇用保険料率表から、「事業主負担」と「農林水産の事業」の交差部分から、料率が「1000分の7」と決定されます。
2.雇用保険料=賃金総額×雇用保険料率にあてはめ、20万円×1000分の7=1,400

よって、この場合に事業主が支払う雇用保険料は1,400円となります。

まとめ

雇用保険の計算方法についてまとめました。事業の種類により雇用保険料率が異なるため、従事する事業がどれにあてはまるのかを確認しましょう。また、計算に用いる「賃金総額」は、健康保険料や厚生年金保険料の決定に用いるものとは異なるため注意が必要です。

HRプラス社会保険労務士法人 監修

HRプラス社会保険労務士法人
東京都渋谷区恵比寿を拠点に、HR(人事部)に安心、情報、ソリューションをプラスしていくというコンセプトのもと、全国の顧問先に対し、人事労務に関するコンサルティングを行っている。企業が元気にならないと雇用は生まれない、賃上げはできないとの思いから「人事労務で疲弊する日本中の経営者・人事マンを元気にする!」をミッションに掲げ、人事労務担当者の立場に立った人事労務相談、就業規則や諸規程の整備、IPO支援、海外進出支援、社会保険事務のアウトソーシングなどを展開。



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