厚生年金基金とは

厚生年金基金とは

厚生年金基金とは

厚生年金保険と似ているものに「厚生年金基金」というものがあります。厚生年金基金は普段聞き覚えがないため、自分が入っているのかどうかも分からない、という人も多いでしょう。そこで、今回は、厚生年金基金とは何かについて解説していきます。

厚生年金基金とは

公的年金は、基礎年金である国民年金を1階部分とし、それに上乗せされる形で2階部分として厚生年金保険という構造になっています。厚生年金基金とは、2階部分の厚生年金保険の運用の一部を企業がみずから行うものです。その際、2階部分の上に、3階部分(上乗せ部分、加算部分)をさらに上乗せすることになります。

厚生年金基金の性質

国民年金保険や厚生年金保険は公的年金なので国が年金を運用し、国が年金を支給します。厚生年金基金は、年金制度の運用を企業が自ら行うことを認める制度なので、あくまで企業年金という分類になります。もっとも、運用は自主性に任されますが、公的年金の運用をしているという点については公共性があるものなので、国による監査や指導は当然なされます。

厚生年金基金ができた背景と現状

厚生年金基金が企業年金であることはわかったと思いますが、では、なぜ、このような制度があるのでしょうか。厚生年金基金の制度は昭和41年10月から始まりました。

当時、企業の退職金制度が定着し、退職後の生活を安定させるためには、より充実した年金制度が必要であるとの考えから、厚生年金保険をより充実させるために制度化されたという背景があります。ただ、低金利が続くなか、厚生年金基金の運用も難しくなっており、厚生年金基金を解散して、国に代行部分を返上する動きが盛んになっています。

厚生年金基金への加入

厚生年金基金は個人で加入するものでなく、自身の加入状況は、勤務している会社が厚生年金基金に加入しているか否かによって変わります。加入している場合には、厚生年金基金より加入員証が交付されます。退職後、年金給付を受ける場合には、加入員証が必要になるので、なくさないようにしましょう。

会社が厚生年金基金に加入する方法

厚生年金基金に企業が加入することは、企業年金制度が充実するので、従業員の福利厚生の充実につながり、優秀な人材を確保するうえでも有利となります。また、企業が負担する保険料は損金になるので、税金対策としても有利になります。

では、厚生年金基金に加入するためにはどうすればよいかというと、以下の3つの方法があります。いずれも、加入員となるべき被保険者の3分の1以上の同意が必要になります。労働組合があり、その組合員が被保険者の3分の1以上を含んでいる場合には、その労働組合の同意で足ります。

1.単独設立

単独設立は文字どおり、企業が単独で「○○厚生年金基金」という法人を設立して、年金運用を行うというものです。企業が自由に運営できるというメリットがありますが、加入者が1,000人以上いなければなりません。

2.連合設立

連合設立は、複数の企業が共同で「○○グループ厚生年金基金」という法人を設立して年金運用を行うというものです。関係会社や子会社などが一体となって厚生年金基金を設立するものですが、加入者要件は1,000人以上となっています。

3.総合設立

総合設立は、同業者や地域連合として複数企業が共同して「○○業厚生年金基金」という法人を設立するものです。総合設立の場合には、加入者要件は5,000人以上です。

これだけ見ると、中小企業などではどれも難しいと思われるかもしれませんが、すでにある総合型の基金に後から参加することは可能なので、単独設立や合同設立が難しい場合には、総合型を検討してみるとよいでしょう。たとえば、ソフトウエア会社であれば、すでにある「○○ソフトウエア産業厚生年金基金」に参加するということです。

以上、厚生年金基金について解説してきましたが、とくに総合型の厚生年金基金では、近年、低金利により資産運用がうまくいかず、積立不足が問題になっています。そこで、厚生年金保険法が改正され、財政状況がとくに芳しくない基金団体は5年以内に解散させ、母体企業に代行部分を返還させることになりました。

約560ある厚生年金基金のほぼ90%が解散となる見通しになので、これから厚生年金基金を検討する場合には加入基金の運用がうまくいっているかをしっかりと確認する必要があります。

まとめ

国民の老後の生活をより安定させることを目的に定められている公的年金制度には、国民年金や厚生年金などがあります。さらに厚生年金に上乗せする形で設けられているのが厚生年金基金です。

公的な年金である一方で、運用の一部が企業に任されている厚生年金基金は、企業の資金運用の面からも、加入者の将来受け取れる年金の安定という面からも効果的だとして設けられていましたが、現在では様子が変わってきているのも事実です。

現状と、その制度の仕組みを理解しておくことは、自分の老後の生活を考えるうえで大切なことです。

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