今回は2023年10月20日に開催した士業サミット2023の様子をお届けします。
士業サミットに参加されなかった方にも短い時間で士業サミット当日の様子が伝わるよう、ハイライト記事を作成いたしました。
士業サミット2023の見どころと概要
士業サミットは株式会社マネーフォワードが「士業様とともに、ビジネスをもっと前に進める」をテーマに年1回、士業様を招待して開催しているイベントです。
昨年まではオンライン開催のみでしたが、今年は全国5か所の会場とオンラインの同時開催で行いました。
そんな今年2023年のイベントコンセプトは「共に変化を乗り越え、新たな未来へ踏み出そう」です。
変化していく世の中に焦点をあてながら、どこに向かって進むべきなのか、そんな道標となるようなイベントになることを目指して企画しました。
【イベント概要】
- 開催日時:2023年10月20日[金]
- 開催方式:オンライン・パブリックビューイング同時開催
- 参加費:無料
- 会場:オンラインおよび直接観覧(東京)、パブリックビューイング(札幌、名古屋、大阪、福岡)
- アーカイブ動画はこちらから
各セッションのハイライト
それでは簡単に士業サミット2023の各セッションのハイライトをご紹介していきます。
session1 士業サミット2023へようこそ -変化の先の未来について-
まずは冒頭、当社の取締役執行役員(ビジネスカンパニーCOO)竹田正信より今起きている士業業界の変化と今後のマネーフォワードの取り組みについて紹介を行いました。
スピーチの中では激しい変化の中で中小企業の活躍を支えるのは士業の皆さまである点や、そのような士業の皆さまと共に変化を乗り越えていきたいというメッセージをお伝えさせていただきました。
【スピーチより一部抜粋】
私たちが支援したいと考えている中小企業様の相談相手、パートナーはやはり士業の皆さまです。税務に関することはもちろんのこと、右側のグラフにもございますように、特に中小企業様においてはITに関する相談も士業様にするという回答が多くなっております。
私たちは士業の皆さまと共に成長し、進化し、変化を乗り越え、そして顧問先様、中小企業の発展に力強い貢献を果たす、まさにパートナーでありたいと心から思っております。
session2 未来へ踏み出す、士業の皆さまとともに。企業の経営をもっと前へ。 – マネーフォワード クラウドの開発ロードマップと最新導入事例 –
session2ではSMB事業推進本部・本部長の永井博よりマネーフォワード クラウドの開発ロードマップと最新導入事例の紹介を行いました。
【主なトピック】
- 外部環境の変化
- プロダクトの開発状況と今後の開発ロードマップ
- 会計事務所の最新事例
【スピーチより一部抜粋】
150年前に移動手段が馬車からわずか13年で自動車に変わった時と同じか、それ以上のパラダイムシフトがここから起こることになります。AIの進歩はますますスピードアップし、自分の脳の延長としてAIを使える国とそうではない国で、文明そのものが変わるレベルでの差がつくと言われています。
弊社でも複数のサービスにおいてChatGPTを活用した機能を順次リリースしております。ただし、AIでできるポテンシャルはまだこの何百倍も大きな領域です。
士業様の業務であれば、AIが顧問先様からの質問に自動回答できたり、チャットでAIに指示を出すだけで「証憑回収」「督促」「データインポート」「異常値検知」「利益予測」したりする時代が、間もなくきます。
今後ご期待いただければと思います。
session3「AI」と士業はどう向き合っていくか
session3ではChatGPTなどに代表される、成長が著しいAI分野で何が起こっているのか、そしてこれから起きることについて、当社CEOの辻をモデレーターに、須藤憲司様、深津貴之様、朝倉歩様の3名をゲストにトークセッションをお届けしました。
【登壇者様】
- 株式会社Kaizen Platform 代表取締役 須藤 憲司様
- 株式会社THE GUILD 代表取締役 深津 貴之様
- サン共同税理士法人 統括代表 朝倉 歩様
- 株式会社マネーフォワード 代表取締役社長 CEO 辻 庸介(モデレーター)
【主なトピック】
- マネーフォワードのAI活用
- AIの概要とトレンド
- ビジネスですでに起きていること・これから起きること
- 士業業界ですでに起きていること・これから起きること
- 士業業界の未来はどのようにブラッシュアップできるか
【須藤様コメント一部抜粋】
(人から)AIに仕事を奪わせることによって利益を得る、というプレイヤーがいっぱい出てくることが予想されます。世界中で労働集約型の市場がほとんどといえるので、これは凄まじく大きなイノベーションだと言えます。
これに対して自分たちもどうやって早くアフターAIの稼ぎ方にシフトするかというのを考えないといけない、と思っています。
【深津様コメント一部抜粋】
(AIは怖いという声に対して)今のうちからその時代の働く人々のキャリア設計をどうするか考えておかないといけないと思います。AIというのは仕事の中間部分・中流部分の純粋なデスクワークをごっそり全部持っていってしまうので、人間が必要な部分というのが超上流か超下流みたいになってしまうと思います。(中略)
こうなってくるとジュニアの存在がほぼ消滅してしまう。ジュニアがいないのにどうやってシニアを育てるのか、というのは1個の課題になっていきそうな気がします。シニアを集める仕組みかシニアを育てる仕組みを最初にちゃんと発明できたところが強くなりそうです。
【朝倉様コメント一部抜粋】
AIが出てきてそれをポジティブに、ワクワクできるような感じになっていかなきゃいけない、と思ってます。すごくアナログな事務所がいきなりAIを使うというのは多分難しいでしょう。(中略)
うちは開業した翌年の2017年から(当時新しい技術であった)RPAを使ってました。やはり新しい技術を試すことによって、事務所全体が変化に強くなるという気がします。よくある例えですが強い恐竜は変化に対応できずに絶滅してしまった。やはり強い者ではなく変化に強い者が残るという考え方に通じると思います。
session4 2030年に求められる会計事務所の役割とは?
session4では長年会計業界を牽引されてきた辻・本郷グループ会長の本郷孔洋様と当社代表の辻との対談セッションを行いました。 法改正やDX化が会計業界や社会に対してどのような影響を与えるのか、その上で会計事務所としてこれらの変化に対してどのように向き合うべきなのか、会計事務所の未来について本郷会長より対談を通してお話しいただきました。
【登壇者様】
- 辻・本郷グループ 会長 本郷 孔洋 様
- 株式会社マネーフォワード 代表取締役社長 CEO 辻 庸介(モデレーター)
【主なトピック】
- 過去の法改正やテクノロジーの進化をどのように捉え、活かし成長されてきたのか?
- 2030年に中小企業を取り巻く環境の変化
- 2030年に求められる会計事務所の役割とは
【本郷様コメント一部抜粋】
例えば中小企業は今200万社から250万社くらいで、極端な話、そのうちの半分くらいは2030年までになくなるかもしれません。そうなると強いお客様しか残らないから、税理士のサービスも変えないといけない。そういう意味では、それに対応して税理士もかなり勉強をする必要があります。
やはり専門性も出さないといけませんが、どちらかというと作業よりも、もうコンサルタントになるしかないんじゃないかと思っています。
session5 変化の時代における中小企業のニーズ -顧問先のために士業は何ができるか-
session5では税理士法人アーリークロスの花城正也様、税理士法人Soogolの下地麻大様のお二人をゲストにお迎えしています。先進的な取り組みをされている2事務所様をお招きし、事務所として現状の体制になるまでに取り組まれたことや苦労されたこと、今後の展望などについて深堀していくパネルディスカッションを実施しました。また法改正やDX化という業界変化に対してどのように向き合い、動いていくべきかについてお話しいただきました。
【登壇者様】
- 税理士法人アーリークロス CBO兼CPO/株式会社アーリークロス 代表取締役/一般社団法人中小企業退職金制度支援協会 代表理事 花城 正也様
- Soogol Management株式会社・税理士法人Soogol取締役 下地 麻大 様
- 株式会社マネーフォワード マネーフォワードビジネスカンパニー SMB事業推進本部 横断カスタマーサクセス部 副部長 森田隆(モデレーター)
【主なトピック】
- 会計事務所が求められているサービス需要とその変化
- 需要に対してどのような準備・取り組みをしているか
- 所内の取り組みにおけるポイント
- 今後の事務所に必要なマインドセット・考え方
【下地様コメント一部抜粋】
(これからの準備の1つとして採用に関し)
士業事務所の採用はどうしてもスキルに目が行きがちですが、ある人に言われてとても胸に刺さった言葉として『入れちゃいけない人を入れない』というのがあります。そのために採用の際には3つ見るポイントがあり、『地頭力・感受性・貢献心』です。例えばどんなに貢献心や感受性が高くても、どうしても理解力が低いと我々の仕事だと難しいですし、地頭力や感受性が高くても人の役に立つことに全く興味がありません、という人では困ってしまいます。
採用の際は3つのバランスを見て、うちの事務所で活躍できそうかなというのを考えています。
【花城様コメント一部抜粋】
(今後の事務所に必要なマインドセット・考え方について)本当に大事なものを守るためには、変わり続けなければいけないことがあると思います。その1つが会計事務所のあり方です。
今までは一事務所対、一お客様という関係でした。しかし、今後は医療業界で例えるとクリニックと総合病院が連携して地域医療を守っていく、そういった関係のように、税理士業界も税理士事務所同士で連携をして中小企業を支援する事で地域経済を守っていく必要があると考えます。
また、私たちが一番の経営者のパートナーであり、一番の相談相手であるわけですので、妥協をしてはいけないと思います。本当に顧客のために何が最適解なのか、を常に考えなければなりません。例えば自社のリソースが足りなければ、他社のリソースを借りてでもやるべきです。本当に誠意を持って顧客対応していくことが、結果として自社の差別化になると思います。
マネーフォワード クラウド アワード 2023
中小企業へのクラウドサービスの普及と経営課題の解決において、非常に大きな役割を果たしているのが士業事務所の皆様です。
私たちマネーフォワードにとって大切なパートナーである士業事務所様に日頃の感謝をお伝えする場を作りたい。
また、各社の素晴らしい取り組みをご紹介することで、明日からお役立ていただける情報や前向きなパワーを持ち帰っていただきたい。
そんな思いで今回のアワードを実施いたしました。
各アワードと受賞者は以下の通りです。
- ルーキーCHALLENGE賞 リベ大税理士法人様
- 所内オペレーション改革CHALLENGE賞 株式会社ケインズアイ様
- 経営アドバイザリーCHALLENGE賞 税理士法人岡本会計事務所様
- HR部門改革CHALLENGE賞 社会保険労務士法人イデア様
- クラウドマスターCHALLENGE賞 税理士法人TOTAL様
- バックオフィス改革CHALLENGE賞 ミカタ税理士法人様
士業サミット2023 アワードについて詳しくはこちらの記事で紹介しています
士業サミット閉会後に懇親会も
士業サミットが閉会した後は、各会場で懇親会が行われました。
士業同士で楽しくつながる方や、配信が終わった舞台で記念撮影をされる方など、懇親会も大盛り上がりで終わることができました。
開催後アンケートでは満足度が91.7%
士業サミット2023では780を超える事務所様からお申込みいただき、うち東京会場では120の申し込みをいただきました。たくさんのお申込み誠にありがとうございます。
開催後アンケートをとったところ、士業サミット2023全体に対する満足度は「とても満足」が49.7%、「満足」が42%と91.7%の方にご満足いただける結果となりました。
士業サミット全体に対するお声
- 内容が興味深いものばかりで、大変勉強になりました。
- (中略)これからの未来や本郷先生の過去の経験からくるお話しなど、トータルに気付きをくれるような構成で、これらを踏まえて当事務所はこれからどうしようかな?とワクワクできる内容でした。広い視野で税理士業界、士業業界、日本や世界など、考える良いきっかけになりました。ありがとうございました。
- マネーフォワードのみなさんが、会計事務所をサポートするという気持ちがすごく伝わってきました。
東京会場でのお声
- 明るく迎え入れていただいて非常に良かったです!
東京以外のパブリックビューイング会場でのお声
- パブリックビューイングでのおもてなしに感激しました。ぜひまた参加したいです。
オンライン視聴でのお声
- すごくスムーズでオンライン参加しやすかったです
今後もマネーフォワードは士業の皆さまと共に変化を乗り越えて行くために、取り組みを続けて参ります。
士業サミット以外にもセミナー、イベントやお役立ち資料のご活用についてはBizBASEポータルをぜひご参照ください。
※BizBASEポータルとは マネーフォワード クラウド公認メンバー様専用のポータルサイトです。
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