税理士登録の変更手続きはどうやる?必要な書類や手数料とは。

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税理士登録の変更手続きはどうやる?必要な書類や手数料とは。
税理士として仕事をしている方は、各税理士会に所属することとなります。その際、一定の理由で事務所や氏名が変わった場合には、税理士会に変更申請をする必要が生じます。本記事では、変更手続きが必要な事柄や必要書類、申請方法まで詳しく解説していきます。
 

税理士登録を変更する必要があるタイミング

税理士は税理士登録した際の登録項目に変更が発生した場合、所属している税理士会に登録申請を提出し、税理士名簿に登録した情報を更新する手続きが必要です。各種変更申請書は所属の各税理士会を通じて、日本税理士会連合会に提出され、税理士登録情報が更新される流れとなっています。
 
税理士法第18条には、税理士の登録について記載されており、税理士名簿への登録事項や登録区分、また、旧姓使用について規定されています。これを受け税理士法第20条においては、「登録を受けた事項に変更を生じたときは、遅滞なく変更の登録を申請しなければならない」と変更登録が規定されています。

引用:税理士法|e-Gov法令検索

したがって、変更のタイミングについては変更発生直後がよいでしょう。なお、所属税理士会によって書式が異なっているため、詳細は所属の各税理士会のサイトでお確かめ下さい。この記事では、東京税理士会を基にして執筆しています。

参考:変更|手続・届出・証明について|税理士の方へ|東京税理士会|公式サイト
 
変更登録申請書により、情報の変更が必要となるものは次のような事項です。それぞれについての注意ポイントを次項以降で解説します。

  • 登録区分
  • 事務所等の所在地
  • 自宅住所
  • 本籍
  • 事務所等の所在地
  • 氏名変更(旧姓の使用も)
  • 事務所の名称
  • 電話番号・FAX番号の変更

 

【変更登録申請書 東京税理士会】

【変更登録申請書 東京税理士会】

いずれも変更が生じた発生日を記載するようになっており、添付資料が必要な場合もあります。また、税理士会の変更を含む事務所の移転等の場合は、変更前の税理士会に提出します。たとえば、東京から大阪に事務所移転をした場合には、東京税理士会に提出します。

登録区分・事務所等所在地変更の申請方法

税理士は、開業税理士、所属税理士、社員税理士のいずれか一つの登録区分で登録を受けなければならないとされています。よって、登録区分や事務所等所在地の変更があった場合、変更申請には次の書類が必要です。

変更登録申請書
 所属の各税理士会のサイトからダウンロード
変更登録申請に関する届出書
 事前に税理士会の(移転前の)支部に提出し、収受印を押印してもらう必要があります
顔写真
 更新後の税理士証票に貼る写真(縦2.8㎝×横2.4㎝)1枚
変更及び書換手数料
 5,000円

申請方法は、変更登録申請書及び添付書類については、事務局に持参または現金書留にて郵送の方法があります。現段階では、まだ電子申請による受付はないようです。

各税理士会の事務局に提出する場合は、委任状または税理士証票のコピーの持参により代理人が手続きできます。事務局は支部ではなく、各税理士会の窓口へ行きましょう。郵送の場合は、返信用封筒を同封すれば、受付印のある控えが返送されます。

新しい税理士証票については申請後約1月で書換えが終わり、新所在地あてに変更登録完了通知があります。通知ハガキ、旧証票、認印を税理士会に持参し、新たな税理士証票と交換して完了します。

なお、これらの申請方法及び新税理士票との交換方法はすべての変更申請について同様です。

開業税理士の追加資料

開業税理士が事務所の所在地を変更した場合には次の書類などが必要です。

(事務所が自己所有の場合)

  • 登記事項証明書のコピー
  • 事務所設置同意書又は税理士事務所設置に関する誓約書(住居専用と明記されている建物等、事務所としての使用を想定していない建物内に設置する場合に必要です。)

(事務所が賃貸の場合)

  • 賃貸契約書のコピー
  • 事務所設置同意書

その他、親族所有の建物の場合や使用貸借の場合、さらには転貸借の場合などによって追加資料が異なります。

所属税理士の追加資料

所属税理士については、所属税理士同意書の提出が必要です。所属税理士は、税理士法人の代表者や開業税理士に雇用され補助者として、税理士業務等をする税理士のことを指します。所属税理士同意書とは、その者がその税理士法人などの所属税理士となることの同意を確認するために必要です。

社員税理士の追加資料

社員税理士については、次の書類が必要です。

入社登記済の登記簿謄本のコピー
次項で登記について説明しますが、所属税理士と異なり、税理士法人の登記が完了したことを確認するために必要な追加資料です。
社員税理士同意書
所属税理士同意書と同じ書式で、税理士法人の代表者や開業税理士が、その者を社員税理士とすることの同意確認のために必要です。

税理士法人の社員税理士の変更手続き

一般に社員税理士とは、税理士法人のパートナーとして登録している税理士であり、出資者でもあります。したがって、社員税理士の異動があった場合には、税理士法人にも変更が必要なケースは多々あります。

変更により税理士法人の社員税理士となる場合には、税理士法人の変更届と新たに社員税理士となる者の変更届とを同時に法務局へ提出する必要があります。

それは、税理士法人においては社員税理士の加入や脱退時には、原則として2週間以内に変更登記を行わなくてはならないからです。税理士法人の定款においては、社員税理士の氏名及び住所は必要的記載事項であり、社員税理士が新規加入した場合などには、定款を変更する必要があります。

この変更登記の完了後に税理士法人側の手続きと社員税理士側の手続きを同時に行うこととなります。

したがって、税理士法人と社員税理士が手続きを別々にする場合は、登記簿謄本のコピーにより登記変更の確認をしてから、社員税理士の変更申請を承認するという手順となります。

自宅住所・本籍変更の申請方法

自宅の住所や本籍地の変更があった場合、変更申請には次の書類が必要です。

変更登録申請書
 登録区分などの変更時と同じ書式です。
住民票のコピー
 住民票にはマイナンバーの記載がないものを使用します。
変更手数料
 2,500円

自宅の住所または本籍のみの変更である場合は、税理士証票の書換えがないため変更手数料のみとなります。留意事項としては、税理士用電子証明書(ICカード)の発行手続きにおいて、自宅の住所の「住民票の表記」と「税理士登録上の表記」が一致している必要があります。

氏名変更の申請方法

氏名に変更があった場合、変更申請には次の書類が必要です。

変更登録申請書
 登録区分などの変更時と同じ書式です。
戸籍抄本
 コピーでも可。
顔写真
 更新後の税理士証票に貼る写真(縦2.8㎝×横2.4㎝)1枚
変更及び書換手数料
 5,000円

ただし、氏名の変更と同時に旧姓使用の申請を行う場合には、税理士証票の書換えはないので顔写真は不要となり、変更手数料(2,500円)のみとなります。

旧姓の使用について

戸籍上の氏に変更が生じた後も、税理士業務の遂行上、旧姓を使用する場合には次の書類が必要です。

旧姓使用承認申請書
 所属の各税理士会のサイトからダウンロード
戸籍抄本
 1通
手数料
 旧姓の使用について、関連する変更項目によって手数料が異なります。
手数料 旧姓の使用について、関連する変更項目によって手数料が異なります。
 税理士証票の書き換えがある場合 5,000円
 事務所所在地、事務所名称、登録区分、氏名変更など税理士証票の書き換えがない場合 2,500円

旧姓の使用開始に併せて勤務先や住所地を変更する場合には、「登録区分・事務所等所在地変更の申請方法」及び「自宅住所・本籍変更の申請方法」を参照ください。

旧姓については、月1回開催される日税連の登録審査会での承認後に使用可能となります。旧姓使用に何らかの支障があると日税連が認めた場合には、旧姓使用の承認が取り消される可能性もあります。旧姓の使用開始については、日税連から「旧姓使用承認通知書」が送付され、その後は税理士業務遂行上において常に旧姓を使用しなければなりません。旧姓使用承認がなされた場合には、次のような書類などには旧姓を利用する必要があります。

  • 各種申告書及び税務代理権限証書、税理士法第33条の2の書面等への署名
  • 事務所の看板、名刺、ホームページなど
  • 会員名簿等への記載

電話番号・FAX番号の変更届出

電話番号やFAX番号に変更があった場合、次の書類が必要です。

電話番号等変更届出書
 所属の各税理士会のサイトからダウンロード
変更手数料
 不要

他の変更申請と異なり、「変更届出」となります。届出方法は、上記の書類をFAXか郵送で送付します。

その他の変更届出について

たとえば、税理士法人の名称を変更した場合には、定款等を変更し、変更登記の後、税理士会へ「変更届出書」の提出が必要です。税理士登録後の学歴変更、登録後の職歴の異動、登録後について報酬のある公職及びその異動なども申請ではなく、変更後に「記載事項変更届出書」を提出します。

また、税理士会費の引き落とし口座の変更など軽微な変更は、所属の各税理士会に連絡すると、変更用紙を送付するなどの対応をしてくれます。

これらの申請書や届出書については、署名だけでなく押印が必要となる場合があります。

準備を整えて、税理士登録の変更手続きをスムーズに進めよう

税理士法施行規則第8条第1号及び2号には、税理士登録についての登録事項が記載されています。

その登録事項とは、「氏名、生年月日、本籍、住所、試験免除等の情報、資格取得年月日、登録区分に応じた事務所名称及び所在地」などであり、これは最初に説明した税理士法第18条を受けた形となっています。

参考:税理士法施行規則|e-Gov法令検索

これらの登録事項のうち、変えることのできない試験免除等の情報や資格取得年月日以外は、変更申請が必要です。

ただし、所属する各税理士会によって、提出書類や申請方法が異なることもありますので、十分注意しましょう。登録区分や変更項目によって書類が異なるため、複数の変更がある場合には事前に所属の税理士会に照会しておくと安心です。

税理士登録情報に異動があった場合には、必要書類を早めに整えて、変更手続きをスムーズに進めましょう。

よくある質問

税理士登録変更のタイミングとは?

税理士登録を受けた事項に変更が生じたときは、遅滞なく変更申請しなければなりません。

登録事項の変更手続きには手数料は要りますか?

基本的に税理士証票の書換えのある場合には5,000円、書換えのない場合には変更手数料のみの2,500円が必要です。

旧姓の使用は可能ですか?

旧姓の使用は可能です。ただし、旧姓使用に何らかの支障があると日税連が認めた場合には、旧姓使用の承認が取り消される可能性もあります。

【監修】税理士・CFP 岡 和恵

大学卒業後、2年間の教職を経て専業主婦に。システム会社に転職。 システム開発部門と経理部門を経験する中で税理士資格とフィナンシャルプランナー資格を取得。2019年より税理士事務所を開業し、税務や相続に関するライティング業務も開始。

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