税理士コミュニティとは?種類やメリットについて解説します

組織づくり

税理士コミュニティとは?種類やメリットについて解説します
税理士業を行うにあたり、さまざまな悩みや課題が生じることがあります。独立する税理士は個人事業主または経営者であり、悩みを相談する相手が少ないこともあるでしょう。税理士コミュニティはそのような悩みを共有・解決する場としての機能があります。この記事では、税理士同士で交流するコミュニティにどのようなメリットがあるかについて解説します。

税理士コミュニティの目的とメリット

税理士が関わる可能性のあるコミュニティには、下図のように「税理士試験受験生との交流を目的としたコミュニティ」や「税理士同士の交流を目的としたコミュニティ」「税理士と経営者、個人事業主などの交流を目的としたコミュニティ」が挙げられます。
 

 
「税理士試験受験生との交流を目的としたコミュニティ」に関しては、税理士試験の受験生同士が行う試験勉強に関する情報交換に加え、すでに試験に合格した税理士が受験生に対して受験勉強のアドバイスを行うなどの活用方法が一般的です。

「税理士と経営者、個人事業主などの交流を目的としたコミュニティ」では、SNSやオンラインサロンなどの媒体を通じ、専門的な知識を持った税理士が事業者に対して税法などに関する情報をわかりやすく発信しています。

これらのコミュニティの中でも、当記事で取り上げるのは「税理士同士の交流を目的としたコミュニティ」であり、特に開業税理士が自らの事務所経営の悩みを気軽に相談・共有できるプラットフォームなどが中心となります。

具体的には独立開業して日が浅い税理士が経験豊富な事務所経営者に対してアドバイスを求めるケースや、独立開業を目指す勤務税理士が開業に向けて準備すべき内容に関して開業税理士に助言を求める場合に、コミュニケーションの場として活用することが可能です。

開業税理士同士であれば、事務所経営の方向性や顧問先対応に関する悩みを共有するだけでなく、得意分野や専門領域の異なる同業者とつながりを持つことで、気軽に質問したり、相互に案件を紹介し合ったりするような関係性を構築することも追求できます。

コミュニティの形式

税理士同士のコミュニティの形式については、従来はオフラインによる対面型が中心でした。

多くの場合には地元の税理士会に所属する他の税理士会員と親交を深めるなど、同じエリアで活動する税理士同士で情報交換を行うケースがほとんどです。他県などで営業する同業者とのネットワークを構築することは、決して容易ではありませんでした。

オフラインでのコミュニティに属する同業者とは営業エリアや業務内容が重複するケースも多く、自らの悩みや相談内容によっては気軽に共有できない場合もあります。

しかし近年ではインターネット環境が整備され、SNSなどのサービスが普及したことでオンライン上でのネットワーク構築が可能となりました。自らと直接的な利害関係を持たない同業者とも、気軽に接点を持ちやすい環境へと変化しています。

オンラインコミュニティの具体例としては、「SNS・グループチャット」あるいは「オンラインサロン」などの形態が一般的です。

いずれのコミュニティも、参加者が情報共有や意見交換を行う場として活用されます。「SNS・グループチャット」ではユーザー同士が自由に知識や経験を発信するのに対し、「オンラインサロン」の場合はサロンの主宰者が中心となって運営されています。

特にTwitterなどのSNSではユーザー間で自由なコミュニケーションが可能ですが、オンラインサロンについては主宰者とサロンメンバーの間での交流に限定されるため、SNSに比べてより閉鎖的なコミュニティといえます。なおオンラインサロンの運営方法は主宰者やサロンの趣向によっても異なり、税理士同士が集うサロンであればメンバー同士が積極的に交流し、税理士業務や事務所経営について情報交換を行う場合もあります。

一方で税理士と事業者が集うサロンの場合には、主宰者である税理士が中心となり、自らの専門的知識をサロンメンバーに対して発信するケースが一般的です。

無料と有料のコミュニティの違い

税理士がかかわるコミュニティに関しては、「無料コミュニティ」と「有料コミュニティ」の2つに分かれます。下表のように金銭的な負担の有無によってコミュニティの性質についても違いがあるため、参加するコミュニティを検討する場合には、自らのニーズを踏まえて適切なプラットフォームを選択しましょう。

無料のコミュニティ有料のコミュニティ
主な形式SNS・グループチャットオンラインサロン
参加者の範囲開放的閉鎖的
匿名性高い低い
情報の信用性・確度低い場合あり高い
管理人の有無不在の場合ありいる

無料コミュニティの場合

無料のオンラインコミュニティに関しては、かつてはインターネット上の掲示板が中心でしたが、近年ではTwitterなどのSNSやグループチャットを用いるケースが増加しています。

インターネット上の掲示板やグループチャットなどの形態では、一般的に特定の人物が管理人としての役割を担っているため、コミュニティ内のモラルや有用性はコミュニティに対する管理人の向き合い方にも大きく左右されます。

特に税理士のコミュニティの場合には、管理人自体も本業である税理士業務の合間にコミュニティ管理を行うため、コミュニティ内の情報が整理されていないケースも見られます。そのような場合にはコミュニティのメンバーが必要な情報を自ら検索し、収集するなどの対応が欠かせません。

無料のコミュニティの中には管理者が不在となっているケースもあり、そのような場合には参加者同士が積極的に情報発信や価値提供を行わないと、コミュニティの存続自体が危ぶまれることとなります。

また、TwitterのようなSNSを用いてコミュニティを形成する場合には、ユーザー自らが自発的に行動し、自らが接点を持ちたいと考える同業者とコンタクトをとることで、少しずつ関係性を構築する必要があります。

コミュニティ内の情報の信用性という観点では、インターネット上の掲示板やSNSは匿名性が高く、やり取りしている相手が「本当に税理士資格を持っているのかどうか」について判断できないケースもあります。一方で会計ソフトを提供する企業などの場合には、士業とのネットワークやコミュニティ形成が会社の財産にもつながるため、有料サービスに匹敵するような有益な情報を無料で公開しているケースもあります。

このように無料のコミュニティにおける情報は玉石混淆となりやすいため、コミュニティ内の情報を闇雲に信用するのではなく、情報源についてもしっかりと確認し、情報の確度や信用性を慎重に判断するように心掛けましょう。

有料コミュニティの場合

有料のコミュニティの場合、運営者には対価に見合う有益な情報や価値を提供する義務が生じます。たとえばオンラインサロンのような媒体では月会費などの費用負担が発生するため、それらの有料コミュニティの運営者となる場合には、設定した金額に相当する知識やノウハウに加え、魅力的なコンテンツを作り続けるための「企画力」が必要不可欠です。

また、オンラインサロンなどの有料コミュニティを運営する場合、無料コミュニティと同様にニックネームなどを用いることも可能ですが、税理士としての信用力やその後の本業への導線も考慮し、実名や事務所名で運営を行うケースが大半です。

有料コミュニティの場合には、無料のプラットフォームに比べて参加メンバーを集めることが難しい一方、参加者は月会費などの費用を負担したうえで参加することを決心しているため、向上心の高いメンバーが集まりやすいという特徴があります。

特にオンラインサロンなどの有料コミュニティについては、主宰者がコミュニティのテーマや目的、活動方針を掲げており、それらに賛同するメンバーが集うことで参加者同士の一体感を醸成します。有料コミュニティへの参加を検討する場合には、コスト面に加えてコミュニティ自体の趣旨や方向性が自らのニーズと合致しているかどうかを確認し、参加先を慎重に選びましょう。

税理士コミュニティの例

ここまでは税理士が参加するコミュニティの目的や媒体について解説しましたが、実際に税理士同士が交流できるコミュニティにはどのような事例があるのでしょうか。以下では税理士向けのコミュニティとして、2つの具体例を紹介します。

士業交流の場(開業したばかりやこれから開業しますという方)

福岡県福岡市にて「平岡大輔税理士事務所」を開業している平岡税理士の場合、税理士をはじめとする士業同士の交流の場として、月額100円で参加可能なオンラインサロンを運営しています。
士業交流の場(開業したばかりやこれから開業しますという方)|平岡大輔/30代開業税理士 福岡
平岡税理士のオンラインサロンでは、将来の独立開業を検討している士業や開業して間もない士業事務所の経営者を中心にサロンメンバーを集めており、士業経営者としての悩みや考え方などを発信し合うことで、事務所経営や集客に関するノウハウを共有しています。

特に平岡税理士自身が「顧問先ゼロ」の状態で独立開業し、その後ネット集客によって1年間で30件の顧問契約を獲得した実績を持つため、独立開業によって一国一城の主を目指す士業にとって平岡税理士の「生の声」は有益な情報となります。

オンラインサロンに参加するメンバーも開業前後の士業が中心となるため、経営や集客に関する十分な経験がなく、手探りの状態でスタートせざるを得ない士業にとっては貴重な情報源となるはずです。

BizBASE ポータル

「BizBASE ポータル」とは、「マネーフォワードクラウド公認メンバー」専用のポータルサイトです。

「マネーフォワード クラウド」を利用するうえでの疑問点を動画やマニュアルを通じて解消できるだけでなく、「マネーフォワード クラウド」の活用方法や事務所の経営課題など、さまざまなトピックに関する士業同士の交流を目的として運営しています。

具体的には「マネーフォワード クラウド」および「STREAMED」の利用方法に関するQ&A掲示板や、他事務所による成功事例セミナー、業務に役立つマニュアルデータの提供に加え、士業事務所同士がコミュニケーションをとるためのグループ掲示板も設置しています。

これらのサービスは、無料で登録できる「ブロンズ公認メンバー」でも利用できるため、この機会にぜひご登録ください。
BizBASEポータルとは

税理士コミュニティを積極的に活用し、事務所経営に役立てよう

税理士同士のコミュニティについては、以前はオフラインでの閉鎖的な環境が中心でしたが、インターネット環境が整備されたことで、現在はオンラインによるオープンな環境へと移行しつつあります。

このような環境の変化によって、税理士はさまざまな地域で活動する同業者とも容易につながることができ、自らが求める知識やノウハウを吸収するための機会を広げることも可能です。さらに参加するコミュニティによっては、自分自身では思いつかないようなアイデアや知見に触れることもでき、「自らの視野を広げる」という観点においても非常に効果的です。

税理士のコミュニティに関しては有料と無料の違いだけでなく、コミュニティごとにテーマや活動方針にも特色があるため、自分自身のニーズに照らし合わせて参加するコミュニティを検討し、自らの事務所経営に積極的に活用しましょう。

よくある質問

税理士コミュニティの種類は?

コミュニティの目的別に「税理士試験受験生の交流」や「税理士同士の交流」「税理士と経営者の交流」の3つに分けられます。特に税理士同士の交流目的の場合には、事務所経営に関する情報交換が積極的に行われます。

税理士コミュニティの形式は?

以前はオフラインによるコミュニティが大半でしたが、近年はインターネットの普及に伴い、オンラインコミュニティが発展しています。具体的にはSNSやグループチャット、オンラインサロンなどの形式が一般的です。

無料と有料のコミュニティの違いは?

無料の場合には開放的な環境である一方、参加者の匿名性が高く、管理人が不在の場合には情報の信用性が低下するケースもあります。有料の場合には閉鎖的である反面、運営体制が整備され、情報の正確性が高まります。

【監修】税理士・中小企業診断士 服部 大

2020年2月、30歳のときに名古屋市内にて税理士事務所を開業。
平均年齢が60歳を超える税理士業界の数少ない若手税理士として、顧問先の会計や税務だけでなく、創業融資やクラウド会計導入支援、補助金申請など、若手経営者を幅広く支援できるように奮闘中。
執筆や監修業務も承っており、「わかりにくい税金の世界」をわかりやすく伝えられる専門家を志している。

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