税理士バッジの扱い方!着用義務やなくしたときは?

税理士登録

難関試験を突破した証である「税理士バッジ」。日常業務で常に身につけるべきなのか、万が一なくしてしまったらどうすればいいのか、扱い方に悩む方も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、税理士バッジは原則として着用が義務づけられています。また、バッジは税理士会からの「貸与品」であるため、紛失・損壊した際は所定の再交付手続きを行わなければなりません。

この記事では、税理士バッジに関する以下のポイントを分かりやすく解説します。

  • 税理士バッジの着用義務と、着用が効果的な「4つのTPO」
  • ピン式・ネジ式の違いや「略章(会員略章)」の活用メリット
  • 万が一紛失・損壊してしまった場合の具体的な手続きと費用

バッジの正しい扱い方を理解し、専門家としての信頼獲得やリスク管理に役立てましょう。

税理士バッジはいつ手に入る?

税理士バッジはいつ手に入る?

税理士バッジとは、税理士資格を持っていることを証明するバッジのことです税理士試験に合格するなど、「税理士となる資格」を得たうえで通算2年以上の実務経験要件を満たした場合に、税理士登録の申請を行うことができます日本税理士会連合会にて税理士登録の申請手続きを行い、無事に登録が認可された場合に「税理士バッジ」を受け取ることが可能です。

日本税理士会連合会に備え付けられた税理士名簿へ登録されると、所属する税理士会から「税理士証票交付式の日程に関するお知らせ」が送付され、交付式に出席することで正式に税理士バッジが授与されます。

なお税理士証票交付式では新規会員の税理士が一堂に会し、税理士バッジだけでなく税理士証票も直接交付されるため、スケジュールを合わせて出席しましょう。

税理士バッジの意味と由来

弁護士や公認会計士、社会保険労務士など、国家資格である士業にはそれぞれのバッジ(会員章)が存在します。税理士資格についても同様であり、税理士登録を受けた場合に授与される「税理士バッジ」によって、税理士証票と同じく税理士は自らの身分を証明することが可能です。

日本税理士会連合会のホームページによると、税理士バッジには以下のような由来があると記載されています。

「1956年(昭和31年)の改正で、税理士業務を行おうとする者は、税理士登録を行い、かつ、税理士会に入会しなければ、原則として業務が行えない、強制入会制へと移行しました。これを機に日本税理士会連合会では、統一会員章(税理士バッジ)を制定しました。」
引用:税理士制度|日本税理士会連合会

ちなみに税理士バッジの裏面には通し番号が記載されていますが、これは税理士の登録番号とは一致しません。また税理士バッジのデザインについては次のように記述されています。

「外側の円が日本の「日」を示し、「日」とともにどこまでも進行(隆昌)することを意味しています。また、中央には日本の国花である桜を使用しています。」
引用:税理士制度|日本税理士会連合会

税理士バッジに描かれている桜のデザインは、当時の大蔵省造幣局が作成した「桜花の図」をモチーフとして作られています。ちなみに、弁護士や司法書士といった税理士以外の国家資格のバッジにも、菊などの花があしらわれたデザインが使用されることが多く、様々な意味が込められています。

なお、税理士登録によって授与される税理士バッジについては、あくまで税理士会から「貸与」されているものであることに注意しましょう。いずれ税理士をリタイアする際には税理士会へ返還する必要があるため、紛失や損壊しないように丁寧な管理を心がけましょう。

税理士バッジの種類

税理士に交付される税理士バッジについては1種類ではなく、いくつかの選択肢が用意されています。税理士はバッジのデザインや留め具、略章などのいくつかの選択肢を考慮し、自らの使用方法に合ったバッジを入手しましょう。

ピン式とネジ式

税理士バッジは税理士証票交付式に出席した際に、「税理士証票」と併せて受け取ることができます。

税理士バッジの留め具は2種類あり、男性の場合にはスーツの襟に空いた穴(フラワーホール)に留めるための「ネジ式」、女性の場合にはフラワーホールのない服装が多いため「ピン式」となるケースが一般的です。基本的には税理士登録者の性別によって税理士会が留め具の種類を振り分けますが、所属する税理士会によっては登録者が自由に選択できる場合もあります。

また税理士バッジが交付されたあとにおいても、有料で留め具の種類を変更できるケースもあるため、必要に応じて所属する税理士会へ相談しましょう。なお税理士バッジは税理士証票交付式にて銀製のものが無料で授与されますが、別途料金を支払ってプラチナ製のバッジに変更することも可能です。

税理士会員略章(略章)も着用できる

税理士は「税理士バッジ(会員章)」に替えて、正規のバッジよりもひと回り小さな「税理士会員略章(略章)」を着用することが認められています。正規の税理士バッジについては万が一紛失や損壊があった場合、再交付申請の手続きや手数料負担が生じるため、普段は略章を身につけることを好む税理士もいます。

なお正規の税理士バッジが銀製であるのに対して略章はプラチナ製であり、正規のバッジと同様に、税理士会から「貸与」を受ける形で申請手続きを行わなければなりません。略章の申請の際には「税理士会員章略章貸与申請書」を作成し、税理士証票や印鑑(認印)、使用手数料として2万円を用意して所属の税理士会にて手続きを行いましょう。

また略章は「貸与」という形式で交付されるため、紛失や損壊した場合には所属の税理士会へ届け出を行わなければならない点にご注意ください。

税理士バッジをつけるとき

東京税理士会のホームページでは、税理士バッジは常に着用しなければならない旨が記載されており、基本的には税理士はバッジの着用義務があるものとされています。

参考:バッジ(略章)貸与及び紛失又は損壊の手続き|東京税理士会

しかし税理士バッジを着用していない場合の罰則等は設けられていません。万が一税理士バッジを紛失あるいは損壊してしまった場合には、再交付申請手続きや手数料負担が必要となるため、日常業務においては着用していない税理士もいます。特に毎月のように訪問し、長きにわたって顧問契約が継続しているクライアントであれば、税理士としての信頼関係がすでに構築されているケースも多いため、税理士バッジを着用するメリットは薄れていきます。

ただし税理士バッジを着用することによって「有資格者であること」を相手に対して明確に訴求できます。普段着用していない税理士でも、業務内容によっては税理士バッジを着用することが望ましいケースもあります。具体的には新規顧客の初回面談時やセミナーを開催する場合など、税理士であることの「信頼性」や「安心感」を伝えたい場面では税理士バッジの着用をおすすめします。また確定申告相談会や役所での税務相談など、公的な業務に従事する場合にも税理士バッジを着用する方が好ましいです。

このように初対面の相手と接する場合や専門家の立場からアドバイスを行う場合、フォーマルな場に出席する場合などにおいては、税理士としての身分を証明するバッジは「威厳」や「品格」を訴求する重要なアイテムです。さらに集客面においても、税理士が自らのプロフィール写真やホームページ用の写真を撮影する際に税理士バッジを着用し、専門家としての「信頼感」や「堅実さ」をアピールする場合もあります。

日常業務において税理士バッジを着用しない場合でも、バッジがもたらす客観的な効果を理解し、服装や身だしなみと同じくTPOに合わせて対応しましょう。

税理士バッジをなくしたとき

税理士バッジを紛失または損壊した場合には、所属する税理士会にて再交付申請手続きを行わなければなりません。再交付の対象となるのは、下図の4種類の事由に限られるためご注意ください。

再交付申請を行う場合には、再交付が必要となった事由ごとに、以下の書類等を用意する必要があります。

必要書類 備考
「亡失」の場合 税理士会員章

再交付願
1通

「損壊」の場合 損壊したバッジ(会員章)を添付
「税理士法上の処分による業務の停止期間が終了した」場合
「税理士法第43条の規定に該当しなくなった」場合 印鑑(認印)・税理士証票が必要

参考:バッジ(略章)貸与及び紛失又は損壊の手続き|東京税理士会から表を作成

どの場合にも、税理士会員章再交付願が必要です。また、「損壊」の場合には、損壊したバッジ(会員章)を添付する必要が、「税理士法第43条の規定に該当しなくなった」場合には、印鑑(認印)・税理士証票が、それぞれ必要です。

再交付申請を郵送で行うことは不可とされており、税理士会の事務局で直接手続きを行います。また損壊によって再交付申請を行う際には、修理が可能な状態の場合には税理士会にて無料で対応してもらえるケースもあるため、壊れたバッジを必ず持参しましょう。

なお上記の必要書類に加え、再交付の申請を行う際には「再交付手数料」として5,000円を支払わなければならないためご注意ください。「税理士会員章再交付願」のフォーマットについては下図のとおりです。

参考:バッジ(略章)貸与及び紛失又は損壊の手続き|東京税理士会

ただし上図は東京税理士会のフォーマットであり、税理士会によって異なる様式による作成が必要となるケースもあるため、所属する税理士会の事務局へ直接お問い合わせください。再交付申請の際には、基本的に申請を行う税理士自らが税理士会へ出向く必要がありますが、やむを得ない理由によって本人が手続きできない場合には、委任状を持参した代理人が再交付申請を行うことも可能です。

また税理士会員略章を紛失または損壊した場合についても、正規の税理士バッジと同様に、税理士会にて所定の手続きを行わなければなりません。

具体的には以下の書類等を用意し、所属する税理士会へ届出書を提出しましょう。

税理士バッジに関する制度を理解し、大切に管理しよう

税理士登録によって授与される税理士バッジについては、税理士会から貸与されるものであり、紛失しないよう大切に扱わなければなりません。直接的な罰則規定はないものの、税理士にはバッジの着用義務があり、税理士バッジによってクライアントに対して「安心感」や「信頼性」を訴求できるケースもあるため、TPOに応じて効果的に活用しましょう。

万が一紛失や損壊してしまった場合には、所属する税理士会にて再交付申請を行う必要があるため、必要書類を用意して早急に手続きを行ってください。

また、独立・開業を検討している方は、ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。

よくある質問

税理士バッジの着用は「絶対」ですか?着けていないと罰則はありますか?

原則として常時着用の義務がありますが、着用していなくても罰則はありません。
税理士会(東京税理士会など)の規定では常に着用すべきとされていますが、不着用に対する罰則やペナルティは設けられていません。そのため、紛失リスクを避けるために普段のデスクワークでは外している税理士もいます。
ただし、「新規顧客との初回面談」「セミナー登壇」「公的な税務相談」など、専門家としての信頼性や安心感をアピールしたいTPOでは積極的に着用することが推奨されます。

バッジの留め具(ネジ式・ピン式)は自由に選べますか?

一般的には性別で振り分けられますが、所属する税理士会によっては選択や後からの変更も可能です。
通常、男性のスーツの襟穴(フラワーホール)用には「ネジ式」、衣服に穴を空けずに留められる女性用には「ピン式」が交付されるケースが一般的です。
所属する税理士会によっては最初から選べる場合もあります。また、交付後であっても有料で留め具の種類を変更できる場合があるため、使いづらいと感じる場合は所属の税理士会事務局へ相談してみましょう。

普段使いに便利と言われる「税理士会員略章(略章)」とは何ですか?

正規のバッジよりもひと回り小さい、プラチナ製のバッジです。
正規の税理士バッジ(銀製)の紛失・損壊リスクを避けるため、普段の業務ではこの「略章」を着用する税理士も少なくありません。
ただし、略章も税理士会からの「貸与」となるため、申請手続きが必要です。取得の際は「税理士会員章略章貸与申請書」を提出し、使用手数料として2万円を支払う必要があります。

税理士バッジを紛失・破損してしまった場合はどうすればいいですか?

所属する税理士会の事務局へ直接出向き、再交付の手続きを行ってください。
税理士バッジを「亡失」または「損壊」した場合は、以下の必要書類と再交付手数料5,000円を用意して手続きを行います。原則として本人が出向く必要がありますが、やむを得ない場合は委任状を持参した代理人による手続きも可能です。

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【監修】税理士・中小企業診断士 服部 大

2020年2月、30歳のときに名古屋市内にて税理士事務所を開業。
平均年齢が60歳を超える税理士業界の数少ない若手税理士として、顧問先の会計や税務だけでなく、創業融資やクラウド会計導入支援、補助金申請など、若手経営者を幅広く支援できるように奮闘中。
執筆や監修業務も承っており、「わかりにくい税金の世界」をわかりやすく伝えられる専門家を志している。

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