税理士事務所での勤務に適した服装は?

組織づくり

税理士事務所での勤務に適した服装は?

どの業界においても、働くうえで適した服装というものがあります。
では、税理士事務所において、一般的な服装とはどのようなものでしょうか。本記事では、税理士事務所で働くときにふさわしい服装について解説していきます。

税理士に求められる服装とは

税理士事務所で勤務するうえで、業界として決められた服装は特にありません。しかし税理士はお金を扱うだけでなく、ときには夫婦や親子関係などの顧客のプライベートな領域にも足を踏み入れる必要があるため、顧客との信頼関係を構築することが極めて重要な職業です。印象を損なわず、信頼感を持ってもらえるような服装が求められるでしょう。

また税理士は「モノ」を扱う業務ではないことから、自分自身を「商品」として顧客へ訴求する必要があります。服装に関しても、TPOにそぐわない格好を選択することで自らの商品価値を損なうようなことがあってはなりません。顧客の大切な情報を預かるだけでなく、専門家としてのノウハウを活用しながら正確な仕事が求められる立場として、相手に信頼感や安心感を与える服装を身につけることを心掛けましょう。

 

税理士事務所で働く人の服装

税理士事務所で勤務する職員の多くは、相手に誠実な印象を与えるために清潔感のある服装を選択します。
その中でも、男性と女性では以下のような違いがあります。

男性の服装

男性の場合には、基本的にはスーツを着るケースが大半です。
スーツの場合には、黒やグレー、ネイビーなど色合いによっても見た目の印象は変わります。若手中心の税理士事務所や外資系の事務所の場合には明るいトーンのスーツも多いですが、一般的な税理士事務所ではダークで落ち着いた印象のスーツを選ぶことが大半でしょう。

接客時や顧問先を訪問する際にはネクタイを着用しましょう。ただし近年ではクールビズを取り入れる事務所も増えており、夏場の暑い時期にはネクタイを着用しない場合や、スーツのジャケットも着用せずワイシャツのみで勤務する事務所が増加しつつあります。

勤務先の服務規程にもよりますが税理士事務所で勤務する男性の場合には、明るく活発な印象よりも無難で落ち着きのある服装を選ぶ傾向が強いと言えるでしょう。

女性の服装

男性に比べ、女性の場合には服装の自由度は高まる傾向にあります。接客時や顧問先へ訪問する際にはスーツを着用するケースが多いですが、パート職員など内勤のみの勤務形態であればオフィスカジュアルが容認されている職場も珍しくないでしょう。

スーツを着用する場合にはパンツスーツとスカートのどちらでも問題はありません。色合いに関してもライトグレーやベージュなど、男性に比べて明るい色を取り入れるケースも多いです。インナーについてはシャツやブラウス、カットソーなどが一般的でしょう。

髪型についても指定がないケースが多いですが、社会人として相応しい印象を与えることができるよう奇抜な髪型や派手な髪色は避けることをお勧めします。業務の性質上、資料チェックなどで下を向いて作業する機会が多くなるため、仕事の妨げにならないようロングの場合には髪を結ぶことも多いです。

ネックレスやピアスなどのアクセサリーについても認められている職場が多く、着用する場合には華美な印象とならないようシンプルで落ち着いたデザインを心掛けましょう。ネイルについても容認されている事務所が多いですが、その場合にも派手な印象は避け、ピンクやベージュなど自然に近い色を選ぶことをお勧めします。

スーツを着るときの注意点

スーツを着るときの注意点

スーツは正しく着用できれば清潔感や誠実さを際立たせる有用なアイテムとなりますが、その反面乱れた着こなしをすれば、「だらしない」「不誠実」といったマイナスの印象を与えてしまいます。

少なくとも以下の点に注意して身だしなみを整えるようにしましょう。

サイズやシワ、汚れに気をつける

スーツを着る際に最も重要な点は適切なサイズを選ぶことです。何年も着用するうちに体型が変化し自分の体にフィットしないスーツを着ることで、相手に不快感を与えてしまうケースも少なくありません。現在の自分の体に合ったスーツを用意しましょう。

税理士業務についてはデスクワークが多く、スーツにシワがつく機会も自然と多くなりがちです。シワや汚れがつくことで清潔感のない印象を相手に与えてしまうため、こまめにクリーニングやアイロンがけを行い、スーツを綺麗な状態で保つように心掛けましょう。

靴にも気を配る

接客時や顧問先へ訪問する際には、服装や髪型などの誰にでも目につく部分だけでなく、細かな持ち物にまで気を配るようにしましょう。特に足元の印象が相手に与える影響は大きく、靴の汚れや靴底が擦り減っている場合や脱着時における靴の扱い方など、持ち物に対する手入れの具合や所作がもたらすイメージの影響は大きいです。スーツだけでなく、足元からも清潔感を与えることができるよう日々の手入れは欠かさずに行いましょう。

独立開業後もスーツを着るべきか

税理士事務所の独立開業を機に、自らの服装について改めて検討する機会もあるでしょう。税理士事務所で勤務する職員の大半はスーツですが、常にスーツが最適解になるとは限りません。特に税理士は「堅い」「真面目」「気難しい」といった先入観を持たれるケースが多く、それらのイメージの打開を目指すのであれば、スーツ以外を選ぶ選択肢もあるはずです。

ただし仮にスーツ以外を選択する場合でも、自分が着たい服を選ぶのではなく、自らを「商品」と捉え、「相手にどのようなイメージを訴求したいのか」という顧客目線に立って検討することが必要です。自らが税理士として提供するサービスの内容だけでなく、お会いする相手の業種や年齢によっても訴求すべき価値は異なるからです。たとえば開業して間もない若手の経営者に対しては、「柔和な印象で気軽に相談しやすそう」というイメージを訴求するため、多少カジュアルな雰囲気を演出することも効果的でしょう。一方、相続業務で顧客とお会いする場合には、やはり落ち着いた色合いのスーツが最適です。

普段から機械的にスーツを選ぶなど、服装も含めて「無難な選択」に頼りすぎてしまうと、次第に顧客目線に立って自分を見つめ直す機会が失われてしまいます。TPOによっては服装で成功するケースだけでなく、ときには失敗するリスクもありますが開業して間もない時期においては、このような試行錯誤を繰り返すことにも意義があります。服装も含めてお会いする顧客に合わせて身だしなみを整え、自らのアピールポイントを正確に相手へ訴求することにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

TPOをわきまえた服装を

今回は税理士事務所で勤務する場合の服装について解説しました。
業界として決まった服装はないですが、一般的にはスーツを着用するケースが大半です。
税理士事務所での勤務を希望する場合には、服務規程の確認だけでなく、面接の際に実際に勤務する職員の服装を参考にすることをお勧めします。
特に顧客にお会いする場合には相手の目線に立ち、TPOをわきまえた服装を心掛けましょう。

よくある質問

男性の場合はどんな服装が望ましい?

税理士事務所で勤務する男性の多くはスーツを着用します。接客時にはネクタイも着用しますが、近年ではクールビズ期間中はネクタイやジャケットを着用しない事務所も増加しています。

女性の場合はどんな服装が望ましい?

女性の場合にもスーツを着用する場合が多いですが、男性に比べると服装の自由度は高まります。髪型や髪色、アクセサリーなども選択肢が増えますが、華美な印象とならないよう、シンプルさを意識しましょう。

独立開業後もスーツを着るべき?

スーツが無難ではありますが、業務内容や相手のニーズによってはスーツ以外の方が好ましいケースも考えられます。機械的にスーツを選ぶのではなく、顧客目線に立って最適な身だしなみを考える習慣をつけましょう。

【監修】税理士・中小企業診断士 服部 大

2020年2月、30歳のときに名古屋市内にて税理士事務所を開業。
平均年齢が60歳を超える税理士業界の数少ない若手税理士として、顧問先の会計や税務だけでなく、創業融資やクラウド会計導入支援、補助金申請など、若手経営者を幅広く支援できるように奮闘中。
執筆や監修業務も承っており、「わかりにくい税金の世界」をわかりやすく伝えられる専門家を志している。

記事一覧ページへ

関連記事

顧問契約書テンプレート