税理士がやるべき効果的な営業・集客方法とは?営業活動が上手くいくポイントまで詳しく解説。

税理士がやるべき効果的な営業・集客方法とは?営業活動が上手くいくポイントまで詳しく解説。
税理士事務所を経営していくためには、営業・集客活動をして新規顧客を獲得しなければなりません。しかし、税理士の中には営業活動に苦手意識を持っている方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、Webでの営業・集客方法を中心に、効果的に営業活動を行うポイントからうまくいかないときの対処法まで詳しく解説いたします。

税理士の効果的な営業・集客方法とは

税理士が行う営業活動にはさまざまな種類がありますが、以下のような集客方法を用いることが一般的です。

税理士の効果的な営業・集客方法

ホームページでの集客

事務所のホームページを作成することで、事務所の強みや営業時間・料金などの情報を潜在顧客へ直接的に伝えることができます。また自らホームページを作成・運営すれば、広告宣伝費をかけることなく新規顧客を獲得することも充分に可能です。
ただしホームページを作成したからといって自動的に新規顧客を獲得できるものではないため、定期的な更新や情報発信が必須となります。

ブログの活用

ホームページには書き切れないタイムリーな情報や、検索ワードを意識した税務などの専門的な記事、あるいは所長の考え方や人となりをブログで発信することによって、読者からの共感を得やすくなります。

ただし先述したホームページと同様、単にブログサイトを用意しただけでほとんど更新されていない状態では逆効果となってしまう可能性もあるため、定期的な更新を心掛けましょう。

Web広告での集客

テレビや新聞などに掲載する「マス広告」に対し、インターネット上で展開する広告を「Web広告」といいます。
Web広告には、検索連動広告や画像バナー広告などの種類がありますが、いずれもターゲットを絞って広告を配信できることがメリットとなります。資金状況に合わせた広告展開が可能なため、低予算でも出稿できる点や、出稿したその日から検索結果として反映されるため、即効性に優れている点が特徴です。その一方、ターゲットを絞らず、効果的な配信が実施できていない場合には、広告の費用対効果は下がってしまうため注意しましょう。

SNSの活用

開業税理士には定年がないため、平均年齢は60歳以上であると言われています。下図のとおり、税理士試験合格者に占める40歳超の割合が毎年35%前後で推移している状況を加味すれば、そのような予測は的を射ているものと考えられます。

そのため、TwitterやインスタグラムなどのSNSやYouTubeのような動画配信サービスを活用する税理士はまだまだ少なく、これらのツールを効果的に用いることができれば、競争相手が少ない市場での集客活動が可能となります。
SNSを活用する場合には無計画に更新するのではなく、集客やブランディングなどの運用目的やコンセプトを明確に定める必要があります。例えば集客目的で利用するのであれば、ターゲット層がどのような情報を求めているのか検証した上で、ニーズに合致した情報を発信しなければなりません。

税理士マッチングサイト

税理士専門のビジネスマッチングサイトを利用することで、税理士を探している顧客の希望条件から、自身に合う案件を探し、依頼者と条件交渉をすることができます。
ただしサイトによって月額料金や成果報酬に差があるため、マッチングサイトを利用する場合にはそれぞれの料金体系を必ず確認しましょう。

金融機関や他の士業からの紹介

一般的に顧問税理士を頻繫に変えるケースは稀なため、顧客側が税理士同士を比較し、その良し悪しを見極めることは容易ではありません。
このような背景から、税理士業界では既存顧客や金融機関、他の士業からの紹介ルートがまだまだ主流となっています。紹介を受けた場合には、事前に顧客の業種や経営状況、人柄などについてヒアリングするだけでなく、紹介に至った経緯についても紹介元へ必ず確認し、次回以降に役立てるようにしましょう。

税理士が営業・集客する上でのポイント

先述のとおり、集客にはいくつもの方法がありますが、これらを手当たり次第に実践していては時間も資金も浪費してしまいます。
集客の際には以下のようなポイントに注意し、効果的な営業活動を行いましょう。

税理士が営業・集客する上でのポイント

顧客の課題やニーズを掴んだ的確な提案

税理士業界に限らず、営業や集客活動は顧客側のニーズを適切に捉え、その解決策を提示することに本質があります。
顧客ごとにさまざまな課題を抱えているため、まずは事業内容や経営状況をヒアリングし、理解や共感を示す中で、顧客の潜在的なニーズを察知することが重要です。そして先述した営業や集客方法を通じて、「自社のサービスを利用する=それらの課題が解決できる」という点を訴求しましょう。

他社との差別化

全国には数多くの税理士事務所が存在するため、新規顧客を獲得するには同業他社と差別化し、「顧客から選ばれる事務所」となる必要があります。
しかし、他の税理士事務所と差別化できるような強みをイメージすることは容易ではありません。
そのような場合には、「エリア」や「ターゲット層」、「自社のサービス内容」などに基づき、税理士市場を細分化することをお勧めします。例えば「東京都新宿区○○町」+「開業直後の飲食店」+「クラウド会計」などの項目で市場を絞り、細分化した市場に属する潜在顧客への営業・集客活動を行いましょう。

営業活動がうまくいかないときはどうする?

営業活動は実践してから効果が表れるまでに時間がかかるケースが多く、自分のやっていることが本当に正しいのか不安を覚えることも少なくありません。
営業がうまくいかないと感じたときは、以下のような選択肢も検討するとよいでしょう。
営業活動がうまくいかないときはどうする?

営業代行業者の利用

営業活動を外部へ委託することで、営業マンにテレアポから契約締結まで代行してもらうことも可能です。なお営業代行の場合、月額料金や成功報酬など、料金体系は業者ごとに異なります。
ただし代行業者に依頼する場合、自社に営業ノウハウが蓄積しない点に注意が必要です。

税理士や他士業との交流

書籍やSNSなどを通じて情報収集をすることで、他の開業税理士の実体験を参考にできます。場合によっては、税理士事務所の代表者へメッセージを送り、直接アドバイスを受けることも可能です。自らが目標とする事務所があれば、積極的に行動してみましょう。
また司法書士や社会保険労務士など、他士業との協業体制を構築することも有効です。
一方で、異業種交流会では営業活動を行いたい売り手ばかりが集まりやすく、非効率的なケースも多いため、闇雲に参加するのではなく目的意識を持って参加しましょう。

経営相談をする

税理士としての知識は豊富でも、経営や営業に関するノウハウを持ち合わせているとは限りません。
特に開業当初で自社の方向性が定まっておらず、資金面でもあまり余裕がないケースでは、商工会や商工会議所に設けられている無料の経営相談窓口を活用し、経営に関するアドバイスをもらうことも有用です。

自社の営業力を高めて、事務所の未来を切り拓いていく

開業税理士として顧客を拡大するためには、営業活動が必要不可欠です。
今回解説した集客の方法を手当たり次第に実践するのではなく、しっかりとターゲットを絞って効果的な営業活動を行うことが重要となります。
事務所の明るい未来のために、まずは集客ノウハウを身につけましょう。

よくある質問

税理士はどのように営業活動すべき?

既存顧客や金融機関などからの紹介も根強いですが、ホームページやブログ・SNSの活用、web広告のようなインターネット社会に適応した集客方法も検討しましょう。

営業活動や集客のポイントは?

まずは市場を細分化し、自らがターゲットとする顧客層をイメージすることが大切です。その上でその顧客層のニーズに訴求する営業活動を行うことがポイントです。

営業活動がうまくいかないときは?

他の開業税理士の経験談を集め、他士業との横のつながりを深めることも有効です。また商工会議所にある無料の相談窓口にて、経営に関するアドバイスを受けることもできます。

【監修】税理士・中小企業診断士 服部 大

2020年2月、30歳のときに名古屋市内にて税理士事務所を開業。
平均年齢が60歳を超える税理士業界の数少ない若手税理士として、顧問先の会計や税務だけでなく、創業融資やクラウド会計導入支援、補助金申請など、若手経営者を幅広く支援できるように奮闘中。
執筆や監修業務も承っており、「わかりにくい税金の世界」をわかりやすく伝えられる専門家を志している。

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