第七回 決算整理仕訳の入力方法(MFクラウド確定申告コラム)

いつも、MFクラウド確定申告をご利用いただきありがとうございます。
MFクラウドコンタクトセンターの竹下です。

当コラムでは、数回に分けて確定申告をMFクラウド確定申告で終えるまでの流れやポイントについて、お伝えしていきます。
今回は、引き続き決算整理の仕訳入力方法についてです。

決算整理とは

決算整理とは、期末において、決算書がその年度の状況を正確に表すように調整する作業です。
そして、決算整理の際に行われる仕訳は「決算整理仕訳」と呼ばれます。

例えば以下の場合に、決算整理仕訳の入力が必要となります。

・仕入れた商品の在庫がある場合
・10万円以上の資産を購入したため、減価償却資産がある場合
・開業費がある場合
・通信費や光熱費など事業外でも使っている経費を入力している場合 (家事按分の必要がある場合)
・未払い・前払いの経費がある場合
・回収不能になってしまった売掛金がある場合
・貸倒引当金を必要経費にしたい場合

前回は、「仕入れた商品の在庫がある場合」の棚卸資産の仕訳入力方法をご案内しました。
今回はその他の項目について案内します。

10万円以上の資産を購入したため、減価償却資産がある場合

減価償却とは

購入金額が10万円以上の物品を購入した場合、会計のルール上「減価償却資産」という種類の資産になり、数年に分けて経費にする必要があります。
そのため、購入時に経費では無く、資産の勘定科目で計上します。

減価償却資産には、それぞれ資産内容ごとに耐用年数が定められています。その年数を参照しながら毎年年度末の決算時に「減価償却費」という勘定科目で経費に振り替えます。そして、決算書の「減価償却費の計算」という箇所に減価償却資産を記載します。

耐用年数(国税庁ホームページ)

MFクラウド確定申告での操作

10万円の物品を購入した場合、以下の3つの記載が必要になります。
(1)購入した物品の資産計上
(2)決算書の「減価償却費の計算」箇所の記載
(3)その年の「減価償却費の計上」

MFクラウド確定申告では、固定資産台帳という台帳に記入することで、(2)の決算書の「減価償却費の計算」箇所の記載と(3)その年の「減価償却費の計上」が自動で行われます。

(1)購入した物品の資産計上については、振替伝票入力などで仕訳入力してください。

資産計上例

事業利用比率が70%の軽自動車を2015年1月11日に新車購入していた場合、2016年度は下記の画像のような入力になります。
昨年度25万円償却しているので、今年の期首残高は75万円になります。

固定資産台帳で、以下のように入力します。

保存すると、下記のような仕訳が自動作成されます。
借方で「減価償却費」が70%分計上され、30%分が「事業主貸」になり経費対象外となります。

資産計上の仕訳は今回の場合昨年度に登録されているので、今年度は登録する必要はありません。
昨年度、車両購入時に登録した仕訳は、例えば以下のような仕訳です。

決算書への反映

損益計算書の「減価償却費」の欄に今年度の償却額が計上されます。

■損益計算書

「減価償却費の計算」に、記載されています。

■減価償却費の計算

貸借対照表欄に、期首・期末時点の金額が記載されます。

■貸借対照表

償却方法の選択

償却方法の方法ごと選択は以下の通りです。税務署に届出をしていなければ、基本的には定額法を選択します。

償却方法説明
定額法・旧定額法 償却方法は、基本的にはこの定額法を選択します。取得年によって、旧定額法を選択してください
定率法・旧定率法定率法を選択する場合には、税務署への届出が必要です。取得年によって、旧定率法を選択してください
償却無し今年度「減価償却費」を計上しない資産や、備忘のために決算書に記載しておきたい資産がある場合に選択してください。
また、備忘で残す際は「青色申告決算書への計上」のチェックをいれてください
即時償却「少額減価償却資産」の特例を使用する場合に選択してください。その際、摘要欄に「措法28の2」と記入してください
一括償却一括償却資産の償却をする際に選択してください
任意償却償却金額を任意に設定する場合に選択してください

少額減価償却資産の特例については、下記の記事も参照してください。

少額減価償却資産の特例が個人事業主にもたらす恩恵は?(MFクラウド公式blog)

開業費がある場合

開業までにかかった費用は開業費として数年にわけて費用計上が可能です。
詳しいやり方は、第三回 開業時や導入時の開始残高入力(MFクラウド確定申告コラム)を参照してください。

通信費など私用でも使っている経費を入力している場合 (家事按分が必要な場合)

家事按分とは

家事按分とは、自宅と仕事場の両方として使っているマンションの家賃や、プライベートと仕事の両方で使用する携帯電話の料金などについて、全額経費計上している場合に、プライベート分を経費に計上させないようにする仕訳です。

MFクラウド確定申告では、家事按分機能という専用の機能があり、事業に使用している割合を入力することで、自動で経費に計上させないようにする仕訳が作成されます。

家事按分
「家事按分」機能の使い方(使い方ガイド)

家事按分機能の留意点

  • 家事按分機能は、「仕訳登録」「一括登録」ボタンを押した時点の仕訳内容を元に計算されます。経費の仕訳をすべて入力し終わった後に、ボタンを押してください。
  • 通信費の内、携帯電話代と固定電話代でそれぞれ割合を変えたい場合などは、補助科目を作成し、各々設定してください
  • 商品の総菜を家で食べた場合などに使用する、自家消費(家事消費)の仕訳はこの機能では作成できません。振替伝票入力などで手動入力してください。例えば貸方に「家事消費等」、借方に「事業主貸」などの仕訳となります。

■自家消費の仕訳例

未払い・前払いの経費がある場合

未払金・前払金の経費がある場合には、発生主義のルールに従うとその年の経費に含めるために、未払金や前払金の仕訳を登録しなければなりません。
しかし、国税庁の指針で未払金については「少額の経費は未払い計上せず、実際に支払った金額を必要経費にしてよい」、前払金については「支払った金額が一年以内の間の前払金であればその年の経費に含めてもよい」とされているため、一定範囲内であれば入力する必要がありません。

回収不能になってしまった売掛金がある場合

回収不能となってしまった売掛金がある場合、貸倒金として経費にすることができます。
一方、貸し倒れとして認められるには一定の要件があります。詳しくは税務署などでご確認ください。

■回収不能となった売掛金の仕訳例

※決算整理仕訳ではなく、通常の仕訳で登録します。

貸倒引当金を必要経費にしたい場合

取引先の貸し倒れに備え、青色申告では年度末に売掛金がある場合、基本的には年末の売掛金等の合計金額の5.5%(金融業の場合は3.3%)までを「貸倒引当金」として決算整理仕訳で経費計上できます。

■貸倒引当金繰入の仕訳例

翌年度問題なく売掛金が振り込まれた場合には、翌年の決算整理仕訳で貸倒引当金繰戻の仕訳を入力します。

■貸倒引当金繰戻の仕訳例

留意点

MFクラウドコンタクトセンターは、MFクラウドの操作についてご案内を行なっておりますが、勘定科目の選択や税務会計上の知識についてはご案内を行なっておりません。具体的には以下の内容についてはご案内を行なっておりません。

・「この会計処理や仕訳方法は正しいですか?」といった経理相談
・「この収入は申告が必要ですか?」といった税務相談

税務会計上の知識についてご不明点がある場合には、お手数ではございますが、税務署や会計事務所など各専門機関にご確認をお願いします。

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