起業の方法・手続き完全ガイド

起業の方法や手続きから準備のポイントや起業に必要なもの、かかる費用、資金調達方法などの起業に必要な情報を全てまとめました。起業を予定している方は是非参考にしてみてください。

目次

起業の方法と手続き

起業方法には個人事業主として起業する方法と法人を設立する方法があります。それぞれの方法のメリットやデメリットに加えて、煩雑な法人設立の手続きをスムーズに進めるためのコツをまとめました。

個人事業主と法人設立のメリット・デメリット

 メリットデメリット
個人事業主手続きが比較的簡便
税金の計算が法人より楽
法人に比べて信用が低く、取引に支障が出ることがある
法人設立社会的信報が高い
節税対策が取れる
手続きが煩雑
経理・税務は専門知識が必要

個人事業主のメリット・デメリット

起業方法に個人事業主を選ぶメリットとして、手続きは法人に比べると簡便なことが挙げられます。個人事業主として起業するためには納税地を所轄する税務署に「個人事業主の開業・廃業等届出書」を提出すれば、設立手続きは完了です。

もう一つのメリットとして税金の計算が法人より楽なことが挙げられます。個人事業主の税金は確定申告にて納めることとなりますが、確定申告の方法のひとつである青色申告は条件を満たすことで、65万円の特別控除が受けられるためぜひ狙いたいところです。ただし特別控除を受けるためには貸借対照表や白色申告では必要なかった帳簿を用意しなければなりません。しかしMFクラウド確定申告のような全自動型のクラウド型確定申告ソフトを使用すれば確定申告もスムーズに行えるでしょう。

個人事業主のデメリットは社会的信用が法人に比べると低いことです。クライアントによっては法人でなければ取引をしないところもあるため注意が必要です。

法人設立のメリット・デメリット

次に2つ目の起業方法、法人設立のメリットを説明します。個人事業主のデメリットとは対照的に法人は一定の社会的信用が得られる点が大きなメリットです。社会的信用に起因するクライアントとの取引制限が低くなり、銀行からの借り入れ審査も個人事業主に比べてスムーズに進むと思われます。

また、金銭的なメリットとして赤字を最長9年間繰り越すことができる点があります。個人事業主の場合は最長3年間の繰り越しですから、法人のほうが節税の面で考えると圧倒的に有利だと言えます。節税を意識するのであれば、起業方法に法人設立を選ぶことは有用だと思われます。

法人設立にはデメリットもあり、ひとつは設立手続きがとても煩雑なことが挙げられます。税務署への届け出書類だけでも少なくとも次の3つの書類が必要です。

・法人設立届出書
・源泉所得税関係の届出書
・消費税関係の届出書

なお法人設立届出書には定款の写しなど6つの添付書類も求められるうえ、必要に応じて各種届出書の提出をしなければなりません。手続はとても煩雑だと言えるでしょう。

もうひとつデメリットは税務が非常に煩雑なことです。法令遵守の観点からも細心の注意を払う必要があり、税務や経理は大変難しい業務となります。本業と並行してこれらの業務を行うことは困難だと考えるのが自然でしょう。

実際のところ起業方法として法人設立を選ぶ方の多くはすべての手続きや税務を自力で行っているわけではなく、起業を支援するサービスや税理士、行政書士などを利用しています。これから法人設立を目指す方はぜひ活用してください。

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個人事業から法人へのステップアップ

起業にあたって対外的な信用力を重視しないのであれば、個人事業でスタートし、事業が軌道に乗ってきたところで会社組織を立ち上げることをおすすめします。

個人事業から会社組織に変更することを「法人成り」といいます。法人成りのタイミングは個々人の判断によりますが、納税額の面から考えると一定の目安が存在します。

個人事業の事業主は所得税を納めますが、会社組織の事業主は、会社の所得については法人税を納め、事業主個人の所得については所得税を納めます。所得税と法人税の税率構造が異なるため、所得が一定額を超えた場合には、所得を法人と個人に分散させることで、トータルの納税額を低くすることができます。

一般に、売上から経費を引いた後の利益が500万円を超えると法人成りする方が有利であるとされていますが、金額は個別のケースによって上下します。

起業の手続き

【個人事業主の場合】税務署に開業を届け出る

個人事業の起業の手続きは、基本的に税務署に開業の届け出をするだけです。開業から1か月以内に住所を管轄する税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出します。ほとんどの場合、事業の内容を聞かれることもなく受理されます。少し物足りなく思えますが、それぐらい簡単に手続きが完了します。

 ただし、会計帳簿を複式簿記で記帳することを条件に税制上の優遇が受けられる青色申告を適用する場合や、従業員を雇って給与を支払う場合にも、税務署への届け出が必要になります。開業届と同時に手続きをしておくとよいでしょう。

 2016年1月以降に税務署に提出する書類には、個人番号(マイナンバー)を記載する必要があります。さらに、提出するときに本人確認が求められるので、マイナンバーカードを持参する必要があります。マイナンバーの通知カードの場合は本人確認のために顔写真のある身分証明書(運転免許証やパスポートなど)も必要になります。

【法人の場合】①定款の認証

定款とは、会社の組織や運営における基本となる規則です。作成した定款は、公証人による認証を受けなければなりません。公証人による認証は5万円の手数料がかかります。

紙に印刷した定款の原本には印紙税として4万円分の収入印紙を貼る必要がありますが、電子定款であれば印紙税はかかりません。しかし、条件に適合する電子定款を作成するためには手間と費用がかかることから、電子定款を作成する場合は専門家に依頼することをおすすめします。

【法人の場合】②法務局で登記

次に、法務局で設立登記の手続きをします。手続きには、定款のほか、登録免許税(資本金の0.7%。ただし最低15万円)、出資金の払込を証明する書類などが必要になります。

【法人の場合】③税務署へ届け出

登記が完了すれば、税務署に「法人設立届出書」を提出します。期限は設立の日から2か月以内です。添付書類として、定款、登記事項証明書(履歴事項全部証明書)、株主名簿、設立趣意書、設立時貸借対照表が求められます。

2016年1月以降に税務署に提出する書類には、13桁の法人番号を記載する必要があります。ただし、提出までに法人番号が指定されていない場合は、記載しなくても構いません。

【法人の場合】④社会保険に関する手続き

従業員を1人でも雇えば、労働保険に加入しなければなりません。加入の手続きは、労働基準監督署で行います。また、法人であれば、事業規模の大小にかかわらず、健康保険と厚生年金保険への加入義務があります。加入の手続きは、年金事務所で行います。

起業の準備で欠かせない3つのポイント

起業準備で欠かせないのは「事業計画書」「起業資金」「家族の理解」の3点です。

起業準備は事業計画書から

事業計画書とは、これからどのように事業を進めていくか、売上高や損益はどれぐらいを見込んでいるかなどをまとめたものです。事業計画書の作成は、決して簡単な作業ではありませんし、事業計画書がなくても事業を始めることはできます。しかし、事業計画書を作成することは、起業に対する考えを整理するためには非常に効果的です。頭の中では考えがまとまっているつもりでも、書面に書き出すと意外にあいまいであることに気がつくものです。

事業計画書の書き方がわからない場合は、専門家に相談することができます。地域によっては、市区町村と創業支援事業者(商工会議所など)が連携して相談窓口を設けているので、相談してみるとよいでしょう。(地域の相談窓口 | 創業・起業|ミラサポ 未来の企業★応援サイト)または、マネーフォワードが提供する、クラウドサービスに強い起業専門の税理士無料紹介サービスをご利用ください。

起業資金の準備を始める

起業を思い立ったら、起業資金の準備を始めましょう。事業計画書をもとに、資金がいくら必要かを検討し、資金の準備を始めます。起業という目標ができたので、資金を貯めることも苦にならないのではないでしょうか。

起業資金を準備する方法としては、銀行の預金がおすすめです。銀行で預金する目的は、資金を貯めることだけではありません。今後融資を受ける可能性も考慮して、金融機関にパイプを作っておく役割もあります。計画的に貯蓄できることをアピールできるので、信用を高めることができます。

起業資金を準備するために預金口座を開くのであれば、信用金庫など地域に密着した金融機関をおすすめします。地域金融機関であれば、起業した後に融資が得られやすいというメリットがあります。すでに大手銀行に口座を持っている人であれば、その口座を使えばよいと考えがちですが、起業したての小規模事業者が大手銀行から融資を受けることは非常に難しいのが実情です。

一気に資金を増やすために株式やFX(為替証拠金取引)など、元本割れの可能性がある金融商品を利用することはおすすめできません。また、クレジットカードや携帯電話の代金の滞納は避けるべきです。滞納の履歴は信用情報として一定期間蓄積されます。融資を受けたいときに過去の滞納履歴が影響することもあるので注意しましょう。

事業の規模によっては、自己資金だけでは起業できないこともあります。そのような場合は、金融機関から融資を受けるか、補助金や助成金を受けることを検討します。金融機関は事業計画書の内容をもとに融資するか否かを判断するので、事業計画書を作成しておくことは資金調達の面でも有効です。

起業について家族の理解を得ておく

平成24年の中小企業白書では、起業を実現した人の実像についての調査結果が公表されています。調査項目の一つに、実際に起業を断念しそうになったことがある起業家に対して、どのような課題に直面したのかを聞き取ったものがあります。「資金調達」、「経営知識一般の習得」、「販売先の確保」、「事業に必要な専門知識・技術の習得」に続いて、「家族の理解・協力」が高い比率を占めています。事業に直接かかわる課題と並んで、「家族の理解・協力」が高い比率を占めていることは、起業には家族の理解と協力が欠かせないことを表しています。

起業を反対する人に対して、どのようにして理解を求めればよいのでしょうか。起業には実現したい夢や事業に対する情熱が必要ですが、起業を反対している人に夢や情熱をストレートにぶつけると逆効果になるものです。起業を反対する人にはそれなりの理由があります。その理由を聞き出せば、理解を得るための方法が導き出せます。事業の見通しが甘いのであれば、事業の計画を練り直すことで理解を得られるでしょう。単純に、「何も聞いていない」ということが理由であれば、家族で話し合う機会を持つことです。

大切なのは、夢や情熱を現実に即して説明することです。夢や情熱に説得力を持たせる材料としても、最初にご紹介した事業計画書を準備しておくことは有効です。

起業準備中の課題

起業に必要なもの

登記などの手続き以外にも、起業する際には必要なものがたくさんあります。次に、会社設立関連以外に必要なものについて説明します。

起業前に必要なもの~起業を知らせる広告活動~

起業したら、最初に取り組んでいくのが会社や事業のPR活動です。そのために必要なものは、ロゴ、名刺、ホームページ、挨拶状、DMなどになります。

ものを売る、サービスを提供する際には、最低限の広告が必要です。広告無しに事業を展開することはほとんど無理と言ってもいいほどで、広告費は最低限必要な経費になります。

ロゴマーク

無くてもいいのではないか、と考える人がいるかもしれませんが、ロゴマークは会社を覚えてもらうのに役立ちます。名刺やDMなどに印字すれば、きちんとした会社であることもアピールできますので、ぜひ、作ることをおすすめします。社員がいる場合は、ロゴを作成することで、社員全体の志気を高めるのにも一役買ってくれます。

名刺

名刺は、ビジネスをする上では必要不可欠なビジネスツールです。起業後、名刺を持っていないと、せっかくの出会いを不意にしてしまう可能性もあります。

名刺は、家庭用プリンタなどでも自作することができますが、できればきちんとした印刷会社に依頼して作成しましょう。名刺の品質は、信頼度に影響する部分もあります。あまりにも品質が低い名刺だと、信頼して仕事をお願いすることができない会社だと感じる人もいます。

ホームページ

最近では、インターネットが多くのビジネスチャンスを創出しています。また、会社名を検索するクライアントも多いので、「ホームページがない=信頼度が低い」という印象を与える可能性もゼロではありません。

ホームページ作成代行のサービスは、安価なものから、高価なものまで幅広くありますが、必ず、ランニングコストも比較しておきましょう。作成費用が安い代わりに、運営費用が高いサービスなどもあるので、注意が必要です。

挨拶状、会社概要チラシ

ビジネスを始めたことを「知らせる」ことは、起業した際に必要なもののひとつになります。ビジネスなどで関わりのあった人などには、挨拶状を送って会社の存在を知ってもらいましょう。

また、チラシを作成することも有効です。チラシをもらうと、そのままどこかに掲示されることがあります。何か、困ったことが合った際に、掲示されたチラシを目にすれば、「ここに依頼しよう」という機会が生まれるかもしれません。

メールの場合、無料で大量にリアルタイム送信できるメリットがある一方、他のメールに埋もれてしまったりすぐに削除されるデメリットもあります。チラシの場合は、手元に残る可能性があるため、時間が経ってから依頼につながるという可能性も出てくるのです。

営業関連資料

営業資料は、料金やサービスをパンフレットやファイルなどにまとめたものを言います。自社と他社を比較してもらうためにも、営業資料は必要なもののひとつです。

比較材料があると、自社のサービスを売り込むチャンスにもなり、購買率はアップします。資料を作り、比較されることで、自社サービスの問題点が浮き彫りになる場合も。どちらにしても、メリットがあるものですので、作成することをおすすめします。

起業する前に必要なもの~営業戦略とキャッシュフロー~

起業したら、どんな戦略でお客さんを獲得するのか、それを考えることも企業では必要なもののひとつです。また、キャッシュフローに無理はないかなどシュミレーションすることも重要になります。

営業戦略を考える上で必要なもの

起業をしたら、事業計画書などを作成します。営業戦略を練る上で、とても重要な部分です。営業戦略を立てる際には、いつも以下の項目を考えることで、最適な営業戦略を練ることができるでしょう。

・顧客は誰なのか、どんなニーズがあるのか
・商品は何なのか、他社製品との差別化できる点はどこか
・市場規模はどれくらいか
・商品はどのように成長していくか
・商品の競争力はどうすれば維持できるか

チラシなどを配布する際にも、顧客が誰なのか、どんなニーズがあるのかがわからなければ、より良い広告は作れません。広告が作れなければ、事業全体の売上は上がらないでしょう。

他社製品などもつぶさにチェックし、自社製品が優れている点などを訴えかけていくことも大切です。競合相手を小さく見積もれば、後々、痛手を被る可能性も出てきます。競合がどんな戦略を練っているのか考えることも必要なことです。

キャッシュフローで考えたい必要なもの

起業したら資金繰りも大切な課題のひとつです。いざ、資金が底をついてしまったら、その後、何もできなくなってしまいます。計画的に資金繰りを調整することは大切なことですが、資金が必要となった際には、資金調達先をいくつも確保しておくと安心です。

キャッシュフローを滞らせないためには、資金調達は早めに行う必要があります。そのため、資金調達先がいくつもあり、すぐに行動に移せることが有利に働くのです。

家族や友人、知人などに頼ることもあるでしょうし、個人投資家に投資してもらうこともあると思います。銀行、ベンチャーキャピタル、助成金や補助金など、考えられる資金調達先はすべて挙げておき、選択肢を広げておくことが重要です。

また、仕入先と交渉して支払い期限を遅くしてもらったり、売掛金を早くに回収すれば、資金繰りは楽になります。サービスを提供する際には、前払金を請求するなどしてもいいでしょう。

起業する前に必要なもの~人材を集めること~

人を雇う場合は、そのための準備も必要なものになります。定款、人材教育マニュアルの作成、雇用する上での法律を知っておくことも、必要なもののひとつになります。

人を雇うためには、求人広告を出したり、採用活動を行うなどの点で、思わぬ費用がかかってくるものです。さらに、雇用する上では、労働基準法を熟知しておく必要もあります。

求人をするには、広告費が無料になるハローワークに求人票を出すのがおすすめです。ただし、ハローワークの場合は、絶対的に良い人材が集まるとは言い切れません。

最近では、特に若い世代はネット上で求人を探します。そのため、集めたい世代、職業などによっては、ネット上の求人広告サイトなどで人を募集するのがいいでしょう。

転職エージェントなどを利用すれば、ある程度マッチングの優れた人材を紹介してくれますが、大きな費用がかかりますので、起業直後はおすすめできません。

安価に募集をかける場合はウォンテッドリーなどがおすすめです。

起業にかかる費用

次に起業にかかる費用についてまとめます。

起業する前に用意しておくべき費用

会社を設立する場合には、起業する前にも費用が必要になります。最低限起業で必要になる費用は以下のとおりです。

会社設立登記にかかる費用

株式会社を設立する際には、設立登記をします。実際に開業届を提出するまでには、定款を作成・認証し、登記書類を作成してから、開業届提出という流れになります。具体的にかかる費用は、以下の様なものです。

・定款に貼付する収入印紙代(電子定款は不要) 4万円
・定款の認証手数料 5万円
・定款の謄本手数料 約2,000円

上記3点に加えて、登記手続き時に必要な登録免許税がかかります。この登録免許税に関しては、資本金額の70%が税率とされていますが、最低でも15万円の税金がかかりますので注意が必要です。上記を踏まえると、起業する際にかかる費用は、合計で約25万円必要ということになります。

会社設立を代行業者に依頼する費用は

起業する際には、上記の登記手続きなどを、代行業者に依頼する場合もあります。会社設立の代行業者に依頼すれば、自身で作成から認証までを行うよりも3万円ほど、上記の費用から安くすることができます。

代行業者は、電子定款で登記をするため、収入印紙代の4万円が必要ありません。加えて、会社設立の業務自体を、1万円程度で引き受けている業者がほとんどのため、費用が合計で約3万円安くなります。

自分で電子定款を作成することも可能ですが、ICカードリーダーや電子署名するためのAdobe Acrobatなどのソフトが必要となり、手間もかかるのであまりおすすめではありません。設立作業は専門家に依頼し、起業直後の貴重な時間は事業のために使うことをおすすめします。

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会社印鑑作成料を請求される場合もあるようですが、代表印や銀行印、角印の3本がセットになり、およそ2万円ほど。会社印鑑は必要なものですので、設立登記の時点で用意しておくと便利です。

起業した後に必要になる費用

設立登記を終えたら、スムーズに事業に入れるようにしたいもの。そのためにはオフィスが必要です。オフィスといっても、選択肢はいくつかあります。

賃貸オフィス

ひとつは賃貸オフィスです。一般的に多く見られるオフィスの借り方のひとつで、賃貸住宅と同じく、契約を交わしてオフィスとします。住宅と同じく大きさによって費用はまちまちです。仲介手数料や敷金、保証金、礼金や前払家賃など、住宅を借りる時と同じような費用が必要になります。

レンタルオフィス

ビルの一室を賃貸契約すると、それが後々、起業直後の資金繰りに影響してきます。起業直前や直後は、資金繰りが大変ですので、できるだけオフィスは安いほうがおすすめです。

レンタルオフィスは、比較的安い家賃で借りることができます。3〜4人の社員を雇い、12万円の家賃のレンタルオフィスにかかる費用は以下のようになります。

・仲介手数料 約12万円
・敷金、保証金 約48万円
・礼金 約12万円
・前払家賃 約12万円

上記を合計すると、約84万円になります。一ヶ月の家賃が12万円として、最低でも、7ヶ月分の家賃は準備しておく必要があるでしょう。

バーチャルオフィス

バーチャルオフィスは、登記するときに必要となる住所だけを借りるというものです。実際にその住所にオフィスを開くのではなく、住所だけをレンタルすることになります。東京都内など、オフィス街の住所を借りる場合は、月に1万円程度〜5万円程度が相場です。

自宅

会社を設立した当初は、自宅をオフィスにする人も多いと思います。この場合は、すでに借りている、または持っている自宅ですので、初期費用はかかりません。

ただし、バーチャルオフィスや自宅での開業は、銀行口座開設時に不利になったり、取引先から信用されないなどのデメリットもありますので、注意が必要です。

事務用品関連費用

上記のオフィス家賃費用などの他にも、事務用品関連費用がかかります。事務机や椅子、パソコン、パソコンソフト、レーザープリンター、文房具、ビジネスに利用する電話や形態電話などを含めると、およそ60万円ほどかかる場合もあります。

広告関連費

起業したら、仕事を貰うために最低限の広告関連費が必要になります。企業ロゴを作成したり、名刺を印刷することは、最低限必要になる広告費用です。また、ホームページを持つことも重要です。

ロゴ作成は数万から5万円程度、名刺作成は3〜4名分を用意しても、1万円程度しかかかりません。一番かかるのはホームページの作成費用で、外注する場合は20万円ほどが相場と思ってください。

起業に関する費用、まとめるといくら?

上記の費用をすべてまとめると、会社設立、企業にかかる費用はおよそ200万円となります。事業内容によっては、上記に触れたものの他にも、必須となる工作機械があったり、手続きなどがあるでしょう。

総務省統計では、企業の際にかかる費用の平均は、500万円前後だというデータもあります。

チラシを作成したり、資料のために書籍を買ったり、打ち合わせでの飲食をするなど、さまざまなものが開業費用となります。最低限必要な費用が、今回紹介した費用ですので、それ以外にどんな費用が必要になるのか、試算してみるといいでしょう。

起業の資金調達方法

次に、各資金調達方法の特徴とメリット・デメリットなどに触れていきます。

起業に関する資金調達~出資してもらう~

起業する際には、出資を依頼する場面も出てくるでしょう。その相手が、まずは自分であることも、大いにあります。

自己資金

自己資金は、起業家が自身から出資をしてもらうようなものです。メリットとしては、経営権を保持できることや、お金の使いみちも自由になるため、気を楽にして使える点です。金利の負担もないため、安心して使えるでしょう

しかし、自己資金には限りがあることがほとんどです。国民生活金融金庫の調査によれば、平均の開業資金は1,600万円とも言われます。少額でも数百万の資金が必要になることが多く、その資金のすべてを自己資金で賄うのは難しい場合が多いです。また、万が一事業を清算すれば、自分の財産も失うことになります。

社員持株会

この社員持株会は、社員一人ひとりが会社の資本金を出す出資の形になります。規約を立てることが必要になり、従業員持ち株会の組織や理事なども必要になりますので、事前準備や、その後の運営も大変です。しかし、従業員のモチベーションがアップするなどの良い点もあります。

注意したいのは、退職時に株を現金買取しなければいけなかったり、株主が分散したりすることです。従業員でなくなれば、モチベーションのアップにも関係がなくなりますので、メリットがなくなることになります。

他企業からの出資

株式を他企業に渡すことで、出資をしてもらうというケースもあります。譲渡比率が50%を超えてしまうと、事実上の経営を渡したことになりますので、注意してください。ただし、出資者である企業の協力を得られるという点では、メリットにもなります。

ベンチャーキャピタルからの出資

上場の可能性がある将来有望な企業であれば、ベンチャーキャピタルから出資を募ることも検討すると良いでしょう。ベンチャーキャピタルからの出資を受ければ、顧客を見つけることにつながったり、経営のアドバイスを貰うこともできます。

ただし、起業家の保有株比率は他企業から出資を受ける場合と同様に下がりますので、注意が必要です。

起業に関する資金調達~融資、借り入れを受ける~

資金調達と聞いて、融資を受けることを考える経営者も多いでしょう。どのような借入先があるのか、見ていきます。

個人借り入れ

いわゆる消費者金融などから、個人的に借り入れて、それを資金にあてる方法です。利息も高いことが多く、起業資金用に融資されるお金ではないため、事業に使用するのであればできる限り避けたい融資方法です。

利息が高いのが最大のデメリットですが、個人借り入れのため、個人の信用に問題がなければ、申し込みができます。

家族や知人からの借り入れ

家族や知人などから借り入れるメリットは、経営権を保持しやすい点にあります。資金融資を受ける際、出資元に経営権を奪われる事態に発展することがあります。

しかし、親しい関係柄であれば、会社の経営権を奪われるような事態には発展しにくいでしょう。また、比較的こちらに有利な条件で出資をしてもらうことも容易です。

ただし、身内にリスクを与える事にもなりかねませんし、大多数は融資の専門家でもありませんので、きちんと経営状態を把握していないと、無計画な借り入れをしてしまう可能性もあります。

銀行、信用金庫から融資を受ける

銀行の場合は、会社を設立したばかりだと、信用度が低いため、まず大手銀行は融資をしてくれません。そのため、経営直後にはあまり頼りにならない融資元だといえます。

メガバンクであれば、支店が多いので利便性が高いのが特徴です。ただし、融資を受けることで金利の負担は増えますし、設立直後の会社では、融資してもらえないことがほとんどです。立ち上げたばかりの会社は、あまり関係のない融資先と言ってもいいでしょう。

一方、信用金庫の場合は、銀行よりは融資の条件は厳しくありません。しかし、立ち上げ直後の会社だと、こちらも融資はしてくれない可能性があります。

顧客やビジネスパートナーを紹介してくれるケースがあり、それがメリットになるので、会社を経営し始めてしばらくしたら、頼ってみても良いかもしれません。もちろん、信用金庫ですので金利負担が発生します。

起業に関する資金調達~補助金制度を利用する~

制度融資

民間金融機関が貸し付ける際に、信用保証協会が「信用保証」をつけることで、借り入れやすくなるのが制度融資での資金調達です。行政が支払利息や保証料を一部負担してくれる「利子補給」をしてくれるところもあり、一度検討する価値はあるでしょう。

上限は3,000万円で、金利は2.1〜2.7%程度だといいます。利子補給を受ければもっと金利は下がります。使用用途によって、融資の期限が決まっています。運転資金であれば、7年以内、設備投資の資金であれば、10年以内が目安です。借り入れ上限金額は、事業計画や自己資金などを踏まえて決定します。

この場合、制度融資の場合、創業前でも申し込みが可能なため、立ち上げ直後の資金に当てることもできます。行政が支払利息などを補助してくれますし、相談制度なども利用できるので、経営相談をしたい経営者にもおすすめです。

ただし、申し込みから融資実行までには時間がかかることがあります。1ヶ月はかかりますので、注意して計画を立てましょう。また、支払利息とは別に、保証料の負担も発生します。

公庫融資(日本政策金融公庫)

国民生活事業と中小企業事業がある日本政策金融公庫。国民生活事業の「新創業融資制度」で融資を受けることができます。新規開業資金制度もありますが、実際はこの制度で融資を受けることは難しいため、新創業融資制度を利用するのがおすすめです。上限1,000万円、金利1.25〜3.00%で、原則設備金の場合は15年以内、運転資金ならば5年以内が目安です。

借り入れ上限の金額は事業計画や自己資金などから決定します。こちらも創業前から申し込めるメリットがあり、制度融資に比べると比較的早く、「融資実行」の結論が出ます。

開業資金の全額を融資してくれるわけではないことや、一度返済が遅れるとその後の新規融資に応じてもらえないといった点は注意が必要ですが、きちんとした返済計画や事業計画が提出できていれば、デメリットにはあたらないでしょう。

マル経融資

この融資方法は、商工会議所の推薦で受けられる融資です。1年以上の事業実績が必要ですが、金利も引くため借り換えなどにも有効です。上限金額は2,000万円、金利1.45%で金利が低いのが特徴です。

利息が低く、無担保無保証なのがメリットであり、デメリットである点は、創業後1年の経過が必要という点のみになります。

補助金、助成金

創業補助金は、上限200万円、補助率2/3という経済産業省系の補助金です。創業前、創業後のどちらの場合も申しこめ、補助金なので返済の必要がありません

ただし、常に募集してないこと、3割程度の確率で受けられること、補助金は後払いになるため、実際に支払うための資金は必要であることなど、デメリットも多いのが特徴です。

助成金を得たい場合は、自治体独自の助成金制度をあたってみましょう。産業振興の一環で、助成金制度を設けている自治体があります。

融資の利子を補給してくれるものや、信用保証料を補助してくれる助成金、店舗の家賃補助やホームページ作成費用補助、展示会出店時の費用を補助してくれるものなど、さまざまな補助金制度があります。該当するものがないか、一度起業する地域の自治体に確認してみることをおすすめします。

補助金・助成金をはじめ、各種資金調達については専門家への相談がおすすめです。

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こんな場合は専門家にご相談下さい

・起業の必要書類に記載すべき内容がよくわからない
・事務手続きの手間を削減して本業に集中したい
・事業契約や資金調達、補助金・助成金申請の相談に乗ってほしい
・とにかく節税したい
・決算や申告まで、まとめてお願いしたい
・社会保険事務、給与計算、年末調整等もアウトソースしたい
・クラウドサービスを活用して安価にバックオフィス業務を効率化したい

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