「2週間使い倒す、ツール間連携」急成長企業のCFOが語るシステムの上手な目利きとは?
Corporate Div 藤本 奈央様
エンタープライズ事業部 事業開発責任者 石田 昌様
- 導入サービス
- 経費会計
- 業種
- 製造IT・メディア
- 事業規模
- 法人(11~50名)
「個人のパフォーマンスが高い少数精鋭の組織でありたい」「人が増えても管理が煩雑にならない仕組みを構築したい」との考えからマネーフォワード クラウド経費を導入。システム導入でポリシーとしているのが、提供機能の徹底活用。ルーチン作業を開放し、次世代の管理部門像を常に模索している。今回は、マネーフォワード クラウド経費導入の経緯や効果について話を伺った。
システム導入の成功の鍵は“2週間、飽きるまで使い込む”こと
取締役CFO 川村様:弊社は、2018年6月期にマネーフォワード クラウド経費を導入しました。これまで経費精算が発生する社員は3人ほどだったのですが、それが10人以上に増え、福岡に拠点ができたりと状況が変化し、業務の効率化を考える時期に差し掛かっていた背景がありました。2017年にマネーフォワード クラウド会計を導入しており、システム連携の視点から、マネーフォワードのサービスで統一した方がより業務がスムーズになるだろうと考えました。
また、当時は経理業務を外部に委託していたこともあり、なるべくオンラインで完結させたいと考え、電子帳簿保存法プランを選択しました。業務フローですが、領収書を受領日翌日から3日以内に電子化(受領者入力方式)するのは現場社員の負担が大きいと考え、37日以内の運用(業務処理サイクル方式)を選択しました。領収書は台紙へ糊付けせず、クリッピング止めしたものを提出してもらっています。提出方法が簡便になったためか、営業部門の提出が早くなったと感じています。今後は定期検査を経て原本破棄を予定、運用を調整しながら帳簿の電子化を進めていきたいと考えています。
そもそも我々が業務の効率化に積極的なのは、代表取締役CEO・増木のバックグラウンドによるところが大きいかもしれません。増木は、2012年7月に前身となる株式会社落し物ドットコムを設立しました。設立から約4年間は一人会社で、コーポレート業務もすべて増木だけで回していたので、あらゆる業務を効率化せざるを得なかったそうです。
試行錯誤しながら工夫しどころを見つけてきた増木の経験が、社内風土にも根付いていると感じます。経理業務に関しても、電子化の推進は我々からしても当然のことでした。紙によるアナログ管理もやろうと思えばできますが、もっと効率的な方法はないかと模索した結果、このような決断にいたったわけです。
私が増木から与えられたミッションは「組織がスケールアップしても破綻しないような効率的な仕組みづくり」であるため、入社以来ずっと効率化は意識しています。そのため、効率化につながるシステムやサービスの導入には積極的です。なかでも、とりわけ重視しているのは、全社の業務を見渡したときに「特定の業務での部分最適ではなく、管理部門として全体最適になるか否か」という点。仮に、ひとつの機能がとても優れていて、使い勝手がいいからというだけでは採用はしません。それよりも、複数のシステムが一気通貫でつながるかどうかが大事ですね。例えば、システムごとに個別でデータ設定するのではなく、1つのデータを流用できたほうが効率的ですよね。
特に、管理部門は決算にかける業務のウエイトが大きいので、会計だけではなく人事や経費とシステム連携できることが効率化に欠かせません。その点においては、マネーフォワードで連携の仕組みを構築できているので、とても満足しています。
とはいえ、「自分たちにとってベストな仕組みはどのように構築するべきなのか」というテーマは、頭を悩ませるポイントですよね。ちなみに弊社の場合は「代表の増木が自ら率先してサービスやシステムをお試し期間に使い倒す」ということをしています。
代表がそこまでパワーをかけていいものなのだろうか……という疑問は一旦脇に置いておくとして(笑)、比較検討において価格や条件表を並べて難しく考えるよりは、まずは2週間など期限を決めて飽きるくらい徹底的に使い込んでみることが大事だと思っているんです。PDCAの”D”からはじめるイメージですね。徹底的に使ってみたうえで、自社の業務へ組み込みが難しければ採用を見送ればいいわけです。
このように、業務効率向上に寄与するシステムかどうかを判断する方法として、経験と知見を持っている人が使い込んでみることをおすすめしたいですね。とはいえ、システムは常に進化するもの。一度見送ったとしても、アップデートによってフィットするシステムに変化しているかもしれません。バックオフィス向けのITシステムは急速に発展しているので、次々に追加される新機能は定期的にウォッチするようにしています。
自動化できる作業はシステムに委ね、人間にしかできない仕事をする
Corporate Div 藤本様:私は、2018年9月の入社なので、すでにマネーフォワード クラウド経費が運用されているところからジョインしました。実は、前職は信託銀行に勤務しており、簿記は勉強したものの経理実務は未経験からのスタートでした。
ただ、大手企業だと「この部分だけ担当してください」と経理業務が分割された状態で任されることになりますが、これからのキャリアを考えたときに経理業務をトータルで担える人材になりたいと思い、MAMORIOを選びました。実際、まだ業務の仕組みが固まっていないところもあり、それに対して私が改善の提案をすると川村や税理士の先生が吸い上げてくださるので、とてもやりがいを感じます。
業務の改善についていえば、マネーフォワード クラウド経費は、使いながら「こんな便利な機能があったんだ」と気づくことも多いです。
例えば、備品購入では仮払いをやめ、Amazon等で法人カード(アメックスとオリコ)で支払をしています。エンジニアが試作品の部品購入等をした後、管理部で代理ログインをして申請を処理しています。
また、個人的には「請求書の支払い処理機能」や「銀行振込API」がお勧めです。振込データを手動でアップロードせずに、マネーフォワード クラウド経費の管理画面から数クリックででみずほ銀行への振込依頼ができるので、とても便利だと感じています。金融機関にいた身として、銀行の外部にあるシステムから振込指示を出せる仕組みを構築するなんて、実現難易度を考えると驚きです。
川村様:振込データのエクセル作成は、人それぞれのやり方に依存してしまい、職人技になりがちだと思うんです。そもそも、人間が作成するデータはヒューマンエラーと無縁ではいられません。その意味で、属人的な作業から解放され、自動化できるのはあらゆる意味で価値がありますよね。
さらに、自動化によって時間が浮くことで、人間にしかできない経理の仕事を突き詰めることができます。もちろんエクセルのスキルを高めるのもひとつの方向性としてありだと思いますが、総務や労務・人事・IPOの準備など、さまざまな分野で人間同士のリレーションが不可欠な仕事は必ずあります。突き詰め方はいろいろありますが、他分野のスキルを伸ばすことを視野に入れてもいいと思うんです。だからこそ藤本には、システムに移行できる作業はいち早く手放して、経理業務の枠に捕らわれずに、管理部門の業務全体を経験してもらい、「人が必要な部分で必要とされる価値ある人」を目指してほしいなと思います。
業務の無駄を省き、営業の価値を高めることにフォーカスしたい
エンタープライズ事業部 事業開発責任者 石田様:弊社は営業メンバーの数が少ないので、お客様からの問い合わせに対する一人あたりの稼働数が多く、会社に戻れない日も多いです。申請件数にするとだいたい毎月1人40~50件ぐらいでしょうか。エクセルのアナログ管理だと会社のパソコンから紙に出力して上長に確認を取らないといけないので、時間的にも工数的にも負担があります。その点マネーフォワード クラウド経費を導入してからは、スマートフォンから簡単に経費申請や承認ができるのでとても助かっています。
移動の隙間時間を活用できるので、申請も手間がかからず、だからこそ期日までにスムーズに申請しようと思えるのか、営業メンバーも割と早めに精算していますね。
また、モバイルSuicaと自動連携できる点もマネーフォワード クラウド経費のいいところです。紙で管理していると、乗換案内サービスで経路や運賃を調べ直して、経路と金額をエクセルに記載する手間が発生するものです。しかしマネーフォワード クラウド経費なら、乗降駅や金額のデータがモバイルSuicaから自動で取り込まれるので調べ直す手間も省けます。他にもJapanTaxiとの自動連携も活用しており、乗降場所や日付、金額に加え、電子領収書も取り込まれるため、紙の領収書が不要となります。領収書のペーパーレス化という点においても先進的なサービスだなと感じます。
弊社は、創業間もないスタートアップなので人に余裕がない分、無駄を減らすことにこだわりを持っているメンバーが多いです。もし、人を増やせる余力があったとしても、安易に増やすのではなく、一人ひとりのパフォーマンスを高めるべきだと思っています。
「フィールドセールスの価値ってなんだろう」、ひいては「自分の価値ってなんだろう」を自分に問い、価値を高めることにフォーカスしないと取り残される時代。事業開発責任者としても、無駄を省き、営業に集中できる環境をつくっていきたいと思っています。
今回の導入サービス
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