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仮払消費税の計上とは?仕訳方法を理解しよう

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仮払消費税は、「税抜処理方式」を採用している課税事業者が用いる勘定科目です。

日々の取引の中には、仮払消費税の計上が必要になる場合とならない場合とがあります。その詳細や仕訳方法について解説します。

仮払消費税はどのような場合に計上する?

基準期間における課税売上高が1000万円超となった場合、消費税及び地方消費税を納めなくてはならない課税事業者となります。

課税事業者はそれぞれの取引において、消費税等がかかるものかどうかを判断し、経理処理をします。

経理処理の方式は、税抜処理方式と税込処理方式から選ぶことができます。

税抜処理方式と税込処理方式

税抜処理方式とは、本体価格と消費税等とを分けて計上する方式です。

仕入時などに支払った消費税等は「仮払消費税」として計上し、売上時などに預かった消費税等を「仮受消費税」として計上します。

一方で税込処理方式とは、本体価格と消費税等とを区別せずに総額で計上する方式です。受け取ったり支払ったりした金額を、そのまま計上します。

税抜処理方式に比べて手間を省くことができますが、消費税等の納税処理をするまで利益が多くなっていることをしっかりと理解しておきましょう。

非課税取引や不課税取引について

取引の中には、消費税等が課されない「非課税取引」や「不課税取引」があります。

非課税取引とは、事業者が国内で事業として行い対価を得る資産譲渡等でも、課税対象になじまないなどの理由から課税されない取引のことです。

非課税取引には、主に次のようなものがあります。

主な非課税取引非該当事項
1土地の譲渡及び貸付け1か月未満の土地の貸付け及び駐車場などの施設の利用に伴って土地が使用される場合は非該当
2有価証券等の譲渡株式・出資・預託の形態によるゴルフ会員権などの譲渡は非該当
3支払手段の譲渡収集品として譲渡する場合は非該当
4預貯金の利子及び保険料を対価とする役務の提供等
5日本郵便株式会社などが行う郵便切手類の譲渡、印紙の売渡し場所における印紙の譲渡及び地方公共団体などが行う証紙の譲渡
6商品券、プリペイドカードなどの物品切手等の譲渡
7国等が行う一定の事務に係る役務の提供
8外国為替業務に係る役務の提供
9社会保険医療の給付等美容整形や差額ベッドの料金及び市販されている医薬品を購入した場合は非該当
10介護保険サービスの提供サービス利用者の選択による特別な居室の提供や送迎などの対価は非該当
11社会福祉事業等によるサービスの提供
12医師、助産師などの助産に関するサービスの提供
13火葬料や埋葬料を対価とする役務の提供
14一定の身体障害者用物品の譲渡や貸付け
15学校教育
16教科用図書の譲渡
17住宅の貸付け1か月未満の貸付けなどは非該当

(出典:非課税となる取引|国税庁

一方で不課税取引とは、そもそも事業者が国内で事業として行い対価を得る資産譲渡等ではない取引のことです。

具体例としては、雇用契約に基づき労働の対価として支払われる給与・賃金や、寄付金や見舞金、保険料や共済金などが挙げられます。

仮払消費税の仕訳方法

課税事業者が税抜処理方式を採用している場合、非課税取引や不課税取引を除いて取引ごとに消費税等に関わる仕訳を行います。

仕入時には、支払った消費税等を仮払消費税として計上します。

売上時には、預かった消費税等を仮受消費税として計上します。

そして課税期間中に積み上げた仮払消費税と仮受消費税を相殺し、納税や還付請求を行うのです。

それぞれのケースの仕訳方法を確認していきましょう。

仕入時の仮払消費税の計上

仕入時には、本体価格とその8%の消費税等(消費税6.3%と地方消費税1.7%)を支払っています。

仕訳で消費税等に当たる金額は、「仮払消費税」の勘定科目で計上します。

仮払消費税は、原則1年以内に回収が可能な資産の流動資産に区分されています。

そのため仕入と共に借方に記帳し、その分の現金を減少させるのです。

借方勘定科目借方金額 貸方勘定科目貸方金額
仕入1,000,000現金1,080,000
仮払消費税80,000

売上時の仮受消費税の計上

売上時には、8%の消費税等を含む金額を受取っています。

仕訳で消費税等に当たる金額は、「仮受消費税」の勘定科目で計上します。

仮受消費税は、1年以内に支払いや給付等の期限が到来する流動負債に区分されています。

そのため売上と共に貸方に記帳し、その分の現金を増加させるのです。

借方勘定科目借方金額 貸方勘定科目貸方金額
現金2,160,000売上2,000,000
仮受消費税160,000

納付税額の算出と差額の処理

税抜処理方式の決算時仕訳では、課税期間中に積み上げた仮払消費税と仮受消費税を相殺します。

相殺時に仮受消費税の残高のほうが多い場合には消費税等を納税し、仮払消費税の残高のほうが多い場合には払いすぎた消費税等を戻してもらうよう還付請求をします。

しかし実際の納付税額や還付税額は消費税等の申告書に基づいて算定されるため、相殺時の差額とは一致しません。

そのため納付税額を未払消費税、還付税額を未収消費税として計上し、相殺時との差額を「雑収入」や「雑損失」として処理するのです。

●仮受消費税が多い場合

借方勘定科目借方金額 貸方勘定科目貸方金額
仮受消費税1,200,000仮払消費税1,100,000
未払消費税99,000
雑収入1,000

また実際に納税する際の仕訳は、未払消費税と現金を共に減少させます。

借方勘定科目借方金額 貸方勘定科目貸方金額
未払消費税99,000現金99,000

一方で還付金を受け取った際には、未収消費税を減少させて現金を増加させます。

借方勘定科目借方金額 貸方勘定科目貸方金額
現金99,000未収消費税99,000

●仮払消費税が多い場合

借方勘定科目借方金額 貸方勘定科目貸方金額
仮受消費税1,100,000仮払消費税1,200,000
未収消費税99,000
雑損失1,000

まとめ

課税事業者は、経理処理方式を税抜処理方式と税込処理方式から選ぶことができます。税抜処理方式を選んだ場合、非課税取引や不課税取引を除き、仮払消費税や仮受消費税などの勘定科目を用いて消費税等を計上する必要があります。

仮払消費税や仮受消費税は決算時仕訳で相殺し、未払消費税や未収消費税を計上するのです。また実際の納付税額や還付税額との差額は、雑収入や雑損失として処理します。

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