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謄本と抄本の違いとは?具体例を挙げて丁寧に解説

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戸籍関連の書類や登記関連の書類を役所に請求するときに目にする「謄本(とうほん)」「抄本(しょうほん)」という文字。2つの言葉の意味だけでなく、書類にどのような違いがあるかご存知でしょうか。

ここではこの2つの違いを明らかにするとともに、戸籍・登記それぞれの場面で登場する謄本と抄本について紹介します。

「謄本」と「抄本」の言葉の意味

まずは言葉としての「謄本」と「抄本」の違いについて理解しておきましょう。謄本とは写本、すなわち手書きで書きうつした本のことを指します。また元となる本の内容を全て丸ごと書きうつして作った文書のことも、謄本と言います。

これに対して抄本とは元となる本の内容を抜き書きして作った本や文書のことを指します。つまり謄本と抄本の言葉上の違いは、全て丸ごと書きうつしたのか、一部だけ書きうつしたのかという点にあるのです。

また、謄本の「謄」という漢字には「原本通りに書きうつす」という意味があり、抄本の「抄」には「さっと表面をすくいとる」「書物の字面をうつしとる」という意味の他に「ぬきがき」という意味もあります。漢字の意味を覚えておけばどちらが全部を書きうつしたものなのか、一部を抜き書きしたものなのかを迷うことはありません。

「戸籍謄本」と「戸籍抄本」

より具体的に謄本と抄本の違いを理解するために、戸籍謄本と戸籍抄本の違いを知っておきましょう。

戸籍謄本

(戸籍謄本|東京都北区ホームページ)

こちらは東京都北区の戸籍謄本の見本です。

北区では戸籍謄本と呼ばずに「戸籍全部事項証明書」と呼びます。その名の通り戸籍に関する全ての項目を、市区町村が保存している原本から書きうつしたものです。

本籍・氏名以外に、本人の戸籍情報と妻(花子)の戸籍情報も記載されています。仮に2人に子供が生まれれば、その子供の戸籍情報もこの書類に記載されます。

戸籍抄本

(戸籍抄本|東京都北区ホームページ)

こちらが東京都北区の戸籍抄本の見本です。北区では「戸籍個人事項証明書」と呼びます。本人以外の戸籍情報も記載されていた戸籍謄本と違い、こちらは本人の戸籍情報のみが記載されています。

また法改正などで戸籍の書式や様式が変更になった場合、当局はこれに合った書式・様式にするために書き換えを行います。これを戸籍の「改製」と呼びます。これが戸籍謄本と戸籍抄本の見本の2段目に記載されていた「戸籍改製」です。

そしてそれより前の古い様式の戸籍を「改製原戸籍」と呼びます。改製以前に死亡、婚姻、離婚などによって戸籍から外れた人や、認知したり養子にした人の場合、その戸籍情報は改製原戸籍にのみ残ります。

そのため改製以前に戸籍に入っていた事実や、認知したり養子にした事実を証明するには改製原戸籍を請求しなくてはなりません。なお、改製原戸籍にも改製原戸籍謄本と改製原戸籍抄本があります。

「登記事項証明書」と「登記簿謄本」と「登記簿抄本」

3つの書類の違いとは?

登記簿にも謄本と抄本があり、それぞれ「登記簿謄本」「登記簿抄本」と呼ばれます。戸籍謄本と戸籍抄本と同じように、登記簿謄本が登記簿の全ての項目を記載した書類で、登記簿抄本が登記簿の一部の情報のみを記載した書類です。

これらの書類が紙ベースで保管された登記簿の情報をもとにしているのに対し、登記事項証明書はコンピュータ・システムに記録されている登記簿の全部または一部を証明した書面のことです。

現在全ての登記所がコンピュータ化されているため、利用するのは主に登記事項証明書になります。登記簿謄本と登記簿抄本は例外的にコンピュータ管理されていない登記簿についてのみ交付されます。

不動産登記簿の登記事項証明書

登記簿には「不動産登記簿」と「会社登記簿」の2種類があります。このうち不動産登記簿についての登記事項証明書には全部で3種類あります。

1.全部事項証明書
→不動産登記簿における謄本に相当する書類です。登記簿に記録されている権利変動等の履歴を全て確認することができます。

2.現在事項証明書
→書類を請求した時点で法的効力のある事項だけが記載されます。

3.閉鎖事項証明書
→コンピュータ化後に閉鎖した登記簿に記録されている事項を記載した書類です。

会社登記簿の登記事項証明書

会社登記簿についての登記事項証明書には全部で4種類あります。

1.現在事項証明書
→書類を請求した時点で法的効力のある事項や、会社の成立年月日などが記載される書類です。

2.履歴事項証明書
→コンピュータ化前の会社登記簿謄本に相当する書類です。現在事項証明書の内容に加えて、請求の日の年の3年前の1月1日から請求の日までの間の抹消履歴が記載されます。

3.閉鎖事項証明書
→コンピュータ化後に閉鎖した登記簿に記録されている事項を記載した書類です。

4.代表者事項証明書
→資格証明書として利用できる書類です。会社代表者に関する事項のうち、書類を請求した時点で法的効力のある事項だけが記載されます。

まとめ

「謄本」「抄本」は公的な書類の名前ではなく、それ自体は「本の全部のうつし」「本の一部のうつし」という意味の言葉です。そこに「戸籍」や「登記簿」などがつくと公的な書類となります。

ただし登記簿謄本・登記簿抄本は現在あまり利用する機会はなく、「登記事項証明書」という名前で利用されています。これらの書類を請求する時は、自分に必要な情報がどのようなものなのかをきちんと把握して、間違いのないように請求するようにしましょう。

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