フリーランスとして独立すべきかどうか迷っている方へ「週末フリーランス」のススメ

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いつかはフリーランスとして独立したい、でもいきなりの独立はリスクが高すぎるように思えて踏み切れない…という方もいるのではないかと思います。

転職活動において、ベテランのキャリアアドバイザーは「会社をやめてから転職活動をすると収入のないことが徐々に怖くなり、安易に妥協してしまう傾向があるので、会社をやめてから転職活動をするのは良くない」とアドバイスする方も多いでしょう。

それと同様、フリーランスもいきなりの独立ではなく、まずは週末だけフリーランスとして仕事を行い、独立した時のシミュレーションをしておくことは、決して悪い選択ではないと思います。

これは、「焦って、あまり良くない仕事を取りに行く」⇒「労働時間が長い割には、収入が少ない」⇒「ますます焦る」という良くない循環を断つために、あるいは、自分自身がどの程度フリーランスになりたいのか、あるいはフリーランスに向いているのかを判断する良い材料ともなるでしょう。

では、どうすれば週末フリーランスとなれるのでしょう。今回は週末フリーランスの始め方について、書いてみたいと思います。

週末フリーランスを始める 〜準備編〜

勤め先の就業規則を確認する

副業を禁止することは、法律上はできません。ですが、会社側としては従業員の副業を「リスク」ととらえる場合もあります。

例えば、「勝手に会社の顧客にアプローチする」「会社のブランドを失墜させるような商売をする」などの行為は、会社としては大きなリスクです。

そのため、会社は副業について就業規則に「禁止」あるいは「会社の許可を得る必要がある」と明記しているケースが多いでしょう

したがって、「禁止」と書いている会社では交渉が必要(今の給与だとローンの返済や教育費で苦しいなど)または許可が必要という会社においては誓約書などの提出もあるかもしれません。

ですが、とにかく許可をもらうことをしておかないと、後で会社とトラブルに発展する可能性があります。

お金の管理方法を決める

副業であっても、お金の管理はきちんと行う必要があります。とくに将来フリーランスとして独立するのであれば、経理との戦いはいずれやってきます。そして

ここで「簡易簿記」か「複式簿記」いずれかを選択をしなければなりません。ここは、大変かもしれませんが、複式簿記を覚えるつもりで「複式簿記」を選択することをお薦めします。

複式簿記のほうが税制面での優遇が大きいこともお薦めの理由としてありますが、何より会社に発展させていくためには最終的に必ず複式簿記にする必要があります。

また、難しいと行っても最近ではクラウド上の会計ソフトが大変優れており、家計簿を扱うように複式簿記を扱うことができるからです。

「週末フリーランス」は、時間に追われずゆっくり複式簿記を学ぶことができますから、独立の準備期間に憶えてしまいましょう。

開業届、青色申告などの事務手続き

副業はお金を稼ぐ行為なので、税金ときちんと付き合っていく必要があります。もちろん、毎年の確定申告も必要です。ですから「税務署」をうまく利用し、税務署から適切な情報を引き出すことに慣れておく必要があります。

税理士さんに相談するのも良いですが、まずは「週末フリーランス」であれば、税務署に開業届を出しに行ってみましょう。税務署の人は書き方についても丁寧に教えてくれます。怖がることはありません。

開業届を出したら、一緒に青色申告承認申請書も書いてしまいましょう。税金面でかなり優遇されます。税務署の方が親切であれば、こちらの申請書も「もう出しましたか?」と聞いてくれることもあります。

週末フリーランスを始める 〜実践編〜

まずは習うより慣れろ。仕事をして仕事を覚える。

フリーランスとなると、自分でなにからなにまでやらなくてはいけません。雑用をやってくれた部下も居ません。実務手続きを完璧に行ってくれていた派遣社員もいません。したがって、すべての仕事は自分でやってみながら憶えるしかありません。

仕事は大きく分けて、以下の5つあります。

・マーケティング
・営業提案
・制作
・納品
・請求回収

これらの一連の仕事をひと通りやってみて、「仕事を回す」という感覚を肌で覚えます。以下のことを意識して、取り組んで下さい。

マーケティング(狭義)・・・引き合いをもらうための活動
営業提案・・・顧客から仕事を依頼され、契約するための活動
制作・・・製品やサービスを提供する活動
納品・・・顧客に製品やサービスを納め、検収してもらう活動
請求回収・・・帳簿に記録し、報酬をもらう活動

まずはマーケティング

上に書いた中で、一番難しいのがマーケティング活動です。フリーランスを志すほとんどの方は「制作、納品」は得意ですが、マーケティングや営業は苦手でしょう。

したがって多くの方は、マーケティング活動にそこまで時間を割かず、知り合いから仕事をもらいながら食いつなぐ、という形がメインだと思いますが、いずれ知り合いからの仕事は減ります。

よって、「自分の知名度を上げる」という活動に多くの時間を最初からつかうべきです。

クラウドソーシングに登録し、知らない方との人脈を築いたり、ある程度の実績がたまったら、自分のブログかホームページを持ったりすることもお勧めです。フリーランスは、とにかく情報発信をどれだけできるかが命です。

顧客から依頼されたら、契約書を取り交わすこと

契約書の取り交わしは、フリーランスにとってとても大事な活動の一つです。フリーランスはどうしても立場が弱いため、相手の支払いが遅かったり、後から値引きを要求されたりと、何かとお金にまつわるトラブルが多いです。

しっかり契約書を取り交わし、リスクについて確認するとともに、支払いの条件、契約の範囲、検収の方法については特に念入りに決めましょう。

納品から回収

サラリーマンであれば、会社に在籍して仕事をしているだけできちんと給与が口座に振り込まれます。

でも、フリーランスはちがいます。「納品」して顧客に仕事の質についての査定を受け、「請求」をきちんと行い、「回収」の確認を行わなければ、お金がきちんと振り込まれなくてもあなたが悪いことになるのです。

きちんと現金と売掛金の照合をする癖をつけるため、月に1回は請求書作成ソフトや経理ソフトと銀行の通帳を比較し、売掛金の消し込みを確実に行う癖をつけます。

まとめ

いわゆる「製品」や「サービス」を顧客に提供するだけではなく、フリーランスとして独立すると様々な事務処理や経理処理が発生します。

また、契約内容のチェックなど、リスク管理についても必要となります。これらを独立した後に一気に覚えようとしても、かなり大変であることは想像に難くないでしょう。

一種のフィージビリティスタディと思って、「週末フリーランス」を初めてみてはいかがでしょうか。

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