世の中には、フリーランスは時間にも場所にも縛られない、という誤解がある。

読了まで約 4

フリーランスは時間と場所に縛られない、そんなふうに考えている方もいるかもしれません。

でも、果たして本当にそうなのでしょうか。

個人的には、周りのフリーランスの方々を見ると、そうは思えません。確かに定時に出社して、定時に退社する、という一般的な会社員のスタイルとは異なりますが、時間と場所に関してはそれなりの制約があるように見受けられます。

今回は、フリーランスの時間的、場所的な制約について、実態を書いてみたいと思います。

フリーランスの場所的・時間的制約の事例

例えば、以下の状態があります。

顧客から急ぎの案件をお願いされた

多少急ぎだろうとなんだろうと、お世話になっている顧客の依頼を断る、という選択はありません。
結果的に休日返上で無理を聞くことになります。

サラリーマンの時よりも遥かに忙しいかも…。

顧客先へ常駐するように依頼された

複数人でプロジェクトを組んで仕事をする場合、顧客先に常駐するように言われるケースは多いです。また、機密保持の観点から、作業成果物を外部に持ち出し禁止、というケースもよく有ります。

常駐ともなれば基本的にサラリーマンの時と同様に会社の出社時間に合わせて行動することになります。

長期の休みが取れない

「いいねえ、フリーランスはいつでも休みがとれて」という方がいますが、とんでもありません。むしろサラリーマンの時よりも休みは取りづらくなります。

というのも、複数の顧客を抱えていると、一斉に休みをとってくれないため、「お盆中だけど、僕は出社してるから大丈夫」とか、「あ、今年のシルバーウィークは休まないから」など、次々に仕事をねじ込まれます。

「ここは休業です」とフリーランスは言いにくいため、長期の休暇はとても取りづらい状態になります。

怖くて休めない

自分が休暇をとっている間、メールにも電話にも代わりに出てくれる人はいません。休みなのだから当然なのですが、「連絡が取れない」ことを必要以上に怖がる人もたくさんいます。

顧客からの連絡が怖くて休めないフリーランスの方はたくさんいます。

人を使うとき

自分一人だけではこなせない、という時に別のフリーランス、もしくはアルバイトを雇ったりすることがあります。

しかし、彼らの作業品質の管理はあなたがやらなくてはなりません。そのため、雇った人の実力がわからないうちは「自分と一緒に」働いてもらうことがよくあります。

すると、「場所、時間の制約」が生まれ、結局会社のようになっていきます。

少しでも場所的・時間的制約を解消するために

せっかく場所、時間の自由に憧れてフリーランスになったのに、これでは本末転倒です。それではどうすればいいのでしょうか。

幾つかの工夫が必要です。

1.仕事を断れるようにする

仕事を断れる条件は、「引き合いが継続的にあること」に尽きます。「次はないかもしれない」という恐怖が、無理な仕事を引き受けてしまうことにつながります。

引き合いをwebなどから継続的にもらうためにマーケティングを着実に行いましょう。

2.常駐は仕事の安定のためにあったほうが良いが、2件、3件に留める。

常駐案件は安定的で良いのですが、増やしすぎると、サラリーマンと何ら変わりない働き方になります。

常駐は2、3件にとどめ、どこでも出来る仕事を増やしましょう。

3.休みは決断。8月にまとめて休みを取るならば、7月に根回ししておく。

休みは宣言したもの勝ちです。休暇は1カ月前には顧客に伝え、前の月に誠意を尽くして仕事をしておきましょう。そうすれば逆にお客さんも休暇に協力的になってくれるはずです。

4.生産性の向上、アイデアの醸成のための休みを積極的に取る

休暇をとるのが怖い、というのは錯覚です。あなたが1週間休んだところで、仕事がなくなることはありません。また、休暇を含めたリフレッシュは、仕事のクオリティを高めます。

したがって、「休みをきちんと取る」ことも、仕事の一環だと思えば、抵抗は少なくなるのではないでしょうか。

5.人をつかうときは作業指示と、品質基準をしっかり定めておく

人を見張ることによって使おうとするのは大変手間がかかり、また効率が悪い仕事になります。

それを解消するためには「作業指示」をきちんと明文化し、成果物の「品質基準」をしっかりと共有化しておくことが重要です。そうすれば、いちいちあなたが見張らずともきちんとしたものが上がってくる可能性は高くなるでしょう。

まとめ

フリーランスになるだけでは、時間的自由や場所の自由は手にはいりません。ただフリーランスは裁量を持っていますので、工夫次第ではそう言った自由を得ることができるでしょう。

「フリーランスは自由でいいよね」という何気ない一言に「そうだね」と笑って返せるように努力しなければ、と私は思います。

※掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談していただくなど、ご自身の判断でご利用ください。