この依頼はどっち?具体例でわかる税理士と公認会計士の違い【5つの質問付き】

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街中でよく「◯◯会計事務所」「◯◯税理士事務所」「◯◯公認会計士事務所」といった看板を目にしたことがありませんか?

税理士公認会計士は普段の生活であまり関わることがないため、それぞれの事務所が何をしてくれるところなのか、わからない方も多いのではないでしょうか?

今回は、そんな税理士と公認会計士の違いについて、また依頼内容に応じてどちらに相談すべきかといった点を中心に解説していきます。

税理士と公認会計士の違い

それぞれの資格取得の難易度は?

まず、税理士も公認会計士も難関国家資格の一つに数えられていることに違いはありません。

そしてどちらの難易度が高いのか?という疑問を持たれる方がいらっしゃいますが、どちらも簡単ではなく、優劣を決めることはできません。

それは以下のように、それぞれの試験制度が大きく異なっているためですが、いずれの試験も合格率は10%強。勉強している人のうち10%程度ですから、相当高い難易度の資格であるといえます。

税理士になるには?

勉強期間:どんなに早い人でも最低2年から5年は勉強の時間が必要でしょう。

試験の特徴:科目合格制を採用。簿記論、財務諸表論の会計2科目が必須で、これら2科目に加えて、法人税法、所得税法、相続税法、消費税法、酒税法、国税徴収法、住民税、事業税、固定資産税から3科目を選択し受験します(ただし、法人税法又は所得税法から1科目選択し、消費税法・酒税法はどちらか1科目、住民税・事業税もどちらか1科目しか選択できません)。

会計2科目と税法3科目のあわせて5科目の合格を手にした時点で、初めて税理士試験合格となります。

受験者は、年に1回行われる試験で、1科目受験することも5科目受験することもでき、それぞれの科目は個別に合格判定がなされます。

科目合格制が採用されているが故に、個々の科目の受験生のレベルが高くなり(何年も、ある1科目だけ勉強してきたりする受験生がいるため)、合格までに長い年月を要するという側面もあります。

ただ、1度合格した科目は取り消されることはないため、1科目でも合格できれば、それは履歴書等に記載できる立派な武器となります。

公認会計士になるには?

勉強期間:早い人であれば1年半程度で合格する方もいらっしゃいます。

試験の特徴:短答式試験と呼ばれるマークシート形式の択一試験と、論文式試験と呼ばれる記述式の試験の2段構えとなります。

短答式試験の合格者のみが論文式試験を受験することができます。

試験科目は、短答式試験が財務会計論(簿記・財務諸表論)、管理会計論、監査論、企業法の4科目で、論文式試験が会計学(財務会計論・管理会計論)、監査論、企業法、租税法、選択科目(経営学他から1科目選択)の5科目です。

論文式試験においては、一部科目合格制度があるものの、5科目を同時受験しての一括合格が基本のため、個々の科目の競争率は相対的に税理士試験より低くなりますが、5科目を同時に勉強しないといけないという試験範囲の膨大さが税理士試験と異なる難しさを生み出しています。

税理士と公認会計士の業務範囲の違い

税理士の業務範囲

実際の税理士の業務ですが、なんといっても下記3つの独占業務につきます。

1. 税務代理(納税者に代わって税務申告ができる)
2. 税務書類の作成(納税者に代わって税務書類を作成、提出できる)
3. 税務相談(税務に関する相談を受けることができる)

年明けから3月にかけて、個人で事業をしている親族や友人が税理士に相談しているのを話だけでも聞いたことがないでしょうか?

これは、毎年、個人事業主は、3月中旬までに確定申告をしなければならず、その相談や確定申告書類の作成を税理士にお願いしているのです。つまり、税理士は個人事業主の確定申告を行うことができます。

また、株式会社などの法人の確定申告を行うこともできます。

もちろん、個人事業主であっても法人であっても、本人または代表者自らが確定申告を行えばいいのですが、税法の複雑さゆえ、税理士に対して、確定申告書類の作成などを依頼するケースが少なくありません。

公認会計士の業務範囲

公認会計士の主な業務は、下記の2つとなります。

1. 監査証明業務
2. 財務書類の調製や相談業務

その中でも特に「1. 監査証明業務」は、公認会計士の独占業務とされており、公認会計士の大多数が従事しています。

なお、「監査証明業務」とは、企業が作成した決算書(貸借対照表や損益計算書等)が適切に作成されているかをチェックし、問題がないかどうかについて、監査報告書を発行して、監査意見を表明する業務です。

企業が公認会計士に監査報告書の発行を求めるのには、様々な理由があります。

上場企業や一部の大企業であれば、上場を維持するため、また、新たに資金調達をするために、決算書を作成し監査をうける必要があります。中小企業であっても、融資を受ける際、公認会計士がチェックした決算書を監査報告書とあわせて銀行に提出すれば、決算書に対する信頼度が高まります。

なお、金融商品取引法や会社法の規定で、一定規模以上の会社は、公認会計士の監査を受けることが義務づけられています。

この依頼はどちらに頼めば良いの?

Photo by kev-shine

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さて、税理士と公認会計士の違いがわかったところで、具体的な業務について、税理士と公認会計士のどちらに依頼をすればいいのか、迷いがちな依頼内容を5個ピックアップしてご紹介したいと思います。

1. 税務相談(節税含む)

税務相談は、「税理士の業務範囲」で述べたように、税理士の独占業務に該当するため、税理士にしかできない業務です。そのため「◯◯税理士事務所」を探すのが良いといえます。

しかし、公認会計士は、一定の要件を満たすことで税理士登録をすることもできます。

ただ、形式的な要件を満たして税理士登録の公認会計士では、アドバイスが十分にできるとは限りません。しかし、公認会計士のなかには、兼税理士として税務業務の経験を積んだ人もいますので、そのような場合には、「◯◯公認会計士事務所」でも十分対応することは可能です。

2.経営相談

どちらに相談しても大丈夫です。税理士も会計士も数多くの会社を見てきた会計のプロですから問題ありません。

3.記帳代行

個人事業主の方で「経理は全部お任せしたい」という方がよくいらっしゃいます。結論はどちらでも構いません。ただし、日々の記帳には消費税等の税務に関する知識が不可欠なので、税務業務の経験を積んだかたにお願いするのが確実といえます。

4.M&Aやデューデリジェンス(※)に関する相談

M&Aの際に必要となる企業価値評価や、財務デューデリジェンスは、会計士が得意とする分野です。

しかし、M&Aに際しては、必ず税務の観点からスキームに問題がないか、税務上の取り扱いがどうなるかを検討しなければ、思わぬ落とし穴にはまることになります。

このように税務に関する視点も必要なため、税理士を交えたコミュニケーションも必要です。

デューデリジェンスとはM&Aを行う際に、買収対象となる企業や事業の価値、およびリスクを調査、分析することを指します。

5.国際会計基準(IFRS)や日本の会計基準に関する相談

一部の大企業では、国際会計基準(IFRS)の導入も進んでいます。日本の税務では、日本の会計基準に基づいて作成された決算書をベースに税金を計算します。

つまり、国際会計基準(IFRS)は税務とは切り離されているので、会計士に相談しましょう。日本の会計基準に関しては、税理士、会計士どちらに相談しても大丈夫といえます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?普段の生活からは、馴染みの薄い税理士や会計士の業務ついて、その役割の違いを少しでも理解して頂けたでしょうか?

まとめると、税理士も公認会計士もそれぞれ、税務相談は税理士、監査証明業務は公認会計士といったように、それぞれの資格ごとの独占業務をもっています。

独占業務以外の業務に関しては、税理士でも公認会計士でも対応できることが多いですが、これまでの業務経験などからくる得意、不得意があるので、過去の経験などを確認すると良いでしょう。

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監修:加地 延行 (公認会計士 / 税理士)

税理士法人ゆびすい
ゆびすいグループは、国内8拠点に7法人を展開し、税理士・公認会計士・司法書士・社会保険労務士・中小企業診断士など約250名を擁する専門家集団です。
創業は70年を超え、税務・会計はもちろんのこと経営コンサルティングや法務、労務、ITにいたるまで、多岐にわたる事業を展開し今では4500件を超えるお客様と関与させて頂いております。
「顧問先さまと共に繁栄するゆびすいグループ」をモットーとして、お客さまの繁栄があってこそ、ゆびすいの繁栄があることを肝に銘じお客さまのために最善を尽くします。
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