オフィス移転のエキスパートに聞く、スタートアップのオフィス最新事情(クリアビジョン関口氏インタビュー)

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物件探しから移転、改装に至るまで、何かと悩みが尽きないのがオフィス環境に関する問題。

特に変化の激しいスタートアップ企業では、急激な人員の増加に伴いオフィスの移転に迫られる事例が多くみられます。

そこで今回は、スタートアップに特化して、オフィス移転のお手伝いをされている株式会社クリアビジョンの関口さんに、最新のオフィス移転事情についてお話を伺いました。

顧客間でオフィスの移転が行われることも

株式会社クリアビジョン関口氏

株式会社クリアビジョン関口氏

-法人向けの不動産仲介会社が提供するサービスの内容とは、どういったものがありますか?

基本的なサービスとしては、オフィスの選定から条件交渉、契約書内容の調整等、お客様のご移転がスムーズに進むようお手伝いをさせて頂いております。

弊社では物件選定過程で候補物件のサンプルレイアウトや移転コストシュミレーションの作成、場合によっては、弊社のお客様の移転した事務所にお伺いし、実際の広さや使い方を見て頂きイメージをつかめるようなサポート等を行っております。

最近の事例では、タイミングが合えば弊社のお客様同士間でのオフィス移転事例等も増えてきており、居抜きでおしゃれなオフィスに入りたいというお客様から大変喜ばれております。

料金については、成約報酬で行っている企業が多くお客様より頂く金額は無料~賃料の1ヶ月分まで様々ございます。

弊社では、お客様のご満足度に応じて手数料を決めて頂くシステムを採用しております。

スタートアップに根強い人気を誇る「渋谷」

-スタートアップに人気のエリアはどの地域でしょうか?

渋谷はやはり人気が高いです。その理由としては、スタートアップ関連のネットワークが充実しているという点が挙げられます。その他では六本木、恵比寿、青山も人気のエリアです。

予算上、それらのエリアでは難しいという場合は、

渋谷・恵比寿・青山

代々木・新宿

五反田・田町等

という順に山手線沿線でエリアを広げていく傾向にあります。

創業期は安さ重視。大型調達で一気にグレードアップ?

-法人オフィスの賃料に関して、最近の相場感はいかがでしょうか。

物件の賃料相場に関しては、リーマンショック後一時は9%近くあった空室率がアベノミクス以降、現在は6%を切るくらいまで下がり、それに伴って賃料は軒並み上昇傾向で推移しております。

-スタートアップの皆さんの相場感についてはいかがでしょうか。

お客様の求める物件相場は、会社のステージによって異なります。ただ、やはり創業期はビルグレードより、できる限り賃料を安く抑えたいという要望が多いです。

その後、会社のカルチャーや成長スピードによって、選ぶ物件は変わってくるかと思います。ただ我々のお客様は、1億円規模調達されても固定費は安く押さえ、逆に3億以上の大型調達をしてくると、徐々に採用力を上げるためグレードの良いビルへの移転や、内装で多少こだわりを加えるという傾向がありますね。

移転完了まで6ヶ月以上かかる場合も!

-スケジュール感の目安としては、依頼から移転完了までにどの程度の期間を見ておけば良いのでしょうか?

10坪前後は1~2ヶ月、30坪前後は3ヶ月、50坪前後は3~6ヶ月、100坪以上だと6ヶ月以上かかります。解約期間などもあるため、坪数に応じてスケジュール感は異なりますが、基本的な流れについては全て同じです。

1.依頼

2.ヒアリング・ご提案

3.内覧

4.物件申込

5.審査・契約書文言調整

6.ご契約

7.引渡

8.内装工事

9.事務所オープン

オフィスを移転するためには、まず現在入居している物件のオーナー様に対して契約を解除するという意思表示を行う必要があります。これを解約予告といい、実際に解約に至るまでに要する期間を予告期間といいます。

契約内容にもよりますが、一般的には坪数が大きくなるにつれて、この解約予告期間も6ヶ月以上と長期化に及ぶ傾向にあります。

そのため、検討物件の坪数が大きくなる場合は、物件探しを早いうちから進め、希望物件の解約が出た時点ですぐに決断ができるよう備えることが大切です。

現在のマーケットの動向を見る限り、特に渋谷の場合では空室率が4%以下と非常に低くなっており、人気物件が出たら同時に複数の申込書が入るという例が多々みられます。

基本の資料に加え、時にはメディアへの掲載記事も必要に

-移転の際に必要となる書類は何がありますか?

必ずご用意頂きたい書類はこちらです。

・会社概要やサービス説明書類
・決算書(3期分)
・今期試算表
・代表者の身分証明書

その他の書類としては、貸主の中にはインターネット事業に対してより親近感を抱いて頂く為に、メディアへ掲載された記事等をご用意頂いております。決算書3期がない場合は、事業計画書が必要になってくるケースもございます。

物件との出会いはタイミング!即断即決の電撃申し込みも

-これまでに関口さんが手がけた案件の中で、特に印象に残っているスタートアップのオフィスを紹介して頂けますか?

そうですね。やはりお客様それぞれに思い入れがありますが、特に、印象深いのはクラウドワークスさんの最初のご移転のときですね。

当時はまだサイバーエージェント・ベンチャーズが運営する「Startup Base Camp」にオフィスがあり、そこから初めて自前のオフィスを設けられるというタイミングで、限られた予算の中で坪数や立地にこだわりがあり、なかなか条件に合うものなく一度は増床でお話しを進めていた状況でした。

そんな中、弊社と仲の良い渋谷の大手オーナーさんとの会食がありました。

その席の中で、実は渋谷の再開発のため取壊しが決まっているため、期間限定で賃料相場の半額になる物件が募集に出るとの情報がありました。その場ですぐにメッセージを送りご提案したところ、次の日には内見し、その場で申込と今までの停滞が嘘のような即断即決でのご契約でした。

そこからスタートアップ内で「再開発予定物件が熱い!」と人気が出たきっかけでもあるので、私としても嬉しかったですね。

女性採用の鍵は「トイレ」にあり!?

-それでは最後に、移転の際に「特に気をつけるべきポイント」はどこでしょうか?

物件を決定される際でエリア賃料等のご要望を押さえるのはもちろんですが、その他にいくつかポイントはあります。具体的な例としてはトイレ・電波状況・アンペア数等がございます。

その中でも、「トイレ」については確認が必要ですね。

-具体的にはどういった点になりますか?

『個室のブースの数』と『トイレの設置箇所』です。

まず個室ブースの数ですが、人数が増えてくるほどトイレ渋滞が発生します。目安ではメンバーが30名〜50名あたりになると個室は2個以上欲しいですね。ただ100坪前後でも個室が1個の物件が多いため、内覧時はよく確認されるお客様が多いです。

トイレの設置箇所についても同様に、トイレが室内にある場合、音やトイレ清掃がない場合が多いため、共用部にトイレが設置されているオフィスを好まれるお客様が多いです。

そのため特に初期の女性採用を行う際は、トイレが鍵になることもございます。

-お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました!

こちらこそ、ありがとうございました。

おわりに

スタートアップの観点でいうと、やはりエリアとして人気なのは「渋谷」で、横の繋がりやアクセスの良さ等が理由に選ばれる傾向にあるようです。

また、最近では新設の商業施設を中心に、特に女性の利用を見越してトイレに力を入れるケースが増えています。オフィスに関しても同様で、女性の採用結果にも影響してくる!?という話しにもあるように、やはりそれなりの水準は満たしておきたいところです。

最後に、法人のオフィスといえども、やはり物件との偶然の出会いやタイミングが決定打になることも多いというのが印象に残りました。

BIZ KARTE編集部

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