税務調査を正しく理解するための5つのポイント

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税務調査

はじめに

税務調査と聞いてどんな印象を持ちますか?税務署職員がやって来るというだけで、お金を取られるとか、怖いといった印象を持つ方が多いのではないでしょうか。それは、税務調査の実態をよく知らないからだと思います。

税務調査は、実態を知り、普段から正しく税務申告を行っていれば、怖いものではありません。
本記事では、税務調査の基本的な部分や税務調査に対する対策等を紹介していきます。

税務調査とは

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Photo by 401(K) 2012

まずは、そもそも税務調査とはどんなものなのかを整理していきます。

強制調査と任意調査

税務調査は、税務署のような国税庁管轄下の組織が、納税者による税務申告の内容が正しいかを調査するために行われるものです。その税務調査の調査方式には、以下の2通りがあります。

・強制調査
強制調査は、一般的に「マルサ」という名前で知られる国税局査察部が、脱税の疑いがある納税者に対し、裁判所の令状に基づき強制的に行う調査となります。納税者はこの調査を拒否することができません。

・任意調査
任意調査は、国税局調査部・管轄税務署の調査官などにより、納税者の同意のもとで行われる調査となります。一般的に行われる税務調査のほとんどがこちらです。任意調査と呼んでいるものの調査官は質問検査権を有しており、この質問に対して黙秘をしたり、虚偽の返答を行った場合には、罰則規定があるので注意が必要です。

税務調査は何年分?

税務調査の対象となる期間は基本的には過去3年分となります。調査官により悪質と判断された場合には、過去7年分が調査対象となります。

チェックされやすいポイント

税務調査でチェックされやすいポイントには、以下のようなものがあります。

・売上計上の時期
チェックされるポイントとして、まずは売上計上の時期があります。意図的かそうでないかにかかわらず、今期分として計上すべき売上が翌期分として計上されていないかがチェックされることになります。

・交際費
交際費も売上計上の時期と同様にチェックされやすいポイントです。特に、交際費が私的利用を目的として使われていないかどうかがチェックされることになります。交際費を計上する場合には、領収書等をしっかりとっておくことが大切です。

・人件費
人件費もチェックされやすいポイントとなります。架空人件費の計上を行っていないかどうか、場合によってはタイムカードにもチェックが入ります。

税務調査への対応方法

税務調査は事業を営む全ての法人・個人が対象となります。

事前に気をつけたい点

税務調査を受ける前の段階から気を付けておきたいこととして以下のことがあります。

1.正しい税務申告を行うこと
当然のことではありますが、正しい税務申告を行うことは何よりの税務調査への対策となります。

2.領収書のような証明となる書類を取っておくこと
税務調査の際には経費性に疑問がある支出があると税務調査の際に指摘される可能性が高まってしまいます。そのリスクを回避するためにもこまめに領収書などの書類をとっておくことも大切になります。

実際に税務調査を受けることになった場合の注意点

3.準備を整える
基本的には、税務調査を受けることが確定してから実際に行われるまでに数日の間があります。その期間に税務調査でしっかりと受け答えができるように過去の取引を見直すなどの準備をするようにしましょう。

4.調査官の質問検査権の妨害をしない
前述の通り、名目上「任意申告」となっていますが、調査官の質問検査権に対して、黙秘や虚偽の返答のような妨害を行った場合には罰則を受けることになりますので、注意しましょう。

5.立会人をつける
税務調査の最中に行われていることの証人として、税理士などの専門家に立会を依頼することも大切になります。

申告が正しくなかったら?

税務調査

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申告が正しくないと判断されてしまった場合には、どうなるのでしょうか?

修正申告

修正申告を行う必要があります。修正申告は、調査官による指摘を受け、納税者が自発的に申告内容の修正を行うことです。

なお、指摘内容に不服があった場合でも、修正申告を提出した場合には、原則として後から不服の申し立てを行うことはできません。

更正・決定

修正申告書を提出しない場合には、改めて、管轄税務署長から申告内容の誤りについての連絡が届きます。この処分を更正・決定と呼びます。納税者あてに更正通知書、決定通知書が送付されることとなります。

なお、納税者は処分に不服があれば、税務署長あての不服申立て・異議申立てを行った後、国税不服審判所に対して審査請求をすることができます。

修正申告、更正・決定のどちらのケースでも処分が確定した場合には、各種追徴税が課されることとなります。

最後に

いかがでしたか?税務調査は法人・個人、どちらの場合でも対象になります。また、指摘を受けた場合でもその部分を修正した申告を行えば、加算税等の附帯税がかかり、余計な支出が増えますので、期中から適正な会計処理を行うことが望ましいと考えられます。

本記事を参考に、税務調査に関して理解を深め正しい対応を行うように心掛けてください。

※掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:緒方 康人 (公認会計士 / 税理士)

税理士法人ゆびすい
ゆびすいグループは、国内8拠点に7法人を展開し、税理士・公認会計士・司法書士・社会保険労務士・中小企業診断士など約250名を擁する専門家集団です。
創業は70年を超え、税務・会計はもちろんのこと経営コンサルティングや法務、労務、ITにいたるまで、多岐にわたる事業を展開し今では4500件を超えるお客様と関与させて頂いております。
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