【2019年版】確定申告の必要書類まとめ(個人事業主/会社員別)

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いよいよ確定申告シーズンの到来です。面倒な確定申告も、今は国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」で申告書を作ったり、電子申告ができたりするので、利用されている方も多いのではないでしょうか。

今回は、この国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で申告書を作る人のために、個人事業主と会社員のそれぞれが必要な書類について詳しく見ていくことにします。(執筆者:税理士 山岡美葉)

個人事業主の確定申告で必要なもの

個人事業主が税務署に提出する書類は、青色申告の場合は確定申告書Bと青色申告決算書、白色申告の場合は確定申告書Bと収支内訳書です(消費税の納付義務がある場合は、これらに消費税申告書が加わります)。

申告書を作成するためには、青色申告決算書または収支計算書で、所得金額を確定する必要があります。

<個人事業主が税務署に提出する書類>

青色申告:確定申告書B、青色申告決算書
白色申告:確定申告書B、収支内訳書

取引の記録がわかる書類の準備

所得金額を確定するためには、日頃の取引の記録が必要です。日頃から帳簿付けができていない方は要注意です。取引の記録に必要な書類について確認していきましょう。

請求書、領収書、明細書などの確認

まずは書類の準備を整えます。お手元に、売上の請求書、経費のレシートや領収書などは残っているでしょうか。また、預金通帳に2018年分の記録はきちんと記帳されているでしょうか。お仕事関係の支払いをクレジットカードでされている方は明細書はありますか。

売上の計上漏れがないかチェック

売上は、計上漏れがないように、発行した請求書や預金通帳への振込等をしっかりと見直しましょう。デザイン報酬や原稿料など、源泉所得税を差し引かれて振込を受けている場合には、この時期に支払調書が届きます。届かない場合でも、取引先ごとの売上金額と振込の際に差し引かれた源泉所得税額の合計を自分でまとめておきましょう。

経費の漏れがないかチェック

経費については、主にレシートや領収書からデータ入力をするかと思います。個人事業主の方は仕事とプライベートが混合しやすいので、内容が記載されているレシートを保管した方が、何に使ったか思い出しやすいですね。飲食代などは、相手方をメモ書きで残すクセを付けておきましょう。

最終チェックも忘れずに

最後に、通帳の引き落としやクレジットカードの明細書にもう一度目を通して、経費の漏れがないかをチェックします。自宅でお仕事をされている方は、電気代など家事関連費と呼ばれるものについても、一定の場合は、事業に利用した部分は経費として認められるので確認するとよいでしょう。

青色・白色関係なく、申告書等にかかる書類の保存は義務付けられています。帳簿は7年、請求書等は5年です。保存期間が長い7年に合わせて保管しておくと良いでしょう。書類の保存期間は申告期限から数えるので、2019年(2018年分)の確定申告書に関する書類の7年間の保存期限は2026年3月15日までです。

<個人事業主の確定申告の事前準備>
・取引の記録がわかる書類の準備(請求書、レシートや領収書、預金通帳や仕事用クレカの明細書等)
・売上や経費の漏れがないかチェック

<申告書等にかかる書類の保存期間>
・帳簿  :7年
・請求書等:5年

所得控除を受けるための書類の準備

①医療費控除

医療費控除には、従来の「医療費控除」と、特例である「セルフメディケーション税制」があります。家族の医療費も自分が負担していれば、控除の対象となります。

控除の対象となる医療費の額は、医療費控除は10万円(所得金額の5%のいずれか少ない金額)超の部分で最高200万円までセルフメディケーション税制は1万2,000円超の部分で最高8万8,000円までです。

医療費関係の領収書は、1年分をまとめて保管しておくとよいでしょう。例えば、インフルエンザの予防接種費は医療費控除の対象とはなりませんが、セルフメディケーション税制の適用を受けるための必要な書類です。また、病院に行くまでの電車代、バス代(これらが利用できない場合のタクシー代)といった交通費も医療費控除の金額に含まれますので、通院に要した交通費の領収書も残しておきましょう。

医療費通知書が医療費の明細書の代用となる場合もあるので、こちらも保管しておきましょう。詳しくは、国税庁「医療費控除に関する手続について(Q&A)」をご確認ください。

>>医療費控除の対象になるもの/ならないものを見る!

②社会保険料控除

国民年金保険料や国民健康保険料等が社会保険料となり、その年に支払った社会保険料金額の全額が控除の対象となります。

例えば、2019年中に納付期限が到来する国民健康保険料を2018年中に支払った場合には、2018年分の控除の対象となります。また、2017年中に納付期限が到来するものを2018年中に支払ったとしたら、2018年分の控除の対象となります。

国民年金保険料については、年末になると、控除証明書が日本年金機構から送付されます。紛失した場合には、手元にマイナンバーか基礎年金番号を用意して、再発行をお願いしましょう。

国民健康保険料については基本的に控除証明書は発行されませんので、1年間の納付書や預金通帳の引き落とし額の合計を確認します。また、自治体へ連絡すれば、本人確認の上で教えてもらえます。

③生命保険料控除

生命保険料控除には、「一般」「介護医療保険」「個人年金」の3種類があります。また、「一般」と「個人年金」には、新タイプ・旧タイプがあります。生命保険料控除は、社会保険料とは異なり、支払った金額全額が控除の対象とはならず控除限度額は12万円です。

年末になると、加入している保険会社から控除証明書が送付されます。紛失してしまった場合は、保険会社へ連絡すれば再発行してもらえます。

>>生命保険料控除の計算式を見る

④地震保険料控除

地震保険料および一定の長期損害保険料が該当します。地震保険料の控除限度額は5万円で、この限度額までなら支払った金額の全額が控除の対象となります。長期損害保険料は、控除限度額は1万5,000円で、1万円までは支払った金額の全額が控除の対象となります。両方合わせての控除限度額は5万円です。

事業に使用している建物にかかる地震保険料は経費なので、所得控除の対象とはなりません。また、自宅兼事務所といった場合には、経費と所得控除の按分が必要となります。

⑤寄附金控除

国や地方自治体、特定公益増進法人などに寄附をした場合に、所得控除を受けることができます。ふるさと納税は寄附金控除の対象ですね。

控除額は、寄附金の内2,000円を超える部分(または総所得金額の40%相当額のいずれか少ない金額)となります。控除を受けるためには、寄附金先から発行される寄附金の受領書等、寄附をしたことを証明する書類が必要です。

>>ふるさと納税の確定申告についてもっと知る

⑥小規模企業共済等掛金控除の場合

小規模企業共済掛金、個人型確定拠出年金(iDeCo)などが該当します。それぞれ、中小企業基盤整備機構、国民年金基金連合会から控除証明書が送付されてきます。

個人事業主の場合には、将来のために自助努力する掛金の全額が、所得控除の対象となります。確定申告書を作成する際に、この部分を増やせそうであれば、早めに加入を検討するとよいでしょう。

⑦雑損控除

災害、盗難や横領にあった場合、一定の要件を満たすと、所得控除を受けることができます。

>>雑損控除に当てはまる損害の原因は?

⑧配偶者控除(配偶者特別控除)及び扶養控除

所得金額が1,000万円以下の場合、配偶者が控除対象となるかどうか、配偶者の源泉徴収票などで所得金額を確認しましょう。

配偶者の合計所得金額が38万円以下の場合は配偶者控除、38万円超123万円以下であれば配偶者特別控除の対象となります。

また、生計一親族を控除対象とするかどうかを判定するためにも、生計一親族の所得金額を確認しましょう。

>>配偶者控除が認められる条件を詳しく知る

会社員の確定申告で必要なもの

給与所得のみの会社員を前提に、一般的な次の項目について説明をしていきます。

会社員が税務署に提出する書類は、確定申告書Aです。すべての場合において、勤務先から発行される源泉徴収票が必要です。

源泉徴収票を発行してくれない雇用主はまずいないでしょうが、万が一、そういう事態に備えて給料明細書はとっておきましょう。給与明細書で代用できるかどうかを税務署に確認してみて、無理なようであれば、納税地の所轄税務署に対して「源泉徴収票不交付の届出書」を提出することで、雇用主に対する行政指導をしてもらうこともできます。

会社員が所得控除を受けるための書類の準備

所得控除を受ける場合、必要書類は前出の個人事業主の場合と同様です。

年末調整で対応できない所得控除がある場合

雑損控除、医療費控除、寄附金控除(ふるさと納税においては「ワンストップ特例」以外のもの)が該当します。確定申告をすることで、お給料から徴収された源泉税額が還付されます。年末調整において、すでに税額が0となっている場合には、徴収税額は年末調整で全額還付となっています。

年末調整で配偶者控除(配偶者特別控除)や扶養控除を受けていない場合

控除対象配偶者または扶養控除対象者に該当するかどうかは、12月31日時点で判定します。特に、配偶者がお仕事をしている場合には、所得金額が38万円超123万円以下であれば、配偶者特別控除の対象となりますので、配偶者の源泉徴収票や所得金額を確認しましょう。

2か所以上から給与を受け取っている場合(ただし一定の少額な場合は不要)

年末調整が終わったお給料、終わっていないお給料の源泉徴収票をもとに給与所得の再計算を行います。税金を追加で支払う可能性も、また還付となる可能性もあります。還付になる場合は、税務署から通知があるわけではないので、確定申告をしない限り納め過ぎた税金は戻ってきません

一定の少額な場合については、国税庁「給与所得者で確定申告が必要な人」でご確認ください。

住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)の適用初年度である場合

住宅ローンを組んで居住用住宅を新築または購入した場合、一定の要件を満たせば、以後10年間の各年にわたり、住宅ローンの年末残額に応じた金額を所得税額から控除できます。2018年に住宅を取得した場合は、年末借入金残高の1%(住宅の種類により上限20~50万円まで)が控除限度額となります。

初年度には確定申告が必要となりますが、それ以降は、確定申告後に税務署から送付される「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」を勤務先に提出することで、年末調整で税額控除の手続きが終了します。

準備する書類は、借入した金融機関から送付される「借入金の年末残高証明書」、家屋(敷地)の売買契約書、登記事項証明書等となります。

改修工事を行った場合も、要件に該当すればこの控除を受けられるので、国税庁「増改築等をした場合(住宅借入金等特別控除)」でご確認ください。

>>2019年度から、住宅ローン控除の控除期間が3年延長に!

投資の損失や、仮想通貨の所得がある場合

上場株式およびFX取引における損失を申告することで、翌年以降3年間にわたりその後、同じ投資で得た利益と相殺することができます。残念ながら、現在の税制では、仮想通貨の損失の繰り越しはできないこととなっています。

仮想通貨の所得がある場合、個人事業主の方は少額であっても申告の義務があります。会社員の場合は、給与以外の所得がなく、FX取引における所得が20万円超でない場合、申告は不要です。

>>株で損したら確定申告すべき! 損益通算と繰越控除で“節税”する方法

申告書を書面提出する場合、電子申告する場合

書面提出(郵送または持参)する場合の注意点

書面で提出する場合は、税務署の収受印がある控えが受け取れるよう、2部提出します。郵送する場合には、返信用封筒を同封します。持参する場合には、必ず収受印が押されたことを確認して控えを持ち帰りましょう。

ギリギリとなってしまった方、郵送の場合は、通信日付(消印)が提出日とみなされますので、申告期限の3月15日の消印があれば間に合います。また、持参する場合、税務署の開庁時間に間に合わなかったときは、税務署の入口辺りに設置された時間外収受箱を探して、ここに投函すれば大丈夫です。

<申告書を郵送または持参する場合の注意点>

・2部提出する
・郵送する場合には、返信用封筒を同封する。また消印が提出日とみなされるため、申告期限の3月15日の消印があれば間に合う
・持参する場合には、必ず収受印が押されたことを確認して控えを持ち帰る。税務署の開庁時間外は、時間外収受箱に投函する

  

電子申告する場合

次のいずれかから電子申告ができます。

①マイナンバーカード方式

マイナンバーカードとICカードリーダーが必要となります。

②ID・パスワード方式

IDとパスワードがあれば、マイナンバーカードとICカードリーダーがなくても電子申告をすることができますが、事前準備として、税務署等で職員と対面により本人確認をされた上で発行された「ID・パスワード方式の届出完了通知」が必要となります。

③スマホで電子申告

1か所からのみ給与をもらっている会社員で、ID・パスワードを取得している場合、2019年からスマホで電子申告することができるようになります。詳しく知りたい方は次の記事をご覧ください。

>>「スマホで確定申告」のやり方を徹底解説!

書面提出の場合は、マイナンバーの記載と本人確認書類が必要となりますが、電子申告の場合は、マイナンバーの記載のみです。また、2020年分の申告から、青色申告控除額が、電子申告(または電子帳簿保存)の場合は65万円、そうでない場合は55万円に改正となります。これまでには、電子申告をするようにしたいものです。

まとめ

2019年の確定申告期間は、2月18日(月)から3月15日(金)までとなっています。期限ギリギリに慌てることなく、あらかじめ書類や提出方法の確認をして、余裕をもって申告作業を進めましょう。

>>確定申告に向けて今から何ができる? 1月・2月・3月にやること徹底ガイド

※掲載している情報は、2019年1月15日のものです。

執筆:山岡 美葉

税理士/株式会社アールテロワール代表

地方銀行に勤務した後、一定の期間を置いて、簿記1級から税理士を目指す。会計事務所勤務を経て2018年1月に税理士登録。現在、千代田区平河町にて開業し、法人税・資産税を中心に税理士業務に取り組んでいる。



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