【解説】2019年度税制改正大綱のポイントは「車と住宅」 仮想通貨にも初めて言及

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自民、公明両党が12月14日、2019年度(平成31年度)の税制改正大綱を発表しました。今回の改正は、2019年10月の消費税率10%への引き上げにともなう駆け込み需要と反動減を抑えることが焦点となります。

重点が置かれたのは、増税の影響が大きい自動車と住宅の減税。自動車税の恒久減税や、住宅ローン控除期間の延長などが盛り込まれました。

また仮想通貨などの経済取引の多様化についても言及。企業など法人が有する仮想通貨の評価方法は「時価評価」を採用すると明示しました。

自動車税は最大4500円減税

自動車所有者が毎年支払う自動車税(地方税)については、消費税率10%引き上げ後に新車新規登録する自家用車を対象に、排気量に応じて最大4,500円減税されることになります。排気量ごとの減税額は次のとおりです。

自動車税の減税
総排気量 現行 改正案 減税額
1,000cc以下 29,500円 25,000円 4,500円
1,000cc超~1,500cc以下 34,500円 30,500円 4,000円
1,500cc超~2,000cc以下 39,500円 36,000円 3,500円
2,000cc超~2,500cc以下 45,000円 43,500円 1,500円
2,500cc超~3,000cc以下 51,000円 50,000円 1,000円
3,000cc超~3,500cc以下 58,000円 57,000円 1,000円
3,500cc超~4,000cc以下 66,500円 65,500円 1,000円
4,000cc超~4,500cc以下 76,500円 75,500円 1,000円
4,500cc超~6,000cc以下 88,000円 87,000円 1,000円
6,000cc超 111,000円 111,000円 0円

恒久減税による減収については、エコカー減税の見直し、グリーン化特例の重点化などにより財源を確保します。財源不足額については国費で補てんするとしています。

また、購入時に課される自動車取得税の廃止に代わって、燃費性能に応じて課される「環境性能割」が新税として導入されます。燃費課税とも呼ばれ、燃費性能のよい車ほど税負担が軽くなる仕組み。燃費性能により購入額の0~3%を支払うことになりますが、2019年10月の消費税増税から1年間に限り税率が1%引き下げられます。

住宅ローン控除の控除期間は3年延長

税制改正大綱のもう一つの柱でもある住宅については、住宅ローン控除の控除期間が現行の10年間から13年間に延長されます。2019年10月の消費税増税後から2020年末までの入居者が対象です。

住宅ローン控除と呼ばれる「住宅借入金等特別控除」は、年末の住宅ローン残高の1%の額が所得税などから控除される制度です。一般的な住宅の場合、10年間で最大400万円(長期優良住宅、低炭素住宅は500万円)が控除されます。

今回延長された11年目以降の3年間については、次の2つを比べ、少ない額が各年の控除額となります。

<住宅ローン控除延長3年間の各年の控除額>

住宅ローン控除延長後の11年目以降の3年間は、次のいずれかの少ない額が控除額になる。

◆住宅ローンの年末残高(4,000万円を限度)×1%
◆建物購入価格(4,000万円を限度)×2%÷3

>>住宅ローン控除についてもっと詳しく知る!

企業の仮想通貨は「時価評価」と明示

仮想通貨については、円滑で適正に申告できるよう納税環境の整備を進めます。

企業など法人が仮想通貨を保有する場合について、これまでは有価証券のように期末に時価評価を採用するか曖昧なままでしたが、今回の税制改正大綱では「時価評価」を導入すると明示されました。なお、税務に先立ち、会計では期末に仮想通貨の時価評価を行うルールが2018年3月に正式に決定しています。

仮想通貨の譲渡原価については、算出方法は移動平均法または総平均法とされ、原則は移動平均法になります。改正については、2019年4月1日以降に終了する事業年度から適用されます。

【監修】深堀 宗敏(ふかほり むねとし)@FukahoriTax
公認会計士・税理士/深堀宗敏税理士事務所
PwC税理士法人にて申告書作成業務、M&A、オーナー企業の事業承継対策等に関する会計・税務コンサルティング業務に従事。深堀宗敏税理士事務所を開業。現在、税務実務経験とシステム開発の経験を生かし、クラウドサービスについてのアドバイスを会社のみならず、会計事務所に対して多数行なっている。

参考|平成31年度税制改正大綱

BIZ KARTE編集部

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