タイ洞窟遭難で「奇跡の救出」 日本だったら救助経費は誰が支払う?

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タイ北部チェンライ県の洞窟で起こった少年ら13人の遭難事故。一時は救出に半年かかるとも報じられましたが、遭難から18日目に無事全員が救出され、世界中が歓喜に包まれました。
日本ではあまり馴染みのない洞窟遭難。ツイッターでは「日本だったら『自己責任』や『税金の無駄遣い』と批判されそう」などの投稿が多数見られましたが、日本の洞窟で遭難し、救出された場合、その救助費用は誰が支払うのでしょうか。

遭難救助には税金が使われる?

※画像はイメージです


「日本では、今回のタイのように洞窟で水に閉ざされてしまう事故はあまり聞かず、ここ何十年の間でも数件程度しか起こっていません」

洞窟に関する諸研究を行う、日本洞窟学会の救助委員長・森住貢一さんによると、そもそも日本の洞窟はフェンスや看板などの設置が多く、管理が行き届いているため遭難事故自体が発生しにくいと言います。

ただ、最近は体験型観光ブームもあり、国内でも洞窟は観光スポットとして注目が高まっています。ルールやマナーの普及が進まないと、入洞禁止の洞窟に探検気分で立ち入る人が現れる可能性もあります。

予期せぬ洞窟遭難事故が起こったら、その救助費用は誰が支払うのでしょうか。森住さんによると救助隊には2パターンがあるそうです。

「遭難事故の救助活動は『公共団体の警察や消防』か『民間の救助事業者』によって行われますが、洞窟での遭難救助ができる民間事業者はほとんどありません。救助費用は、公共団体であれば無料ですが、民間事業者は有料です」

つまり、警察や消防に救助された場合は救助費用は税金でまかなわれ、民間事業者の場合は救助された人が自費で支払うことになります。

自費で支払う場合、医療費控除の対象になる?


警察や消防の救助活動費の財源は具体的に何税なのか、税理士の高橋和也さんに聞きました。

「警察や消防の活動は、国の予算ではなく地方公共団体の予算を元に行われています。

地方公共団体の予算の財源は、住民税や事業税、自動車税などの地方税や、国から配分された地方交付税などにより支えられています。

地方交付税は地方の格差をなくすために、国が徴収した国税を一定の基準で地方に配分するものですが、東京都などは国からの配分に頼らなくても十分な収入があることから、地方交付税は交付されていません。

ちなみに地方交付税は、国が徴収した所得税、法人税、地方法人税、酒税、消費税がもとになっています」

一方、民間事業者によって救助された場合は自費で支払わなければなりません。その際、救助費用は医療費控除の対象になるのでしょうか。

「民間の事業者に自己負担で払った救助費用は、残念ながら医療費控除の対象にはなりません。支払った救助費用について税金面での救済はされないので、洞窟や山など遭難の可能性がある場所に行くときは、保険に加入して万一に備えておきたいですね。

ちなみに、救助後の通院にかかった治療費や入院費用は、医療費控除の対象です」

取材協力:高橋 和也(税理士)

税理士/高橋和也税理士事務所
1974年、兵庫県加古川市生まれ。大阪市立大学法学部卒業後、株式会社クボタに入社し住宅建材の営業職に従事。その後35歳で会計業界に転身。2017年に43歳で税理士登録・開業。営業経験を活かしたフットワークの軽さで、都内から関西、四国、九州まで幅広いエリアのお客様をサポート。一般社団法人や公益法人などの非営利法人を得意とし、最近では大学運動部が設立した一般社団法人のサポートも行っている。共著に『一般法人・公益法人の理事・監事・評議員になったらまず読む本』(忘羊社)



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