定款作成から設立登記まで、会社設立までの流れを確認

会社を設立するための大まかな流れは、

・定款作成
・定款認証
・設立登記

となっています。

ここでは定款を軸に会社設立までの流れを確認するとともに、設立登記後に定款が果たす役割を紹介します。

定款作成から設立登記までの流れを会社類型と合わせて確認

会社法では、「株式会社」「合名会社」「合資会社」「合同会社」の4種類の会社について定めています。
株式会社以外の3つの会社を「持分会社」といい、会社は大きく「株式会社」と「持分会社」に分けることができます。
株式会社と持分会社は、組織形態などにおいて相違点が多々ありますが、設立方法に関しては、最初に定款を作成し、最終的に「設立登記」を行なうことによって会社が成立する点で一致しています(会社法第26条、第49条、第575条、第579条)。

定款認証は株式会社のみ必要となり、持分会社設立時には必要ありません(会社法第30条)。

会社設立の大まかな流れは上記の図の通りで、持分会社の設立手続きは株式会社に比べて簡略化されています。
例えば、株式会社は必ず発起人や株主が必要となりますが、持分会社は発起人や株主不要で会社設立することができる点が挙げられます。
株主不要で持分会社を設立できるため、株式発行や株主総会に関する規定を定款に記載する必要はありません。

なぜ定款を始めに作成する必要があるのか

法人とは、法人格を付与することによって、権利義務の主体になるものをいいます。

権利義務の主体として存在することができる以上、意思決定するシステムが必要となります。
組織が意思決定するためには、取締役会や株主総会といった機関が必要であり、それらの機関を取締役や監査役、会計参与という職務を与えられた人間によって構成することになります。

このように、会社の基礎や規則をまとめたものが「定款」であり、会社は定款にしたがって運営を行なうこととなります。

したがって会社を設立するためには法人格がなければ法的に存在することができず、法人格を付与するためには認証された定款が必要となるため、始めに定款を作成する作業を行なう必要があるのです。

設立登記後に定款が果たす役割

定款は株式会社を設立するために作成し公証人による認証が必要となりますが、会社が設立登記されたあとの定款は会社法第31条の規定により、本支店に備え置かなければなりません。

本支店に備え置かれた定款は、株主や会社債権者の請求があればいつでも閲覧できるようにしておく必要があるだけでなく、定款のコピーにも応じなければなりません。

また親会社の利害関係者なども、権利行使のために子会社の定款を閲覧したりコピーしたりすることができますが、裁判所の許可が必要となる点で注意が必要です。

定款は株主等の会社内部の人間又は債権者だけでなく、公的機関への許認可申請や金融機関との取引時などに定款の提出を求められることもあるなど、会社外部へ情報提供するための手段ともなり得ます。

社会情勢や経営方針の変更によって、定款を変更する場合も考えられます。定款を変更するためには、株主総会の特別決議が必要になります。株主総会の決議方法は、普通決議と特別決議の2種類あり、普通決議は過半数で議決しますが特別決議は過半数よりも要件の厳しい2/3以上の議決が必要となります。

定款は株主総会の特別決議さえあれば何度でも変更することができるとはいえ、登記内容に変更が生じた場合は登記変更が必要となり、内容に応じた登録免許税を納める必要があるため、設立時の定款は注意深く作成したほうがよいでしょう。

これまで解説してきたように、定款は会社の根幹となる規約をまとめた文書を公の機関が証明したものであるため、定款に違反する行為は差止め請求や無効の訴えとなる原因となり得ます。定款に違反する行為は提訴要因となるだけでなく、会社に損害を与えた場合において損害賠償責任を負うことにもつながります。

定款があるからこそ会社を正しく運営することができるだけでなく、法的根拠をもって対外取引することが可能となります。

特に株式会社設立には定款作成と設立登記以外に公証人による「定款認証」が加わるため、企業防衛としての効力をさらに強化させることにつながっています。

まとめ

株式会社と持分会社は異なる点が多々ありますが、会社設立時に定款を作成し、設立登記を行なう点で共通しています。
会社という人格を形成するための作業が「定款作成」であり、法的に存在させるための作業が「設立登記」ということになります。

定款は会社設立のために必要な書類であると同時に、会社設立後も定款どおりに正しく会社経営しているかを確認する指標として機能することになります。

監修:加賀爪 優作 (司法書士)

税理士法人ゆびすい
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