会社設立前に準備しておくべき10の設立事項

会社設立の手続きを行うために設立事項の決定をする必要があります。

設立事項は10の項目から構成されており、それらは定款や会社設立登記の際に必要となります。ここではこの10の設立事項について、1つずつ解説します。

会社設立前に準備しておくべき設立事項【基礎編】

まずは会社設立手続きにおいて最も基礎的な3つの設立事項について解説します。

会社名(商号)を決める

会社名を決める際に注意しなくてはならないのは次の3点です。

1.会社名のどこかに「株式会社」「合同会社」などの会社の種類を記載する。

「〇〇株式会社」や「合同会社××」等、設立する会社の形態を会社名に記載する必要があります。

2.見た人の誤認を招くような会社名は使用不可

銀行業を運営していないにも関わらず「○○銀行」という会社名を使ったり、会社名であるにも関わらず「△△事業部」と会社の一部門を示すような名前をつけることはできません。

3.実績のある有名企業等と同じ会社名は避ける。

詐欺防止などの観点から、有名企業等と同じ会社名を使うことも禁止されています。

このように最低限のルールは設けられていますが、基本的には会社名は自由に決めることができます。

事業目的をどんなものにするか決める

事業目的は定款の作成のために準備しておかなくてはならない設立事項の1つです。会社設立の際に注意すべきなのは、定款の事業目的に記載のない事業は行えないという点です。事業目的は1つだけでなく複数個書くことが認められているため、将来行う可能性のある事業についてはあらかじめ事業目的として書いておくようにしましょう。ただし一度決めた事業目的も、定款変更手続きによって変更は可能です。
もし定款に記載できない事業を行うこととなった場合も定款変更手続によって事業目的を変更することができます。

本店所在地をどこにするか決める

本店所在地とは「本社の住所」です。自宅や賃貸オフィスなどのほか、バーチャルオフィスやコワーキングスペースも本店所在地として認められています。本店所在地を決める際に注意しておくべきなのは、「契約内容」です。賃貸物件を本店所在地にしようとしても、契約内容に「法人不可」とあれば契約を解除される可能性があるからです。

会社設立前に準備しておくべき設立事項【お金編】

次に会社設立の前に準備しておくべき「お金」に関する3つの設立事項について解説します。

資本金の金額をいくらにするか決める

会社法では会社設立の際に必要な資本金は1円以上となっています。ただし政府金融機関が実施する新創業融資制度の利用を考えている場合は、自己資本額の2倍までしか融資が認められていないため注意が必要です。

また資本金が1,000万円を超えている場合は、課税売上額に関わらず設立初年度から消費税の課税対象となってしまいます。資本金の金額はこれらを踏まえて考える必要があります。

株主・出資者を決める・募る

創業時の資本金を誰が出資するかによって、株式会社の設立の方法が「発起設立」になるか「募集設立」になるかが決まります。発起設立は株式会社を設立する際に発行する株式全てを、発起人が引き受ける方法です。この場合、創業メンバーが即ち株主・出資者となります。

対して募集設立は発起人以外に投資家などの出資者を募り、発起人と出資者で株式会社を設立する際に発行する株式を引き受ける方法です。発起設立に比べ必要書類や手続き煩雑になるため、発起設立が一般的となっています。
募集設立は発起人・出資者の最低2人必要ですが発起設立の場合1人で会社を設立することができるので個人事業主が法人なりする場合などに利用できます。

会社設立のための費用を用意する

会社設立には資本金とは別に手続き費用を準備しておく必要があります。紙媒体の定款には4万円分の収入印紙の貼付が必要ですし、株式会社を設立する場合には定款の認証手数料を支払わなくてはなりません。定款の謄本(コピー)手数料は1ページにつき250円ずつ必要で、さらに登録免許税が株式会社なら最低15万円、合同会社なら最低6万円が必要です(資本金額の0.7%)。

会社設立前に準備しておくべき設立事項【その他】

最後にその他定款の作成及び認証、会社設立登記の手続きに必要な4つの設立事項を確認しておきましょう。

機関設計を行う

会社設立手続きにおける機関とは株主総会や取締役会などを指します。機関設計とは会社法に定められた機関の組み合わせを決めることです。

対して合同会社の場合は監査役や取締役会の設置は義務付けられていません。出資者であり会社の代表である「代表社員」、出資者だが代表ではない「業務執行社員」とそれ以外の「社員」の区分を決めるのが合同会社の機関設計です。

会社の印鑑を作成する

「会社の印鑑」と「発起人各人の個人の印鑑証明書」は定款や登記書類の作成時に使用します。「会社の印鑑」は以下の4種類です。

・代表者印(法人実印)
・銀行印
・社印(角印)
・ゴム印(横書き)

印鑑の種類によって持っている効力が異なるため、必ず別々の印鑑を準備しましょう。

発起人各人の印鑑証明書を作成する

「発起人各人の印鑑証明書」は定款の認証時と登記書類を作成する際に必要になります。それぞれ1通ずつ必要なので、あらかじめ2通準備しておきましょう。

事業年度を決める

何月を期首とし、何月を期末とするかを決めることです。日本の会社の多くが4月期首とし、翌年3月末を期末としています。ただし4月が期首でなくてはならない規則はなく、自由に事業年度を決めることができます。

まとめ

「誰が」「どこで」「何を」するかの基礎的な設立事項、資本金や設立費用等のお金に関する設立事項、そしてその他事業年度等の設立事項と、会社設立前には10個の事項を準備しておく必要があります。会社設立の手続きを始める時には、なによりもまずこれらの設立事項の決定から始めましょう。

監修:加賀爪 優作 (司法書士)

税理士法人ゆびすい
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