予算管理の基本とポイントをかんたんに解説

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「経営管理」は経営資源の調達及び再配分を適正化するために必要な手法です。この経営管理の1つが「予算管理」です。

これを活用すれば予算を通じて組織を観察し、どのような対策を講じれば良いかを考えることで、組織の課題を浮き彫りすることができます。

ここでは予算管理の基本であるPDCAサイクルについて解説するとともに、予算管理を効果的に行うために必要なポイントを4つに分けて解説します。

予算管理の基本「PDCAサイクル」

経営管理と予算管理の関係

予算管理は経営管理の1つのやり方です。経営管理の目的はヒト・モノ・カネ・情報といった経営資源をいかに調達し、どのように再配分するかを考えることです。

経営管理には次の4つの機能が求められます。

1.プランニング機能
2.コーディネート機能
3.コントロール機能
4.モニタリング機能

プランニング機能は適切な数値目標やミッションを設定するための機能です。事業計画の企画・立案・推進等もこの機能が果たすべき役割となります。

コーディネート機能は各事業間での利害調整機能です。企業規模が大きくなると、グループ内の事業母体同士での利害衝突も起こりやすくなります。これを人事交流などを活用して解消していくことも経営管理には求められます。

適切に設定された数値目標やミッションが達成に至るよう進捗を管理するのがコントロール機能です。ただ進捗を見守るだけでなく、時にはサポートをする必要もあります。

モニタリング機能は数値目標が予定通りに推移しているかを定点観測し、課題があればそれを解消するためのアクションプランを立てる機能です。そして、このモニタリング機能を担う手法の1つが予算管理なのです。

予算管理における「PDCAサイクル」とは

予算管理は大きく3つのサイクルに分類することができます。

1.編成(Plan)
2.執行(Do)
3.フィードバック (Check・Action)

これが予算管理におけるPDCAサイクルです。編成の段階では経営目標を達成するために必要な活動目標を数値にして明確化し、関係各所と調整・合意を行います。この時に重要なのは各目標における責任の明確化です。

例えば事業部長であるAさんは事業Xについての全責任を負うが、平社員であるBさんは事業XのうちのアクションPに対してのみ責任を負うというように、立場や担当に基づいた責任の所在を明らかにする必要があります。

これによりフィードバックの段階で、課題に対してより効果的なアクションプランを立てることができるのです。

2つ目のサイクル・執行では編成段階で設定した活動目標を達成できたかどうかを、目標数値と実績数値を使って比較・分析します。ここで浮き彫りになった課題を解消するアクションプランを立てるのがフィードバックの段階です。

ここで効果的なアクションプランを立てるためにも、あらかじめ留意しておく点が3点あります。

1.下から上への報告プロセスは確立されているか?
2.上から下への追跡調査は可能か?
3.フィードバックの適切な仕組みはできているか?

予算管理では何が原因で何が起きているかを把握する必要があります。下位の社員から上位の社員への報告プロセスが整っていなければ、そのための情報が不足してしまうのです。

同じように予算・実績分析で判明した問題の原因を追求する際に、上位の社員から下位の社員に追跡調査ができるかどうかも重要になります。これは立案するアクションプランが現場に即した改善策になるかどうかに大きく関わる要素です。

また、そもそもフィードバックを各社員に行う仕組みが整備されていなければ、せっかく立てたアクションプランも無駄になってしまうため、事前の確認が必要となります。

予算管理を効果的にする4つのポイント

利害関係者の関係性

予算管理のPDCAサイクルを効果的に回すにはいくつかの留意点があります。1つ目が「利害関係者の関係性」です。事業部間での利害の衝突・重複などは無用なトラブルを招きかねません。フィードバックの留意点である報告プロセスや追跡調査の仕組みにも大きく影響するため、あらかじめ調整が必要です。

フォーキャスト機能

フォーキャスト機能とは予算見直しのタイミングを、四半期や半期などのようにあらかじめ決めておくことです。これにより為替変動や諸外国の経済動向による予期できない事態にも的確に対応できるようになります。

特別な事態の変化がない場合に余計な予算見直しを行わないためにも、予算と見通し数値の間に一定率のズレが生じた場合にのみ見直しを実施するなどの取り決めをすることもできます。

「見たい情報」「見るべき情報」

フィードバック段階で効果的なアクションプランを立てるためには「見たい情報」や「見るべき情報」を、経理部等が提供する必要があります。そのためにはこれらの情報を改めて定義しなくてはなりません。

どんな情報があれば的確な改善策を立てることができるのかを、あらかじめ議論する必要があるのです。

情報インフラの整備

予算管理においては「情報の鮮度」が大きな役割を果たしています。情報収集に1ヶ月、そこから予算・実績分析に1ヶ月、フィードバックに1ヶ月などと時間をかけていては、現場とのズレは広がる一方です。

最適なタイミングでアクションプランを立案し、実行に移すためには情報の鮮度を失わないための情報インフラの整備が求められます。

まとめ

ここで挙げたような内容だけでは、予算管理を完璧に使いこなすことはもちろんできません。しかし予算管理の大切さや基本の部分は理解できたのではないでしょうか。

予算管理は企業の業績を数値上で把握・分析するために非常に有効な手段です。ここでの内容を踏まえた上で、より深い理解に努めましょう。

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※掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:三井 啓介 (公認会計士 / 税理士)

税理士法人ゆびすい
ゆびすいグループは、国内8拠点に7法人を展開し、税理士・公認会計士・司法書士・社会保険労務士・中小企業診断士など約250名を擁する専門家集団です。
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