収入印紙を購入するうえで知っておくと便利な知識3選

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契約書や領収書に貼られる収入印紙は、印紙税法という法的根拠に基づき、印紙税を納めるために使用するものです。

収入印紙と契約書がどのように関わっているのかを明らかにするためには、印紙税法を読み解くことが不可欠となります。

収入印紙を貼付しなければならない書類に関することや、契約書でも収入印紙が不要なパターンなど、収入印紙を購入する前に知っておくと便利な知識を紹介します。

収入印紙の法的根拠である印紙税法とは

収入印紙は、印紙税という国税として納税されるものです。印紙税が持っている税金の性質は、消費税や酒税と同じ間接税となっています。

 
国税
地方税
直接税所得税、法人税など住民税、固定資産税など
間接税印紙税、消費税、酒税など地方消費税、道府県たばこ税など

印紙税法では、
・課税される文書20種類
・記載された金額に対する印紙税額
などが明確に定義づけられています。

課税対象の文書は書類の名称等で判断するのではなく、書類そのものが持つ意味で判断します。

たとえば領収書や受領書などのような書類は印紙税法上の第17号文書「売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書」に該当しますが、見積書であったとしても取引先との関係において受領書の役割を果たしていたり、請求書であったとしても受領印などが押印されたりしているのであれば、課税文書として収入印紙を購入して貼付する必要があります。

印紙税を納税するタイミングは、購入した時でも書類に貼り付けた時でもなく、貼り付けた後に印章や署名で消印した時となります。

また印紙税を納税する義務は、課税文書を作成した時点で発生するため、印紙税が正しく納税されていない場合は、過怠税が加算されます。

課税文書に収入印紙を貼り付けただけで消印がなされていない状態であれば、その収入印紙と同額程度の過怠税が課税されます。課税文書に収入印紙自体貼り付けられていない場合は、その収入印紙のおよそ倍額の過怠税が課税されます。

たとえば不動産売買契約書に記載された金額が1億5千万円だった場合、本来であれば10万円の収入印紙を購入してから貼り付け、再使用を防止するための消印をすることによって印紙税を納税します。

しかし、10万円の収入印紙を貼り付けただけで消印だけがされていない場合は、およそ同額の10万円が、過怠税として課されることになります。

さらに、消印がなされていないだけでなく、収入印紙そのものが貼り付けられていない場合は、本来貼り付けるはずだった10万円に、倍額のおよそ20万円が過怠税として加算されることになるため、合計で30万円程度を支払う必要が出てきます。

収入印紙の購入が不要な契約書とは

原則として土地や地上権に関する賃貸借契約書は第1号文書に該当するため収入印紙の購入が必要となりますが、建物や施設、物品に関する賃貸借契約書には収入印紙を購入する必要はありません。

賃貸借の対象となるもの印紙税
土地課税される
地上権課税される
建物課税されない
施設課税されない
物品課税されない

たとえば駐車場を契約した場合の賃貸借契約書が、
・車庫を借りる
・駐車場施設に駐車する
・カースペースに駐車する
といった内容であれば、駐車するための「施設」の賃貸借に関する契約を締結することになるため、収入印紙を購入する必要はありません。

また、車を預かってもらうという契約は、賃貸借契約ではなく「物品」に関する寄託契約であると考えることができるため、第1号文書に該当せず印紙税は課税されないことになります。

ただし、駐車設備や施設のない土地を賃貸借して駐車する場合は、「土地」に関する賃貸借契約を締結していることになるため、第1号文書に該当し収入印紙の購入が必要となります。

仮契約書や予約契約書にも収入印紙は必要か

本契約締結前に仮契約や予約契約を締結した場合においても、文書を作成したという事実がある以上、課税文書とみなされます。

仮契約や予約契約後に本契約を再度締結するか否かにかかわらず、作成した契約書に対して収入印紙が必要となります。また、契約は当事者だけではなく相手と揃って締結する性質を持っています。

そのためお互いに契約を締結し、契約書として書面に残す場合には、双方の押印や署名が付記されるため、相手へ渡す契約書だけでなくたとえ自社で保管する契約書であったとしても、収入印紙を購入し貼り付ける必要があります。

まとめ

収入印紙は購入しただけでは納税したことにはならず、課税文書を貼り付けて消印をした時点で、印紙税として納付することになります。

印紙税法に関するさまざまな疑問は、国税庁のタックスアンサーで解決できるかもしれません。収入印紙で不明なことがあれば、是非タックスアンサーを参考にしてみてください。

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※掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:三井 啓介 (公認会計士 / 税理士)

税理士法人ゆびすい
ゆびすいグループは、国内8拠点に7法人を展開し、税理士・公認会計士・司法書士・社会保険労務士・中小企業診断士など約250名を擁する専門家集団です。
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