中小企業をサポートするための税制について

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我が国の雇用や経済は中小企業によって支えられていますが、その中小企業の活動はさまざまな措置によってサポートされています。

法人税の税率は23.2%ですが、中小法人で軽減税率の適用対象法人の場合は15%に引き下げられています。

ただし、適用は平成31年3月31日までに開始した事業年度に限られ、課税所得の金額が800万円以下の場合です。800万円を超える所得に対しては中小法人であっても23.2%の税率が適用されます。

このほか、試験研究費による損金の額の一部を法人税額から控除する「中小企業技術基盤強化税制」、生産性を向上し、IT化を促進させるための投資を支援したり、先端技術や生産ラインを改善するための設備投資を支援したりする「中小企業投資促進税制」、商業・サービス業に活気を与える「商業・サービス業・農林水産業活性化税制」など、中小企業の節税対策に役立つ税制度が各種用意されています。

今回は、このような中小企業をサポートする減税措置や投資促進税制について見ていきたいと思います。 

中小企業技術基盤強化税制

「中小企業技術基盤強化税制」とは、試験研究費の一部を法人税から控除することができるという税制です。

損金としての試験研究費がある場合、その試験研究費の一部は、事業年度の法人税の控除対象となります。限度額は法人税額の25%で、試験研究費の12%が税額から控除されます。ただし、平成29年4月1日から平成31年3月31日の間に始まる事業年度については限度額は35%で、試験研究費の12%に、増加割合から5%を控除し、0.3を乗じた率を加算した率(17%が上限)が控除されます。

適用の対象は、青色申告をしている中小企業者または農業協同組合などです。ここでの中小企業の定義は、資本金または出資金が1億円以下の法人、資本金または出資金がない場合は従業員数が1,000人以下の法人、従業員数が1,000人以下の個人事業主や農業協同組合などとなります。

※ただし、大規模法人に発行済株式、出資金の総額、総額の2分の1以上を所有されている場合、あるいは、2社以上の大規模法人に発行済株式、出資金の総額、総額の3分の2以上を所有されている場合のいずれかは対象外となります。

対象とされる試験研究費は、製品の製造や技術の改良、企画の立案、発明に関する研究の原材料費や人件費および経費、試験研究を委託する場合の外注費などです。

中小企業投資促進税制

「中小企業投資促進税制」とは、生産性の向上、あるいはIT化を促進するための投資において特別償却または税額の控除が認められるという制度です。

対象となる機械装置や設備の購入、製作をした場合、取得金額の30%の特別償却または7%の税額控除のどちらかを選ぶことができます。

ただし、税額控除を選択できるのは、中小企業投資促進税制の対象になる中小企業のうち、資本金3,000万円以下の法人のみです。

また税額控除額はその事業年度の法人税額または所得税額の20%までが上限です。税額控除の限度額を超える金額については、その後1年間繰り越すことができます。

平成31年3月31日までの投資に対して適用されます。なお、中小企業投資促進税制は、中小企業の投資の活性化を図るために設けられた、税制優遇する上乗せ措置です。

上乗せ措置の適用には条件があり、「先端設備」または「生産ラインやオペレーションを改善するための設備」のどちらかに該当する設備に限られます。

個人事業主、資本金3,000万円以下の法人

・生産性向上に資する一定の設備以外 特別償却30% 税額控除7%
・生産性向上に資する一定の設備(上乗せ措置の対象)  特別償却 即時償却 税額控除10%

資本金3,000万円を超え1億円以下の法人

・生産性向上に資する一定の設備以外 特別償却30% 税額控除 適用なし
・生産性向上に資する一定の設備(上乗せ措置の対象)  特別償却 即時償却 税額控除7%

商業・サービス業・農林水産業活性化税制

商業・サービス業などを営む中小企業者が設備投資した場合の特別控除または税額控除制度もあります。

本制度は、個人事業主および中小企業者の設備取得に関して特別償却または税額の控除が提供されるもので、器具備品、建物附属設備の購入や、製作を行った場合、取得価額の30%の特別償却または7%の税額控除のどちらかを選んで適用できるものです。

税額控除の限度額は、その事業年度の法人税額または所得税額の20%までで、その限度額を超える金額に関しては、1年間繰り越すことが可能です。

なお、平成31年3月31日までの間に取得したものが適用となります。なお、本制度を利用するには、青色申告をしている個人事業主や中小企業者であり、さらにアドバイス機関による経営改善についての指導や助言を受けたと証明できる書類が必要です。

アドバイス機関というのは、認定経営革新等支援機関、商工会議所、商工会、都道府県中小企業団体中央会、商店街振興組合連合会、農業協同組合、農業協同組合連合会、農業協同組合中央会、都道府県農業会議、森林組合、森林組合連合会、漁業協同組合、漁業協同組合連合会、生活衛生同業組合、都道府県生活衛生営業指導センターをいいます。

そのほかの減税措置や投資促進税制

ほかにも、30万円未満の試算については即時に全額経費にできる「少額減価償却資産の特例」や、再生可能エネルギーを導入したり省エネを促進するための投資をサポートする「環境関連投資促進税制(グリーン投資税制)」、従業員の新規雇用を応援する「雇用促進税制」などさまざまな減税措置や投資促進税制がありますが、いずれも対象設備や指定事業など要件の規定がありますので、詳細を知りたい場合や検討している場合はしかるべき機関に問い合わせましょう。

まとめ

さまざまな減税措置や投資促進税制があることがわかりました。もっと詳しく知りたい方は国税庁のホームページや中小企業庁ホームページを訪れてみましょう。

国税庁には各種制度の概要などが掲載されています。中小企業庁では中小企業関連税制のほかに中小企業支援施策についての情報も掲載され、また、国が認定した経営革新等支援機関の一覧も公表されています。

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※掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:緒方 康人 (公認会計士 / 税理士)

税理士法人ゆびすい
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