損益分岐点とは何か?経営者が意識すべき売上高とは

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経営をするうえで、利益を出すためにはたくさん販売することが基本になりますが、どれくらい販売すれば黒字になるのか、その数値目標を持つことはとても重要なことです。今回は、黒字化のために達成すべき売上高である損益分岐点と、それを求める算式などについて解説していきます。

損益分岐点とは

損益分岐点(BEP : break-even point)とは、係る費用を収益でカバーでき、損益が「0」になってこれ以降は利益が出る、という売上高をいいます。

当然のことながら、売上高すべてが利益というわけではなく、売上高から人件費や家賃などの経費を引いて利益を出していきます。費用には、売上に比例して増加する変動費と売上に関係なく発生する固定費があります。

変動費

原材料費、仕入原価、外注費、販売手数料など

固定費

人件費、地代家賃、リース料、広告宣伝費など

売上高の多少にかかわらず発生する固定費は、利益を発生させるためには必ず回収しなければならないという意味で最低限必要な金額になります。そのうえで、売上高に比例して増加する費用を上乗せし、それを上回る売上高はいくらになるかを計算します。

324_損益分岐点

上の図で説明すると、売上高にかかわらず一定のラインで発生する固定費があり、その上に売上高に応じた費用が発生する変動費があります。売上が増えていって、固定費と変動費を上回ることになる点が損益分岐点となります。これを算式で表すと、次のようになります。

損益分岐点売上高=固定費÷{(売上高−変動費)÷売上高}

ここで、売上高から変動費を引いたものを「限界利益」と呼びます。 限界利益=売上高−変動費限界利益は、1個商品を売ったときにどれだけ固定費を回収できるかを表しています。それでは具体例で考えてみましょう。

具体例

1個80円で仕入れた商品を120円で販売しています。1カ月の固定費が50万円だとすると、利益を生み出すには何個売らなければならないでしょうか?

120円で販売しており、仕入原価は80円なので、限界利益は120円−80円=40円となります。

固定費50万円を回収するためには、50万円÷40円=12,500個売る必要があることがわかります。そうすると、利益が0になる売上高は、販売額にこの12,500個を掛ければ求められます。

120円×12,500個=150万円ということです。これは、先ほどの損益分岐点の計算式でも同じ結果になります。

50万円÷{(120円−80円)÷120円}=150万円

さらに経営指標として、次の2つがあります。

損益分岐点比率

損益分岐点比率とは、実際の売上高と損益分岐点売上高の比率を計算したものです。計算式は、損益分岐点売上高を実際売上高で割ります。

この数字は、低ければ低いほど、売上低下による赤字への影響が少ないといえます。

損益分岐点比率=損益分岐点売上高÷実際売上高×100

この時の比率によって、企業の体力が見えてきます。

・60%未満:超優良企業
・60~80%:優良企業
・81~90%:普通企業
・91~100%:損益分岐点企業
・100%超:赤字企業

具体例

損益分岐点売上高が150万円で、実際売上高が200万円の場合150万円÷200万円×100=75%となります。

今回の具体例の場合、75%なので、優良企業に分類されることになります。安全余裕率実際の売上高を100%とした場合に、実際の売上高と損益分岐点の差が何%になるかを計算し表した指標です。

高ければ高いほど良いという指標となります。

安全余裕率=(実際の売上高-損益分岐点売上高)÷ 実際の売上高 × 100 【具体例】 損益分的売上高が150万円で、実際売上高が200万円の場合 (200万円− 150万円)÷ 200万円 × 100 = 25%

この25%という数字は、売上が25%落ちたら赤字になるという数字です。損益分岐点は、経営をするうえでは絶対に理解しておかなければならないものといっても過言ではありません。

実際に学んだことがない人でも、商売をやっている人は直感的にどれくらいが採算ラインか理解しているものです。損益分岐点を理解し、つねに黒字経営ができるよう、目標設定することから始めてみてはいかがでしょうか。

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Bizpedia編集部

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