住民税のしくみと手続きについて徹底解説!

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住民税とは、地方自治体がさまざまな行政サービスを提供するために住民から徴収している地方税であり、道府県民税(都民税を含みます)と市町村民税(区民税を含みます)とあわせて「住民税」と呼ばれています。税率は、所得に関係なく均等に課税される「均等割」と、所得の金額に応じて課税される「所得割」からなり、この合計額が地方自治体に納める住民税となります。

住民税には個人に課せられる個人住民税と、法人に課せられる個人住民税がありますが、本項では、個人に課せられる個人住民税のしくみとその手続きについて解説します。

住民税の性質

地方自治体に納める住民税は、ゴミの収集や教育、福祉など、公共事業や公共施設などの行政サービスを行うために徴収されます。

課税に際しては、「均等割」の部分を除き、所得が多い人がより多くの住民税を負担するという点や、個人の事情に配慮して控除がある点など、所得税と似た性質を持っているといえるでしょう。所得税と大きく異なるのは、納める時期です。

所得税は、給与所得のみの方は給与から天引きされ今年中に納付、個人事業主の方でも確定申告に伴い翌年3月15日までには納付することとなります。
これに対して、住民税は年末調整や所得税の確定申告の後に課税額が算出されるため、納付は翌年6月~翌々年5月となり、所得税と比べ1年近くも遅くなります。したがって、住民税については翌年所得がゼロであっても、今年の所得が多ければ、翌年に多くの住民税を支払うこととなります。

住民税の内訳

住民税は、「均等割」と「所得割」から課税額が算出されます。所得割の標準税率10%のうち4%は道府県民税、6%は市町村民税です。

均等割については、平成25年度までは道府県民税1,000円と市町村民税3,000円の合計4,000円でしたが、平成26年度から平成35年度までの10年間においては、「東日本大震災からの復興に関し地方公共団体が実施する防災のための施策に必要な財源の確保に係る地方税の臨時特例に関する法律」に基づき、道府県民税、市町村民税がそれぞれ500円引き上げられ合計5,000円となっています。

なお、住民税の税率は行政サービスの事情等により均等割額への上乗せや所得割の税率変更が認められているため、各地方自治体によって異なる場合があります。

住民税課税の有無

住民税は原則として「均等割」と「所得割」が課税されますが、ケースによっては課税されない方もいます。

納税義務がある方

・1月1日時点でその市区町村に住所をおいている方は、均等割・所得割とも納税義務あり
・1月1日時点でその市区町村に住所はおいていないが、事務所や家屋を所持している方は、均等割のみ納税義務あり

均等割・所得割とも課税されない方(分離課税される退職所得がある場合を除く)

・生活保護受給者
・障害者、未成年者、寡婦又は寡夫で、前年の所得が125万円以下の方
・前年の所得が市市区町村の条例で定める金額以下の方

均等割が課税されない方

・前年の所得が市区町村の条例で定める金額以下の方

所得割が課税されない方

・前年の所得が(控除対象配偶者+扶養親族+1)×35万円+32万円以下の方
・控除対象配偶者・扶養親族がいない場合は35万円以下の方

納付書送付までの流れ

個人の住民税額は、給与所得者のみの場合、勤め先から市区町村役場へ給与支払報告書が送られ、これに基づいて住民税が算出されて、市区町村役場から会社へ決定通知書と納付書が送られます。この金額を12等分して毎月の給料から天引きするのが一般的です。これを「特別徴収」といいます。この場合の道府県民税と市町村民税は自分が直接納める必要はありません。

個人事業主の場合は、所得税の確定申告により市区町村役場に所得の情報が伝わり、住民税が算出されて決定通知書と納付書が送られます。道府県民税と市町村民税合わせて1冊の納付書になっています。その納付書によって金融機関などに住民税を支払うことを「普通徴収」といいます。この場合は、道府県民税と市町村民税は直接、自分が納める必要があるわけです。

住民税の申告が不要の方、必要な方

住民税には、前述のように市区町村へ所得情報が伝わることにより住民税の申告が不要になる場合と、住民税の申告が必要な場合があります。

まず、申告が不要な方は、給料や公的年金等のみで住民税が特別徴収される方、確定申告をされる方です。

申告が必要な方は、上記以外の方です。たとえば給料から天引きされていないアルバイトやパートの方、未公開株式の配当や大口株主が受ける上場株式等の配当があった場合、生命保険や損害保険の年金や一時金、満期返戻金を受け取った場合、国や地方公共団体その他の団体から手当や補助・給付金を受けた場合で確定申告をしていない方です。前年中に退職した方で勤務先から市区町村役場に給与支払報告書が提出されていない場合も申告が必要です。

また、1月1日にその市区町村に住所がなくても、事業所や家屋がある方は均等割が課税されるため、申告が必要です。なお、前年の所得が、均等割が非課税となる金額以下の方や所得がなかった方については市区町村によって申告の要否が異なるのでご確認ください。

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※掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:加地 延行 (公認会計士 / 税理士)

税理士法人ゆびすい
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