道府県民税と国税との関係は?

所得税や法人税は国税ですが、個人、法人ともに住民税は地方税です。住民税とは、道府県に納める道府県民税と市町村に納める市町村民税の総称です。所得税も住民税(道府県民税・市町村民税)も所得に基づいて算出されるものですが、それぞれに納める先が異なります。

では、それぞれに申告を行わないといけないのかというと、そうではありません。各所轄税務署へ確定申告を行うことで、住民税の納税額へも反映されることとなります。

今回は、地方税の性質、個人住民税と法人住民税の違い等を含め、地方税の特徴について解説します。

地方税の性質

国税である所得税と地方税である住民税(道府県民税・市町村民税)は、単に納付先が違うというだけではありません。日本の税制は、公平・中立・簡素が基本原則ですが、地方税についてはこれ以外に、地方税独自の原則があるといわれています。平成9年に旧自治省税務局編で出された「地方税制の現状とその運営の実態」によると、地方税原則として、普遍性、安定性、伸長性、伸縮性、負担分任性、応益性等があげられています。

この地方税原則が意味するところは、地方の経費には経常的なものが多く、安定的であることが望ましく、また昨今は住民の福祉を担っている地方の支出は増加傾向にあるため、地方税はそれに対応して伸びていくべきということでしょう。さらに、特定の地域に税収が偏ることは好ましくありません。普遍性の原則をもって、税収が見込める税制でなければならないという理念です。

個人住民税について

住民税とは、道府県に納める道府県民税や事業税や市町村に納める市町村民税のことです(東京都は都民税、23区は特別区民税)。道府県民税は道府県が徴収するもので、市町村民税は市町村が徴収するものですが、実際には市町村が合計額を徴収しています。

住民税には、個人に課する「個人住民税」と、会社などの法人に課する「法人住民税」があります。

住民税の納付額は、定額で課税される「均等割額」と前年の所得金額によって課税される「所得割額」の合計額です。ただし、専業主婦や学生、所得が一定以下の方は非課税となる場合もあります。

個人住民税(道府県民税・市町村民税)の納付方法

個人住民税(道府県民税・市町村民税)の納付方法には、「特別徴収」と「普通徴収」という2つの種類があります。

特別徴収」とは、給与所得者などが支払うべき税金を毎月の給与から天引きの形で徴収されることをいいます。会社が手続きを行い、納付も済ませてくれるので納税者自身は特にすることはありません。

普通徴収」とは、送付されてきた納付書で支払うことです。個人事業主は確定申告の後、それに基づいて算出された納付書が5月中に送られてきます。納付書は道府県民税・市町村民税で1冊になっています。その納付書によって、銀行や郵便局などの金融機関やコンビニエンスストアで支払いをします。第1期の納付期限は6月末、2期は8月末、3期は10月末、4期は1月末ですが、一括納付も可能です。

法人住民税について

法人が払う主な税金は、法人税、地方法人税、法人住民税、事業税、地方法人特別税です。このうち、法人住民税、事業税が地方税となります。なお、地方法人特別税は国税ですが、申告と納付は事業税と一緒に各地域の自治体に対して行います。

個人住民税(道府県民税・市町村民税)は各地方自治体が課税額を算出して納付書を送付するのですが、法人住民税は「申告納付」となっています。

申告納付」とは、納税者が税額を算定し、自ら道府県、市町村まで納付することをいいます。
なお、法人住民税の納付額は「均等割」と「法人税割」の合計となります。
均等割」は、資本金などの額および従業員の数基礎として税額が決まっています。これは、たとえ赤字であっても課税されます。なお、「法人税割」は、法人税で計算した金額を課税標準として住民税の税率を掛け合わせて計算します。

まとめ

住民税(道府県民税・市町村民税)は地方税で、地方自治体が住民へのサービス、行政を行うために使われる税金です。それに対し、所得税は国税です。国が国民へのサービス、行政を行うために使います。

自らの生活を守るために使われる所得税及び住民税(道府県民税・市町村民税)の性質や納付方法を理解し、納付書が送られてくる個人事業者の方などは納付漏れが起きないように気を付けましょう。

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監修:土屋 英則 (税理士)

税理士法人ゆびすい
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