総勘定元帳を正しく理解していますか?理解しておきたい総勘定元帳の基礎と作り方

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仕訳帳とならんで主要簿である総勘定元帳とは、すべての取引を勘定科目ごとに記録するための帳簿です。

総勘定元帳とは何のためにあるのか、勘定ごとに記帳することで何がわかるのかなどを明らかにした上で、仕訳帳から転記して、総勘定元帳を作成する手順について説明します。

総勘定元帳とは

複式簿記において、主要簿は「仕訳帳」と「総勘定元帳」です。仕訳帳がすべての取引を日付を追って記録する帳簿であるのに対して、総勘定元帳とはすべての取引を勘定科目ごとに記録していく帳簿です。

取引が発生すると、まず、その内容は日付ごとに仕訳帳に記入されます。次に、勘定科目ごとに勘定口座を作り、仕訳帳に記載されている仕訳を転記したものが総勘定元帳です。

そして、期末にはこの帳簿をもとに貸借対照表や損益計算書などの決算書類が作成されます。

勘定科目ごとに記帳することで何がわかるのか

複式簿記は日々の取引を記録するだけでなく、会社の財務状態を把握するために作られるものです。日付順に記録する仕訳帳だけでは、その情報を得るのは容易ではありません。

例えば、現時点で「現金がどのぐらいあるのか」「借入金はどのぐらいあるのか」を知りたいとしても、日付順に記録してある取引のなかから「現金」「借入金」という勘定科目だけを集計するとしたら、膨大な時間がかかってしまいます。

勘定科目ごとに記録されている総勘定元帳があれば、そのような手間は必要ありません。「現金」「借入金」という勘定科目を見れば、すぐに残高を確認することができるのです。

そのため、事業を経営していく上では欠かせない重要な書類です。

総勘定元帳の作り方

総勘定元帳とは、勘定科目ごとに作られた勘定口座に、仕訳帳に記入した内容を書き写すことで作られるものです。それでは、具体的な例を用いて、仕訳を転記して総勘定元帳を作ってみましょう。

仕訳帳から総勘定元帳への転記方法

「3月5日に5,000円のメンズシューズが現金で売れた」というケースを考えてみます。このときの仕訳は、以下のようになります。

仕訳帳

日付 借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額 摘要
3月5日 現金 5,000 売上 5,000 メンズシューズ

このときに使用されている勘定科目は「現金」「売上」ですので、総勘定元帳の現金と売上の勘定口座を開き、仕訳を記入していきます。

まず、現金の勘定口座では、日付、相手勘定科目、金額、摘要を転記します。このとき、仕訳帳に記載されている金額が借方、貸方のどちらかを間違えないように注意する必要があります。

最後に、残高を計算して記入します。

総勘定元帳 <現金>

日付 相手勘定科目 摘要 借方 貸方 残高
前月より繰越 10,000
3月5日 売上 メンズシューズ 5,000 15,000

次に、売上の勘定口座でも、同様に日付、摘要、相手勘定科目、金額を転記し、残高を計算します。

総勘定元帳 <売上>

日付 相手勘定科目 摘要 借方 貸方 残高
繰越 300,000
3月5日 現金 メンズシューズ 5,000 305,000

相手勘定科目が複数にわたるときの転記方法

「先月の売掛金15万円が手数料の525円を差し引かれて、4月3日、銀行の普通預金口座に149,475円が振込された」というケースでは、相手勘定科目が2つとなります。

このときの仕訳は、以下のようになります。仕訳帳では、「売掛金」に対して、「普通預金」「手数料」という2つの勘定科目を用いて、詳細に記載します。

仕訳帳

日付 借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額 摘要
4月3日 普通預金 149,475 売掛金 150,000 メンズシューズ
手数料 525

このように、借方や貸方において複数の勘定科目を使う仕訳を「複合仕訳」といいます。複合仕訳を総勘定元帳に転記するときには、「諸口」という勘定科目を用い、1行にまとめます。

総勘定元帳 <売掛金>

日付 相手勘定科目 摘要 借方 貸方 残高
繰越 300,000
4月3日 諸口 売掛金回収 150,000 150,000

諸口の具体的な内容が知りたいときには、同日の仕訳帳に戻れば確認することができます。

まとめ

このように、複式簿記の主要簿である総勘定元帳とは、日々の取引内容を記録するばかりでなく、会社の財務状況を把握するために重要な書類です。

総勘定元帳に間違いがあると、決算のときに困ることになります。仕訳帳から転記する総勘定元帳の作成手順について、正しい知識を身につけましょう。

※掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:三井 啓介 (公認会計士 / 税理士)

税理士法人ゆびすい
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