手形と小切手の違いを正しく理解していますか?手形と小切手の特徴を解説

お金の代わりとして使えるものに、手形と小切手があります。似たようなもの、と解釈している人が多くいるかもしれませんが、その性質は異なります。ここでは、手形と小切手の違いについて解説します。

手形と小切手の違い

手形と小切手は、用紙に金額、日付等の必要事項を記入し相手に渡し(振り出し)、支払いをするという点では共通していますが、大きな違いがあります。
それは、小切手が受け取り直後に現金化できるのに対して、手形は記載された期日後でなければ現金化(割引する場合などを除く)できない点です。
その他にも、さまざまな特徴があるので、下記で小切手、手形それぞれについて説明します。

小切手

取引の際に多額の現金を使うと、持ち運びが不便であったり、盗難の危険性があったりするため、小切手がよく使われます。小切手は、金額が記入された紙で、現金の代わりになります。

前述の通り、小切手はすぐに現金化できるものです。そのため、小切手を振り出す際には、記入する金額以上のお金が当座預金に入っていなくてはなりません。

小切手の振り出し方法

小切手は、法律的には、必要事項を記載した紙であれば原則使用可能ですが(小切手法第1条)、銀行では安心してスムーズに取引ができるよう、様式を統一した小切手用紙が使われています(銀行が交付していない小切手の場合、銀行では換金できません)。

小切手用紙の交付を受けるためには、小切手の取引に使用する当座預金口座を開設する必要があります。銀行から交付された小切手用紙は、あらかじめ必要事項が印刷してあるため、以下の内容を記入し銀行届出印を押すことで小切手が完成します。

1.金額
2.振出日
3.振出人

通常、小切手の振出日には、通常では作成日時を書きますが、先日付小切手(受取人の承諾を取り、決済日を将来の日にしてもらう小切手)の場合は作成日より先に設定できます。なお、先日付小切手の場合でも、小切手は銀行に提示した時に現金化してもらえるので、そのことを理解した上で振出すことが必要です(小切手法第28条2項)。

小切手を換金するには

小切手を換金するには 小切手を受け取った場合は、支払銀行に持って行き、小切手を見せ支払請求する(店頭呈示)ことで現金化できます。
また、記載の支払銀行に持って行かなくても、自分の取引銀行に依頼して取立委任することで、後日、口座に小切手分の金額が振り込まれます。
なお、小切手を換金できる期間は、振出日の翌日から数えて10日目までです(小切手法第29条第1項)。

手形

手形は、一定の期間後に支払うことを約束して発行するものです。そのため、小切手と異なり、取引をする時点で必要金額が手元になくても、発行することができます。手形には、為替手形と約束手形があります。

為替手形

為替手形とは、三者間の取引を伴う手形で、例えば、A社がB社に50万円、B社がC社に80万円のつけがある場合に、A社からC社に直接50万円を支払ってもらうための手形です。

このような場合、B社(振出人)がA社(支払人)に手形を呈示して、C社(受取人)への支払いを依頼します。A社が承諾して署名をすることで、為替手形が完成します。

3社の債権債務を一気に片付けることができ便利な為替手形ですが、日本において使われることはほとんどありません(輸出入における代金取立の際に使われるケースはあります)。そのため、ここでは、主に約束手形について解説します。

約束手形の振り出し方法

約束手形の振り出し方法 約束手形も銀行が交付する約束手形用紙に記入するのが、一般的な方法です。約束手形は、下記の1~5までを記入し、6、7の手順を踏むことで完成します。

1.金額
2.振出日
3.支払期日

支払期日は、振出日より後である必要があり、振出日より前の日付が書かれた手形は無効です。

4.受取人
5.振出地の住所・振出人の署名
6.銀行届出印を押す
7.10万円以上の場合は印紙を貼り、消印

手形の割引

手形は、お金を回収するためには支払期日になるまで待たねばなりません。
しかし、期日前に現金が必要な場合には、「手形の割引」という仕組みを使って金融機関で手形を買い取ってもらうことも可能です。その場合、支払期日までの利子分を手形の表示金額から引かれた額が支払われます。
なお、手形の割引は、金融機関にとっては融資の一形態であるため、取引時には必要書類を提出した上で審査が行われるため、初回の申込時には最低でも1週間~10日ぐらいの日にちがかかると考えておく方がよいでしょう。

手形の注意点

手形は振り出すときに、「信用」をもとに、必要金額が手元になくても発行できる約束証書です。
そのため、支払期日までに必要金額を用意すればよいことになります。 支払期日までに必要金額を用意できない場合は、手形の不渡りとなり、会社の信用を損ねるため、確実に支払期日までに資金繰りができるようにしましょう。
不渡りを半年で2回行った場合は、2年間銀行との取引中止処分となり、倒産につながります。万が一、資金が用意できない場合は受取人に支払期日を延ばしてもらうといったことも交渉としてできますが、既に手形が割引や裏書されている場合にはそのような交渉もできませんので、手形の発行は慎重に行いましょう。

まとめ

手形と小切手について解説しました。振り出しのときにお金の用意をしなければならない小切手と、一定期日に支払いをする手形。それぞれの特徴を理解して活用しましょう。
特に手形については、将来の一定時点での決済を約束して振り出すため、資金繰りを把握した上で、不渡りには十分注意するようにしてください。

監修:山邊 泰匡 (公認会計士)

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