消費税の増税前とどっちがお得?すまい給付金のメリットとデメリットを解説

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すまいの給付金

すまい給付金が導入されてから、3年が経過しました。住宅を買う際の負担を軽減する制度としては住宅ローン減税もありますが、これは所得税と住民税から控除する仕組みになっているため、収入の多い人ほど恩恵を受けられるという制度でした。そこで、誰もが家を買いやすくするために生まれたのが、すまい給付金でした。

では、すまいの給付金はどういった制度なのでしょうか。これからマイホームを買う予定の人も、予定はないけれど買いたいという人も、一緒に確認してみましょう。

すまい給付金の概要

給付対象者

すまいの給付金を受け取るためには最低でも下記の2つの条件を満たす必要があります。

消費増税以降に住宅を購入し、自分でそこに住んでいること
収入が一定以下であること

すまい給付金の目的は消費増税による負担軽減と住宅ローン減税を補うことですからこれらの条件を満たさないと受け取ることができません。受け取ることができる収入の目安は、収入のない妻と中学生以下の子供が2人いる4人家族の場合で、510万円以下となっています。(消費税8%の場合です。10%に増税された場合は775万円になります。)

給付金の概要

受け取ることができる給付金の金額は「給付基礎額 × 持分割合」で求めることができます。ですが、会社員の場合と個人事業主の場合では一部考慮すべき項目が異なるので注意が必要です。以下で具体的にどう計算すればいいのかを解説します。

会社員の場合

給付金の額は「給付基礎額 × 持分割合」という計算式によって求められます。

給付基礎額とは、住宅取得者の収入をもとに決定されるもので、金額に応じて10万円・20万円・30万円の3段階が用意されています。
※消費税10%引き上げ後は50万円までの5段階

ただし気をつけたいのは、ここでいう「収入」が「額面収入」ではなく、各都道府県の住民税の「所得割額」だという点です。所得割額は原則同じです(一部住んでいる都道府県によって変わってきます)が、住民税の課税証明書を発行してもらえば確認することができます。

持分割合というのは不動産登記上の用語で、その不動産のうちどれくらいの割合を所有しているかを示すものです。こちらは登記事項証明書の権利部で確認することができます。

会社員の場合の計算例

それでは下記の条件を例に実際にどの程度のすまいの給付金を受け取ることができるのかを計算してみましょう。

・消費税率8%
・一人で所有
・住宅ローンの利用あり
・年収500万円
・扶養家族2人

最初に給付基礎額を求めます。

所得割額を正確に算出するためにはどこの都道府県に住んでいるかがわからなければいけませんが、地域によって大幅に変わるものでもないため、ここでは概算しましょう。上の条件の場合、所得割額はおよそ75,800円となります。

消費税率8%の間は、所得割額と基礎給付額の関係は次のように設定されています。

・6.89万円以下 → 30万円
6.90万円~8.39万円 → 20万円
・8.40万円~9.38万円 → 10万円

所得割額が75,800円ですから、基礎給付額は20万円ということになります。

また、住宅の所有者は本人だけですから、持分割合は100%です。

つまり、給付額は「20万円 × 100%」で20万円となります。

個人事業主の場合

個人事業主であっても、基本的な考え方は会社員の場合と変わりません。給付金の額を求めるための計算式は、同じくです。

ただし、個人事業主の場合はそれぞれで経費が変わってきます。そのため、収入だけを目安に基礎給付額を概算することができません。収入から給付金を考えるのではなく、課税証明書に記載されている所得割額を必ず確認するようにしましょう。

個人事業主の場合の計算例

個人事業主の場合も会社員の場合と同条件の人を想定して計算してみましょう。

・消費税率8%
・一人で所有
・住宅ローンの利用あり
・年収500万円
・扶養家族2人

ただし経費については、税務署がサービス業の場合の目安として設定している50%とします。

この場合、所得金額は「500万円-250万円」で250万円です。すると所得割額は、およそ42,200円と概算できます。所得割額が6.89万円以下ですので、給付基礎額は30万円ということになります。

あとは、会社員の場合と同様に計算していくと、30万円という給付額が求められます。

すまい給付金の金額が変化する要因の一覧

このように、すまい給付金の給付額は収入や持分割合によって決定されるわけですが、ほかにも金額を左右する要因がいくつかあります。

たとえば、扶養家族の人数住宅ローンの有無は住民税の控除額に影響を与えますので、当然ながら所得割額も変わってくることになります。また、個人事業主の場合であれば、業種や業績はもちろん、確定申告の方法によっても経費が変わりますので、変動はより大きくなるといえます。

さらに最も大きな変化は、消費税率です。現状では8%ですが、ご存じのように将来的には10%に引き上げられる予定となっており、収入と給付基礎額との対応もまったく変わる予定です。

申請方法

基本的にすまい給付金は、住宅を購入した本人が申請して本人が受け取るものです。しかし、申請手続きを行うことができるのは実際に入居してからという決まりがあるため、住宅購入代金として直接充てることはできなくなってしまいます。

そこで、住宅事業者などの代理人が給付金を受け取って住宅代金に充てるという方法もあります。

本人が受け取る場合には、必要書類を揃えてすまい給付金事務局に郵送するか、全国のすまい給付金申請窓口に持っていくだけです。この時、実際に手続きをするのは本人でなくても構いません。

一方、代理人が受け取る場合には必ず窓口で申請しなければなりません。また、手続きを行うのは代理人でなければなりません。本人の場合と代理人の場合とで方法が違うことに注意しましょう。

申請に必要な書類

さて、それでは申請するためにはどのような書類が必要なのでしょうか。申請書類については、国土交通省すまい給付金の公式ウェブサイトからダウンロードすることが可能ですので入手は簡単です。

ただし、重要なポイントがあります。それは、新築住宅の場合中古住宅の場合で必要な書類が違うということです。また、住宅ローン利用の有無によっても書類が変わってきますし、本人が受け取る場合と代理人が受け取る場合でも別の書類が用意されています。

つまり、

1.新築 ローン有 本人
2.新築 ローン有 代理人
3.新築 ローン無 本人
4.新築 ローン無 代理人
5.中古 ローン有 本人
6.中古 ローン有 代理人
7.中古 ローン無 本人
8.中古 ローン無 代理人

と8種類もの申請書が用意されているというわけです。しっかりと自分に合った申請書を選ばなければ二度手間・三度手間になってしまいますので、よく気をつけましょう。

まとめ

このように、すまい給付金は消費増税後にマイホームを買おうと検討している人にとっては、とても便利な支援制度だといえます。

しかも、収入が低い人ほど多くの恩恵を受けられる制度です。消費税の増税で夢のマイホームを諦める前に、この給付金の活用を検討してみてはいかがでしょうか。

監修:緒方 康人 (公認会計士 / 税理士)

税理士法人ゆびすい
ゆびすいグループは、国内8拠点に7法人を展開し、税理士・公認会計士・司法書士・社会保険労務士・中小企業診断士など約250名を擁する専門家集団です。
創業は70年を超え、税務・会計はもちろんのこと経営コンサルティングや法務、労務、ITにいたるまで、多岐にわたる事業を展開し今では4500件を超えるお客様と関与させて頂いております。
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