不動産で相続すると現金よりもお得?!改正後の相続税の見逃せない節税ポイントまとめ

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不動産相続税金対策

相続はそのまま現金で相続するよりも、不動産で相続したほうが安くなることをご存じですか?

今回は不動産で相続する方法だけでなく、実際に計算してみることによってどれだけ差が出てくるのか、相続する際の注意点などをまとめました。

不動産相続に関する基礎知識

不動産が相続税対策になる理由

現金の価値は相続開始前後で変わることはありませんが、不動産の価値は相続開始となった時の状況に左右されます。

たとえば両親と長男の一家が2世帯住宅で暮らしていて、内部構造は完全に分割されていますが、土地や家屋はすべて祖父名義だった場合を考えてみます。

ある日祖父が亡くなり、土地と家屋をそれまで一緒に同居していた長男が相続することになりました。

しかしすべての宅地と家屋が祖父名義であったとしても、祖父の住居部分は長男一家は使用しておらず、その部分に関して相続税が課税されてしまうのはあまりにも理不尽です。

こうした場合に対する配慮から、一定条件に該当する場合には相続税の負担を軽減するための措置を適用することができることとなりました。

このような小規模宅地等の特例を受けることができるため、不動産で相続したほうが相続税の負担を軽くすることができる場合があります。

不動産の評価額の算出方法について

土地と建物で評価方法が異なります。
土地の評価方法は、路線価方式倍率方式のいずれかによります。路線価が定められている地域は路線価を適用し、路線価が定められていない地域に対しては倍率方式が用いられます。

さらに、

・建築基準法によりセットバックが必要な場合
・間口が狭小な場合
・奥行きが長大な場合
・宅地が不整形の場合
・私道に隣接する場合
・騒音、日照阻害、臭気など利用価値が著しく低下している場合

といった特殊な宅地の場合には、減額して評価することができるようになっています。一方の建物に関しては、固定資産税評価額と同額となります。

現金での相続と不動産による相続時における節税効果の違い

建物の評価額は固定資産税評価額と同額になることは先ほど紹介しました。
では、もしもその家屋が建築中だとしたら、まだ固定資産税の評価額が付与されていないことになります。そのような場合はどのように評価されるのでしょうか。

建築途中の家屋の評価額は、費用現価×70%という算式によって評価されます。費用現価とは、総工費に進捗率をかけたものをいいます。

たとえば総工費2,000万円の家屋が相続開始となった時点で進捗率によって下記の図のように費用現価が変化します。

進捗率 40% 2,000万円(総工費)×40%(進捗率)=800万円
進捗率 5% 2,000万円(総工費)×5%(進捗率)=100万円

これらの費用現価からさらに70%を乗じることになるため、

進捗率40%の場合
800万円×70%=560万円

進捗率5%の場合
100万円×70%=70万円

がそれぞれの評価額となります。この結果、現金2,000万円で相続するよりも、建築中の家屋で相続したほうが進捗率に応じて減額されるため、節税できることがわかります。

小規模宅地等の特例の活用

複数の条件を満たす必要がありますが、小規模宅地等の特例を適用することでさらに多くの控除を受けることができます。

条件
1.相続開始前3年以内に贈与された宅地ではないこと
2.相続時精算課税によって贈与された宅地ではないこと
3.相続開始の直前まで祖父が居住の用に供していた宅地であること
4.祖父の配偶者は、相続により取得することで要件を満たします。
5.祖父と同居していた親族は、相続開始から相続税の申告期限までその家で住むことになっていること
6.祖父と同居していなかった親族の場合、かなり疎遠になっていた可能性があるため、日本国内の自己所有の家屋に居住したことがないことや、その人以外に相続人がいないこと、祖父の配偶者も他界していることなどの条件を満たす必要があります。

例えば、評価額が5,000万円の家屋で、宅地面積が330㎡以内の場合、小規模宅地等の特例を適用すると80%が控除されます。

減額される額:5,000万円×80%=4,000万円
相続税対象となる価額:5,000万円-4,000万円=1,000万円

不動産を相続する場合の注意点

現金であれば単純に相続人数で割ることができますが、不動産という形に変えてしまうことで相続が難航することがあります。なぜなら、1つの不動産を2人以上で所有すると民法上の共有という問題が生じるからです。

共有とは1つのものを2人以上で所有することをいいます。原則として共有持分である所有割合は平等とされていますが、法律による規定や遺言などがあればそれに従うことになります。もちろん遺言で遺産分割が禁止されているのであれば、当然それに従うことになります。

また、不動産に形を変えてしまうことで、固定資産税といった税金を相続後も支払い続ける必要も出てきます。相続人や親族が使用しておらず、売却しようにも買い手が見つからず、家屋は修繕する必要が出てきたりするなど維持費を負担しなければならないこともあります。

たしかに、現金で相続するよりも不動産のほうが相続税の負担を軽くすることはできますが、相続するときのことだけではなく長期的な視野で検討しなければ、結果として損をすることも十分にありえるので注意が必要です。

まとめ

現金で相続するよりも不動産で相続したほうが節税になることは、相続税法における一定の配慮という側面があります。

ですが、いくら節税対策になるとはいえ、その後何年も相続問題で揉めたり、親族関係が不和になってしまっては、いったい何のための節税だったのかということになってしまいかねません。そのようなことになるのであれば、相続税が多少高くついても仲良く円満に過ごすことで、被相続人の供養になるのではないでしょうか。
相続税額だけにとらわれず、現金と不動産のバランスを重視することが、相続においては大切です。

監修:土屋 英則 (税理士)

税理士法人ゆびすい
ゆびすいグループは、国内8拠点に7法人を展開し、税理士・公認会計士・司法書士・社会保険労務士・中小企業診断士など約250名を擁する専門家集団です。
創業は70年を超え、税務・会計はもちろんのこと経営コンサルティングや法務、労務、ITにいたるまで、多岐にわたる事業を展開し今では4500件を超えるお客様と関与させて頂いております。
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