知っておきたい支払調書の提出義務者・期限・提出先

事業者は、所得税法で源泉徴収が必要とされている報酬等を支払った場合、原則的には支払いをした翌月に徴収した源泉所得税等を国に納付します。この報酬等について、1年間の支払金額・源泉徴収税額等をまとめたものが支払調書です。

今回は、支払調書にはどのようなものがあるのか、またその支払調書に記載する項目をみていきます。

あわせて、提出義務者は誰になるのか、提出期限、提出先についても確認していきましょう。

主な支払調書の種類と内容

それでは、主な支払調書である「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」「不動産の使用料等の支払調書」「不動産の譲り受けの対価の支払調書」及び「不動産等の売買または貸付けのあっせん手数料の支払調書」について説明していきましょう。

1.報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書

弁護士、税理士、社会保険労務士等に報酬を支払う場合、及び原稿料や講演料を支払う場合などに必要となります。

支払側は、これらの支払いをするときには、所得税を源泉徴収することになり、1年間にどれだけ支払い、いくら源泉徴収したのかを記載し、税務署に提出します。

支払調書には、区分、細目と、支払金額や源泉徴収税額、支払いを受ける者や支払者の住所、氏名を記載します。ただし、弁護士・税理士等への報酬、作家への原稿料、画家への画料、講演料等については、同一の者への年間の支払金額が5万円以下の場合には提出不要となります。なお、上記以外にも支払調書の提出が必要となる報酬が規定されていますので、注意が必要です。

2.不動産の使用料等の支払調書

不動産の使用料等の支払調書の提出義務があるのは法人または不動産業者である個人となります。

不動産等の使用料を支払った場合に必要となり、事務所の家賃、また権利金や更新料、礼金等も含まれます。また、一時的な地代なども含まれます。ただし、法人に対して支払う家賃や賃貸料については権利料、更新料等のみを提出すればよく、家賃や賃貸料のみ支払っている場合は支払調書の提出義務はありません。

また、敷金や保証金については基本的には返還されるものであるため提出義務はありませんが、敷金や保証金が返還されないことが確定した場合には支払調書を提出する必要があります。

支払調書には、不動産の区分(家屋、事務所等)、その所在地、細目(家賃等)、計算方法、支払金額と、あっせん、仲介をした者がいればその詳細、使用料の支払者・支払いを受ける者の住所及び氏名を記載することになります。
ただし、不動産事業者である個人で、主に建物の賃貸借の仲介をしている場合や、代理を目的とした事業を行っている場合には提出義務はありません。また、同一の者に対する年間の支払いが15万円以下のものについては提出不要です。

不動産事業を営む法人に対して支払う料金が、権利金、更新料等のときのみ支払調書の提出義務が発生します。賃借料のみのときは支払調書の提出は不要です。

3.不動産の譲り受けの対価の支払調書

不動産等を譲り受け、同一の者に対して、その年中の支払金額の合計額が100万円を超えた場合に提出が必要となります。

不動産等の譲り受けの内容には、不動産の売買や交換をした場合、あるいは競売、現物出資、公売などによって取引をした場合も含まれます。

支払調書には、物件の種類・所在地・細目・数量・取得年月日・支払金額、あっせんした者がいればその詳細、支払者及び支払いを受ける者の住所及び氏名を記載します。

不動産等の譲り受けの代金の他に、補償金が支払われる場合は、摘要欄に補償金の種類と金額を記載します。

4.不動産等の売買または貸付けのあっせん手数料の支払調書

不動産等の売買や貸付に係るあっせん手数料を、同一の者に対しその年中で15万円を超える額を支払った場合に提出するものです。

ただし、「不動産の使用料等の支払調書」「不動産等の譲り受けの対価の支払調書」の「あっせんをした者」の欄に必要な記入がされている場合は提出の省略が可能です。また、不動産業を営む個人事業者で、主として建物の賃貸借の代理や仲介を目的とする事業を営んでいる者には、提出義務はありません。

支払調書には、区分、支払確定年月日・支払金額と、あっせんに係る不動産等の物件の種類・物件の所在地・数量・取引金額、支払者及び支払いを受ける者の住所及び氏名を記載します。

提出義務者等

提出義務者は、これらの支払いを行った者で、その提出先は、支払事務を行った事務所等の所在地を管轄する税務署になります。また、支払いを受けた側には支払調書を税務署に提出する義務はなく、さらに、支払った側も支払いを受けた側に対して支払調書の発行義務はありません。

支払調書の税務署への提出期限は、原則、支払いの確定した日の翌年1月31日です。

監修:高木 健太郎 (税理士)

税理士法人ナレッジラボ 代表社員
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