年金受給者の方必見!所得税がかかる場合とかからない場合

年金は税法上の雑所得にあたるため、所得税がかかります。しかし、中には所得税が免除される場合もあります。所得税が免除される場合、所得税がかかる場合の源泉徴収のプロセス、また、確定申告が不要・必要なケースについて解説します。

年金の所得税が免除される場合

収入が公的年金のみの方で公的年金を受給する際、65歳に満たない方は受給額が108万円以下、65歳以上の方は受給額が158万円以下の場合、所得税を払う必要がありません。それは、年金受給額から基礎控除と公的年金等控除を合わせて考えると、課税対象となる所得が0になるためです。したがって、国民年金の老齢基礎年金(満額)だけを受給している場合は、77万9,300円のため所得税はかかりません。(金額は平成29年度のものを参考にしています。)

源泉徴収のプロセス

では、65歳未満で108万円を超えた場合、65歳以上で158万円を超えた場合には何が起こるでしょうか?

その場合、超えた分に所得税がかかり(平成49年12月31日までは復興特別所得税も加算されます)、源泉徴収が行われます。源泉徴収ですので、徴収額が計算されて年金が振り込まれる際に天引きされます。

ここで忘れてはいけないのが、「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」の提出です。これは、65歳未満、65歳以上でそれぞれ108万円、158万円を超えた場合に日本年金機構から送られてくるものです。

この申告書の提出を忘れると、控除が受けられない、所得税率が割り増し(平成30年度の場合、提出しない場合は提出した場合の2倍)になるなどのデメリットがありますので、受け取ったら忘れずに提出しましょう。

まず、「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」を提出した場合のプロセスを紹介します。

1.年金支給額から社会保険料(国民健康保険料、後期高齢者医療保険料、介護保険料)を差し引く
2.そこから、所得税の基礎控除、公的年金等控除、その他の各種控除(申請したもの)を差し引く
3.それに、所得税率合計の5.105%をかける(2017年現在。所得税率5%、復興特別所得税率0.105%)

この計算額が毎月の年金額から源泉徴収として、差し引かれます。
万が一、「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」を提出しなかった場合のプロセスは、

1.年金支給額から社会保険料(国民健康保険料、後期高齢者医療保険料、介護保険料)を差し引く
2.そこから、(年金支給額-社会保険料)×25%を差し引く」「(2017年現在。所得税率5%、復興特別所得税率0.105%
3.それに、所得税率合計の10.21%をかける(2017年現在。所得税率5%、復興特別所得税率0.105%)

この額が源泉徴収額になります。

このように、65歳未満、65歳以上でそれぞれ108万円、158万円を超えた場合は源泉徴収されますが、年末調整がなされないため、原則として確定申告が必要です。

ただし、年金を受給している高齢者の負担を減らす目的で、「確定申告不要制度」が平成23年分の所得税から始まったため、多くの人が確定申告を免除されるようになりました。

確定申告不要制度とは

以下の2つの条件を満たした場合には、確定申告が不要です。

1.公的年金等の受給の合計額が400万円以下

公的年金等には以下のものが含まれます。

・国民年金から支払われる老齢年金(老齢基礎年金)
・厚生年金から支払われる老齢年金(老齢厚生年金)
・共済組合から支払われる老齢年金(退職共済年金)
・使用者から過去の勤務に基づいて支払われる年金
・普通恩給
・確定給付企業年金

2.公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下

これには以下のものが含まれます。

・個人年金(共済、生命保険などの契約により支払われる)
・給与所得
・生命保険の満期返戻金

上記2つの条件に該当する場合は確定申告をする必要はありませんが、下記の場合は所得税が還付される可能性があるため、確定申告するとよいでしょう。

・医療費が高額であった場合
・住宅ローンを利用しマイホームを購入した場合
・災害、盗難にあった場合
・配偶者の国民健康保険料を支払い、社会保険料控除が受けられる場合

また、住民税は所得税の取り決めとは異なり、確定申告は不要であったとしても住民税の申告が必要な場合があるため、公的年金等に係る雑所得以外の収入がある方は地方自治体に確認してください。

確定申告が必要な場合

では、確定申告が必要な場合についてみてみましょう。これは、年金が400万円超の場合や、年金以外の収入が20万円超である人に加えて、外国の法令に基づく社会保険又は共済制度に類する年金を受給している人も含まれるようになります。(平成27年度以降)

年金以外の収入が20万円超である場合には、

1.年金をもらいながら働いている
2.年金に加えて、家賃収入がある

などの例が挙げられます。対象の方は確定申告を忘れずに行いましょう。

まとめ

年金受給者の所得税については、非課税、課税、確定申告必要・不要など、状況に応じて様々なパターンがあります。どれに当てはまるのかを再度確認してみましょう。公的年金等の受給者の扶養親族等申告書については以下のリンクを参考にしてください。

参照

「平成30年分公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」の提出について|日本年金機構
「年金の受給(老齢年金)|日本年金機構
年金にかかる源泉徴収税額|国税庁
公的年金等の課税関係|国税庁

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監修:大道 智之 (税理士)

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