個人事業主の節税方法まとめ

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個人事業主の節税では、課税所得を低くする方法があります。税法を正しく理解し、利用できる制度を活用することで、しっかりと節税をしましょう。

青色申告

複式簿記による記帳をして青色申告をすることで、「青色申告特別控除」「青色事業専従者給与」「純損失の繰越控除」などの特典を受けられます。

複式簿記による青色申告の場合、特別控除額として65万円の控除を受けられます(単式簿記の場合は10万円の控除)。また、白色申告に比べると、必要経費として許可される金額や科目数が増えるため、所得金額からの控除額を増加できる点もメリットと言えます。さらに、青色事業専従者給与という制度があり、生計を一にする配偶者やそのほかの親族に支払った給料を経費として処理できたり、純損失の繰越控除により、事業などで生じた損失を翌年以降3年間繰り越せたりすることで節税につながります。

青色申告について詳しく知りたい方は「青色申告の基礎知識」に情報がまとまっていますので参考にしてみてください。

経費の集計

個人事業主の場合、年間の売上から必要経費を除いた金額が所得、所得から各種所得控除を差し引いたものが課税所得となります。所得税は、課税所得に税率を掛けあわせたものです。「経費として扱えるものは何か?」を理解し、漏れることなく経費計上を行うことで節税ができます。以下は経費の代表例ですが、全て計上されているか見なおしてみましょう。

・事業税の納付額
・消費税の納付額 ※2
・印紙税
・家賃 ※1
・固定資産税の納付額 ※1
・水道光熱費 ※3
・自動車所有に関する税 ※3
・減価償却費 ※3
・車検代 ※3
・車の燃料費 ※3
・その他消耗品費 (仕事に必要な文房具や備品など、10万円未満のもの)
・インターネット接続代(プロバイダー料金) ※3
・携帯電話代 ※3
・固定電話代 ※3
・会議や会食など仕事の名目で発生した飲食費
・パソコン、ソフト、備品など仕事で必要となる物品の購入代
・書籍購入費、新聞購読費
・広告宣伝費(名刺印刷代・広告制作費など)

※1自宅の一部を事務所にすることで家賃の一部を経費として計上することが可能。割合は面積比で算出。
※2 税込経理方式の場合のみ。
※3 事業とプライベートで同じものを使用している場合、使用時間や使用割合による按分が必要。

所得税や住民税、健康保険料、国民年金など、経費として計上できないものもあります。経費算入できるかどうかの判断に迷われた際は、お近くの税務署にお問い合わせください。

経費かどうか迷うものは「個人事業主が迷う「これって経費?」覚えてお得なQ&A20選!」も確認してみてください。

所得分散

個人事業主が支払う所得税は、儲けが多くなるほど税率が高くなり税金の負担が増える「超過累進課税方式」のため、事業主の所得(利益)が多いと、所得税額も大きくなります。そこで、配偶者も業務に従事することで、事業主と配偶者で「事業所得を分散」することができ、節税につながります。

この際注意しなければならない点として、下記のような点が考えられます。

・配偶者への支払いが専従者給与扱いかどうか
 専従者でなかった場合、配偶者への給与は経費扱いできなくなってしまいます。

・事業主が青色申告をしているか
 白色申告だと、配偶者の専従者給与控除額の上限が86万円になります。

(参考:専従者給与と専従者控除|所得税|国税庁

小規模企業共済

小規模企業共済は、個人事業主や小規模企業の役員に対して、国が用意している「退職金制度」と言っても過言ではありません。

事業を廃止したり、会社から引退したりするときに、個人事業主や小規模企業の役員に、それまで積み立てていた掛け金に応じた給付金を受け取れる制度です。

小規模企業共済の掛け金は全額を所得控除にできます。その分だけ税率をかけられる前の所得を減額できるため、節税につながります。

節税につながるだけでなく、20年以上積み立てることで最大で掛け金の120%相当が戻ってくるうえに、「退職所得」扱いになるため、事業所得に比べて大きく節税できます。

小規模企業共済について詳しく知りたい方は「経営者の救世主!?「小規模企業共済」とは」も参考にしてください。

倒産防止共済(経営セーフティ共済)

中小企業倒産防止共済制度は、国が運営している制度で、1年以上事業を継続している中小企業が加入できる公的な共済制度です。取引先の予期せぬ倒産による連鎖倒産を防ぐために作られた制度であり、掛け金に応じた救済金を受け取ることができます。

中小企業倒産防止共済の掛け金は全額「必要経費」に算入できるため、節税対策として有効です。毎月の掛け金は、5,000円から20万円までの範囲で、5,000円きざみで自由に選べます。減額には、経営の著しい悪化などの条件はあるものの、掛金の増額・減額も可能です。

積立額は最大で800万円ですが、それに至るまでは年間で最大240万円を必要経費にすることができるということです。掛け金の「前納制度」というものもあり、翌1年分の掛け金を支払い、その年の経費に入れることもできるため、所得に応じて有効に活用できます。

参考:中小企業の最後の砦!経営セーフティ共済とは?

法人化(法人成り)

法人化した場合、税率的なメリットが受けられます。法人(法人税等)の実効税率は最高税率約33%なので、累進課税制度による所得税のかかる個人事業主の最高税率55%(住民税含む)と比べると、大きな差があります。

個人事業主で、ある一定の所得がある場合には、法人化することで税率的なメリットを享受でき、節税につながります。また、個人事業主の場合は、売上から事業にかかる必要経費を抜いた額が課税所得となりますが、法人の場合は、さらに社長の給料も経費として計上できるので、課税所得を大きく下げられます。

法人化するメリットの詳細は「個人事業主が法人化するメリット・デメリットまとめ」を参考にしてください。

参考URL:
専従者給与と専従者控除|所得税|国税庁

監修:三井 啓介 (公認会計士 / 税理士)

税理士法人ゆびすい
ゆびすいグループは、国内8拠点に7法人を展開し、税理士・公認会計士・司法書士・社会保険労務士・中小企業診断士など約250名を擁する専門家集団です。
創業は70年を超え、税務・会計はもちろんのこと経営コンサルティングや法務、労務、ITにいたるまで、多岐にわたる事業を展開し今では4500件を超えるお客様と関与させて頂いております。
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