契約書の収入印紙を節約する「第7号文書」に関する節税術

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収入印紙の節約方法については、前回の『プロが教える!簡単に契約書の「収入印紙代」を節約できる3つの方法』の記事でもご紹介しました。

今回は更なる応用編として「第7号文書」という書類に関する節約術をご紹介します。

業務委託契約書や代理店契約書などの第7号文書はちょっとしたテクニックで1通あたり3,000円以上も収入印紙を節約できる可能性があります。これを逃す手はありません。早速、その方法を確認していきましょう。

第7号文書は4,000円の収入印紙が必要

第7号文書とは、継続的な取引の際に必要となる基本的な契約書のことを指します。こちらは契約金額に関わらず一律で4,000円の収入印紙が必要になります。

一方で契約関係が請負契約の場合、契約金額が50万円のケースでも必要な収入印紙の金額は200円となり、比較をすると実に3,800円の差が生じることになります。

この第7号文書の中でも実際に商取引で該当する例として多いのは、印紙税法施行令26条1号に定められた契約です。今回はこの例に当てはまる節約術を紹介します。

第7号文書の要件

今回の節約法では第7号文書のうち、以下の要件が節約のポイントとなります。

1.継続的取引の基本となる契約書
(契約期間の記載のあるもののうち、当該契約期間が3月以内であり、かつ、更新に関する定めのないものを除く。)
2.営業者間で締結される契約であること
3.基となる契約が、売買、売買の委託、運送、運送取扱い、請負のいずれかに該当すること
4.上記の売買などの契約に関して2以上の取引を継続して行うことが予定されていること
5.2以上の取引に適用される取引条件のうち、目的物の種類、取扱数量、単価、対価の支払方法、債務不履行の場合の損害賠償の方法又は再販売価格を定めていること

一見何のことを指しているかわかりにくいですが心配は不要です。この中で今回検討する要件は1、3、4番になります。順番に一つずつポイントを確認していきましょう。

節約術1:契約期間を3ヶ月以内に抑える

要件1には「当該契約期間が3月以内であり、かつ、更新に関する定めのないものを除く」とあります。つまり、これは期間を3ヶ月に抑え更新に関する定めを置かなければ、第7号文書には該当しないということになります。

もし第7号文書で作成した場合、前述のとおり1通につき4,000円の収入印紙が必要となりますが、仮に50万円の請負契約をした場合は1通あたり200円で計算することができます。

契約書に記載された契約金額 税額
1万円未満のもの 非課税
1万円以上100万円以下 200円
100万円超200万円以下 400円

これを要件1に該当しないよう3ヶ月毎に使用した場合、約5年(=20回)分に相当します。

第7号文書 1通 4,000円
= 請負契約 1通 200円(3ヶ月)×20回(=約5年)

新規案件の場合など、定期的に契約を更新する可能性が高い場合はこの方法を活用することで節約が可能となります。

節約術2:基となる契約が要件3にあたるのか確認する

要件3では「売買、売買の委託、運送、運送取扱い、請負」とあることからわかるように7号書面の対象となる契約の内容は限られたものになっています。

そのため、委任契約又は準委任契約(売買の委託、運送取扱いを除く)であれば、7号書面にあたらなくなります。

よく考えれば当たり前のことですが、そういうことです。

ですが実際に「売買、売買の委託、運送、運送取扱い、請負」が7号書面の対象になるということを知らないで、納める必要のない多額の収入印紙を納めている例をたびたび目にします。

ただ、契約内容が請負契約か、委任契約又は準委任契約であるかという判定はセンシティブな問題です。そのため確認する時は税理士などの専門家と共に現在の契約書に今回の節約術を適応できるかを確認してみると意外な節約ポイントが発見できるかもしれません。

収入印紙の知識がないと、この様な必要以上の収入印紙を支払ってしまっている場合があるので要注意です。

ちなみに、もしも収入印紙の払い過ぎが発覚した場合は国税庁に対して所定の手続きを踏むことで5年以内であれば払い戻しを受けられる可能性があります。

自社の契約書を確認すると同時に、過払い分の払い戻しをすれば事業内容によっては多くの払い過ぎた金額が帰ってくるかもしれません。

節約術3:要件4を避けるために契約を分割する

要件4は「上記の売買などの契約に関して2以上の取引を継続して行うことが予定されていること」(この場合の上記とは要件3を指す)とあります。これは、複数の取引を予定している基本契約であるか、単発の個別契約であるかという問題です。

もし仮に、個別契約を繰り返し締結しても構わないのであれば、あえて基本契約を締結せずに、基本契約の内容を含んだ個別契約の締結を繰り返すことにより、第7号文書の収入印紙を節税することができます。

また、どうしても基本契約を締結したいのであれば、基本契約のみPDF化することも方法の一つです。

実際に国税局もPDFなどの電磁的記録を利用した契約締結については収入印紙を貼る必要はないと解釈している事例があります。

また、訴訟の際にも、電子メールなどを通じてPDFベースの契約書について合意しておけば、特段問題ありません。この契約書のPDF化については『プロが教える!契約書の「収入印紙代」を簡単に節約できる3つの方法』で詳しく解説していますのでご覧ください。

まとめ

前回の『プロが教える!簡単に契約書の「収入印紙代」を節約できる3つの方法』でご紹介した内容と比べ、今回はやや専門的な内容となりましたが、ご理解頂けたでしょうか。

企業活動においては売上を伸ばすことも大切ですが、同様に不要なコストを抑えることも大切です。ぜひご紹介した内容を参考にしてみてください。

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取材協力:横張 清威 (よこはり きよたけ)

みらい総合法律事務所
平成13年司法試験合格。平成21年税理士登録。平成24年公認会計士試験合格。みらい総合法律事務所(パートナー)及び監査法人アヴァンティア(非常勤)所属。決算書に強い弁護士として、企業間訴訟、M&A、法務税務顧問などを手がける。著書(共著)として『ビジネス契約書の見方・つくり方・結び方』(同文舘出版)、『人事・労務における法務とリスクマネジメント』(社団法人企業研究会)、『応用自在!契約書作成のテクニック』(日本法令)など多数。



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