個人事業主やフリーランスの屋号にまつわるQ&A15選

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個人事業主は法人とは異なり、会社名を付けることができず、原則として個人名で事業活動することになります。

しかし、人によっては本名を出すことに抵抗があったり、仕事とプライベートが混同してしまうといった点が気なる方もいるでしょう。そんな個人名における事業活動の問題点は、「屋号」を付けて解消することができます!

ここでは個人事業主が屋号をつける際に迷いがちな「15の疑問点」について、Q&A方式で解説していきます。

1.「そもそも屋号って何?」

武士以外の身分は姓を名乗れず、しかし商人などの身分が生まれ、ビジネスの便宜上必要となったことからつけられたのが屋号の始まりです。その後、明治維新ですべての国民が姓を名乗ることになり、屋号を姓とした家が多く誕生しました。

いまでも、井村屋や高島屋、千疋屋などが老舗として存続しているのは、こういった時代背景の名残なのです。個人事業主は屋号、法人は会社名と考えるとわかりやすいですね。

2.「屋号にアルファベットはOK?」

アルファベットを使うことももちろん可能です。

3.「フリーランスにも屋号は必要?」

必ずしも必要というわけではありません。開業届の項目に「屋号」を記載する欄がありますが、空欄で提出しても申請できるくらいです。実はあとから付けたいと思ったり変更したいと思ったときの変更届用紙も存在しないのです。確定申告書の「屋号」欄に新しい屋号名を記入すれば、変更完了となります。

4.「覚えやすい屋号のポイントは?」

何といっても屋号は覚えてもらいやすいという点が重要です。例えば「地域名+事業内容」の組み合わせは、覚えてもらいやすく、かつ地元の人から親しまれることが期待できます。

また、より多くのターゲット層を取り込みたいのであれば、アルファベットや横文字を控えめにするなどの配慮も必要でしょう。

5.「屋号とお店の名前は統一すべき?」

同じ名前でも異なる名前でも、どちらも大丈夫です。しかし、「○○債務整理専門法律事務所」などという屋号にしてしまうと、あまりにも汎用性が低く、異なる事業への展開がしにくくなってしまう恐れがあります。

永続的かつ多角的な事業展開を視野に入れているのであれば、ある程度は抽象的な屋号にしておいたほうがよいでしょう。

6.「屋号は2種類以上(複数)取得できるの?」

屋号は2種類以上取得することができます。事業ごとに屋号を分けたいということなのだと思いますが、帳簿上屋号ごとにわけたとしても、確定申告時には個人名としての申告することになるので、すべてまとめる必要があります。

屋号を1つにして複数の事業を展開していくこともできますし、屋号ごとに事業展開することもできるのです。

7.「個人事業主が屋号名だけで銀行口座を持てる?」

個人事業主の口座は法人口座とは異なりあくまでも「営業性個人」という扱いになりますので、「屋号名+本名」という口座名が正式なものとなります。

銀行で管理する口座や通帳に記載される口座名称が「屋号名+本名」となるだけで、先方からの振込時には屋号名だけで振り込めるようにすることができます。口座開設する銀行に詳しく確認してみましょう。

8.「屋号に個人名は入れてもいいの?」

既にネームバリューがあり、個人名そのものが事業内容という人は、すぐに屋号とすることができます。また、自分を軸にいろいろな事業を展開していきたい人にもオススメですが、その場合、屋号を付ける意味があまりなくなってしまうかもしれません。

9.「屋号の画数(かくすう)に関して気をつけることは?」

社名判断や社名占いがあるように、複数候補で悩んだら画数で選ぶのもいいかもしれません。いわゆる大吉や吉の画数である5、7、8、9、15、17には、ソニー、イオン、ローソン、ユニクロ、セブンイレブン、楽天などがあります。

10.「屋号が既に使われていた場合は?」

屋号には法律による拘束力がないため、先に使っている人がいても、法律上は問題ありません。しかし、既に使われている屋号に商号登記がされていると、同一の場所では使用することができません。

最寄りの法務局で屋号調査を行なうことができます。無料ですので、屋号を付ける際にはウェブ上で検索する以外に、法務局でも確認しておくと、より安心ですね。

11.「極端に長い屋号や極端に短い屋号はOK?」

屋号名の長さについても十分に考慮する必要があるでしょう。

例えば長すぎる屋号のデメリットとしては以下の点が考えられます。

【屋号が長い場合のデメリット】
・覚えてもらいにくい
・発音しにくい
・書類や印鑑作成時にバランスが悪くなりがち

また、逆に屋号名が短すぎた場合でも以下のことが考えられます。

【屋号が短い場合のデメリット】
・聞き取りにくい
・事業内容が伝わりにくい

いずれにせよ、調度良いバランス感覚が大切ということですね。

12.「屋号と事業内容は関連性を持たせるべき?」

極端な例ではありますが、ダイエット食品の販売やアドバイス業務を事業内容としているにも関わらず、ビジネスがうまくいくようにと「豊潤」や「豊満」といった名称が入った屋号ですと、消費者側から見たときにピンときませんよね?事業内容と屋号がある程度合致しているものが、望ましいでしょう。

例えば、○○photo studioなら、撮影をメインに事業展開していることがすぐにわかります。○○豆腐店、○○中古車販売なども、商品名や事業内容が入っているのでわかりやすいです。

13.「○○会社や○○コーポレーションという屋号名はOK?」

屋号はあくまでも個人事業主につけるものであり、法人格ではありませんので、付けることはできません。株式会社以外にも以下のものはNGとなります。

・会社
・合同会社
・合名会社
・合資会社
・○○Co.,Ltd
・○○ Inc.
・○○銀行

14.「新しく家族が個人事業主になった場合、同一住所で同一屋号の登録は可能?」

以下のケースが考えられます。

・奥様がフリーになって、元々あるご主人の事務所で事業活動をすることになった
・フリーランス同士のカップルが結婚することになり、同じ事務所で異なる事業活動をしている

こういった場合は同一屋号で同一住所、同一連絡先ということが想定されます。

ただし納税という観点からみると、同じ事務所の賃料、光熱費を経費としているにも関わらず、それぞれで控除しているのではないかという二重帳簿を税務署から疑われてしまう可能性が高くなります。

屋号を別にするか、同一屋号内で別事業を展開することになったとしたほうが、誤解を招かずに済むでしょう。

15.「屋号名に関する過去の成功事例は?」

コーヒーの名前に濁音が付いているとヒットすると言われています。bossやジョージア、ワンダ、スターバックス、タリーズなどが挙げられます。また、芸人さんのコンビ名も「ン」が付くと売れるなどと言われ、ダウンタウンさんやナインティナインさんなどが成功事例として取り上げられています。

またタウンページなどあいうえお順に掲載されることを意識して、「あ」から始まる会社名や屋号も多く存在します。

過去の成功事例を参考にしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

屋号や会社名ひとつとってみても、そこに意味や想い、使命を込めることができます。画数や験担ぎを気にされる個人事業主さんだけでなく、占星術で開業日を決める人も中にはいるようです。

実際に月の満ち欠けと株価が連動しているという話もありますから、科学的には証明できなくても実感している経営者の方もいるのではないでしょうか。

屋号名はあくまでも信頼性を上げるための一手段として捉え、本業がおろそかにならないように、こだわり過ぎないようにしたいものです。

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監修:三井 啓介 (公認会計士 / 税理士)

税理士法人ゆびすい
ゆびすいグループは、国内8拠点に7法人を展開し、税理士・公認会計士・司法書士・社会保険労務士・中小企業診断士など約250名を擁する専門家集団です。
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